トップスター楊琳、娘役トップスター舞美りらラストステージ。OSK日本歌劇団『レビュー夏のおどり』製作発表記者会見レポート！

2024.07.04

REPORT

２０２４年８月７日（水）より新橋演舞場にて、ＯＳＫ日本歌劇団『レビュー夏のおどり』が上演される。

１９２２年大阪で誕生したＯＳＫ日本歌劇団。日本のレビュー文化を牽引し、今年で劇団創立１０２周年を迎えた。１９２８年には東京進出を果たし、２０１４年には新橋演舞場で初めての公演を行うなど東京でも多くの観客から愛され続けている。

そして、本公演をもってトップスターの楊琳と、娘役トップスターの舞美りらがラストステージを迎える。

楊琳は２０２１年にトップスターに就任し、劇団創立１００年イヤーでも存在感を発揮。舞美りらも同年に娘役トップスターに就任し、楊琳の相手役として多くのステージを共にしてきた。そんな２人の門出となる本公演は、“ダンスのＯＳＫ”の呼び名に相応しい和と洋の二本立てのレビューが届けられる。

連続テレビ小説『ブギウギ』で、趣里演じる主人公・スズ子の先輩である橘アオイ役としてお茶の間を魅了し、蒼井優との共演も評判を呼んだ翼和希をはじめ、多才な劇団員が揃い公演を盛り上げる。

今回は、楊琳、舞美りら、千咲えみ、華月奏、翼和希、松竹㈱取締役副社長の山根成之が登壇した製作発表記者会見の様子をお届けする。

まずはそれぞれ、本作に向けて挨拶が述べられた。

楊は「8月、いよいよ私たちOSK日本歌劇団が新橋演舞場に参ります。『レビュー夏のおどり』、第一部は和物のレビューショー、そして第二部は洋物のレビューショーと豪華2本立てでお届けいたします。そして第一部の和物のレビューショーは4月の大阪松竹座公演を経てさらに華やかに、そして第二部の洋物のレビューショーは、7月13日から南座公演でも上演させていただきますので、松竹座、南座を経て、さらにさらに熱く、熱い夏を熱い心でさらに熱くお届けできるよう、劇団員一堂お稽古に邁進してまいりたいと思います。

そして、私事ではございますが、今回の『レビュー夏のおどり』がOSKの人生最後の舞台となっております。この気持ちを観に来てくださる皆様と共有して、かけがえのない時を1日1日大切に過ごしてまいりたいと思いますので、どうぞたくさんの皆様に観ていただきたいと思います」と

舞美は「OSKの舞美りらとしてご挨拶させていただくのはこれで最後なんだなと、今皆さんのお言葉をお聞きしながら実感いたしておりました。いよいよ7月に入り、卒業するまで1ヶ月となりました。1分1秒無駄にすることなく大切に過ごしてまいりたいと思いますし、OSK人生15年の集大成を皆様にお届けできるように、最後の最後の日まで自分自身と向き合って戦ってまいりたいと思います。どうぞ最後まで見守っていただけたら幸いです」と

千咲は「8月にいよいよ東京公演ということで、東京はエンタメ、芸能、舞台などが数多く、とても活気づいている、勢いのある町だと思っております。その東京で、こうして今年も新橋演舞場という大変歴史のある大きな舞台に立たせていただけること、松竹さんをはじめ、皆様のお力添えあってこそと感じております。

昨年、そして今年と、OSKのことを新たに知っていただいたお客様が大変多くいらっしゃると思いますので、今年の『レビュー夏のおどり』は、東京出身の私が大阪の文化、そして大阪の誇らしい劇団に魅了されたように、多くの方に興味を持っていただき、その方々が今度はOSKの虜になっていただける、そんなステージを目指して頑張ってまいりたいと思います。

そして、いよいよ楊さんと舞美さんの4月から始まりましたラストステージのグランドフィナーレで、そして大千穐楽ですので、劇団員一丸となって熱い舞台をお届けできるよう頑張ってまいります」と

華月は「今回、劇団では一期上となっております楊さん、そして一期下の舞美りらの卒業公演ということで、今、横からお二人の顔を本当に華やかだなと思いながら見ておりました。きっと最後の公演となりますが、まずはお客様にお届けすることを第一にと、きっと最後の最後まで楊さんもおっしゃると思うので、私もしっかりサポートしながら、皆様に楽しんでいただける舞台を精一杯お届けしてまいりたいと思います」と

翼は「未だに実感が湧いていない状態ではあるのですが、皆様のご挨拶を聞いて、じわじわと実感が湧いてきている状態です。この作品は4月に松竹座で公演させていただきましたが、そこで得たもの、そして見つかった課題を、またこうして東京の新橋演舞場という舞台でお届けできることが、本当に嬉しく思います。

常に芸に対して貪欲な上級生の方々の背中を最後まで追いかけ続けて、私も上級生の方々に負けないように、芸に貪欲に欲しがって、自分も成長できるように、千穐楽のその日まで手を抜かず、気を抜かず走り抜けたいと思います」とそれぞれ本公演に向けての思いを述べた。

今回の公演がラストステージとなる楊と舞美に向けて、「自身にとってOSKとはどんな存在か」という質問に。

楊は、「言葉にしたら簡単に聞こえてしまうのですが、やはり人生の全てですね。今まだ在団しているからこそ本当に人生の全てですし、きっと卒業してからも人生の全てなのではと、今ふとご質問をいただいた時に思いました。

みんなもさっきから言ってくれている通り、芸というのは自分自身を見ていただくということなので、自分を皆さんに楽しんでいただくというのは、なんて贅沢なことだなと。言葉を悪くしてしまえばおこがましいことなんですよね。だからこそ、そのために日々自分と向き合って、いただいたものをいかにどうしたらというのが大きい場だと思うんです。

なので、その過程を経ている濃厚な日々は、忘れたくても忘れられないでしょうし、何より自分を形成した時間だと思います。だからこそOSKは、私にとって人生の全てだと思います。本当に素晴らしくきらやかな宝物でございます」と感慨深く語った。

舞美は「私にとってOSKは夢を叶えてくれた場所です。学生の頃、舞台に携われるお仕事に就くことが夢だったのですが、こんなに素敵な皆様に愛される劇団に入れてよかったねってその時の私に伝えてあげたいほど。幸せなカンパニーや劇団は他にもあるとは思いますが、皆様に100年以上も愛される劇団というのはあまりないと思いますので、本当に幸せな日々を過ごさせていただいた居場所だと思っております」と嚙みしめるように語られ、製作発表記者会見は終了となった。