平間壮一主演、多田直人、大東立樹ら出演。『無伴奏ソナタ -The Musical-』開幕！「役の人生を生ききるのは本作が初めて」

2024.07.25

REPORT

演劇集団キャラメルボックスの名作をミュージカル化した『無伴奏ソナタ -The Musical-』が、2024年7月26日（金）に東京・サンシャイン劇場にて初日を迎える。

オースン・スコット・カードの短編小説を原作に、2012年に演劇集団キャラメルボックスが舞台化した本作。脚本・演出・作詞は舞台版から引き続き成井豊が手がけ、音楽は元ピアノロックバンドWEAVERのボーカルで現在はソロプロジェクトONCEとして活動している杉本雄治が楽曲を描き下ろし。感動の物語を、新たにミュージカルとして描き出す。

幼児期のテストで職業が決まる世界で、音楽の天才としてその才能を見出された主人公のクリスチャン・ハロルドセン役を平間壮一、彼を監視するウォッチャー役を多田直人（キャラメルボックス）、ギター弾きの作業員ギレルモ役など大東立樹が演じる。このほか、熊谷彩春、藤岡正明、霧矢大夢といった多岐にわたり活躍するキャスト陣が集結。

本記事ではゲネプロを前に実施された囲み会見の様子をお届けする。会見には主演の平間壮一をはじめ、多田直人(キャラメルボックス) 、大東立樹、熊谷彩春、藤岡正明、霧矢大夢が登壇した。

初日を前にした心境を聞かれると、主演を務める平間は「いつになっても初日を迎える前は、初めて舞台に立つのかというくらい緊張していて。準備はしてきたはずなのに心にどこか穴が空いているような、そんな気持ちになるのですが、その気持ちに負けずにやっていきたいと思います」と意気込みを語った。

平間は座長としてはなにもできていないと苦笑しながらも「クリスチャンは作中でも受け身だったので、座長だからといってとくに出しゃばらずやってきました」と稽古を振り返った。

初演ではクリスチャンを演じた多田は「ストレート版を知っていると面食らっちゃうかもしれないくらい作品のテイストが変わっています」と、ミュージカルとして生まれ変わった本作に触れたうえで「お客様がどんな感想を持つのか、僕自身も楽しみにしています」と、感慨深げに語った。

「お客さんをどれだけ楽しくさせられるのか、ワクワクしています」と笑顔で語った大東は、今回ギターに初挑戦。稽古場での成長や先輩との関わり方を問われた大東は、稽古場で多くを吸収できたと語ると同時に、「休憩時間に平間さんに相談しにいったり、ハンバーガーをごちそうしてもらったり」とかわいいエピソードも披露。平間は「甘え上手なんですよ」と笑顔を見せた。

ギターに挑むにあたり“ギタリストの手”を目指していたという大東は、稽古の成果を聞かれると「（ギタリストの手に）なれています！」と自信を覗かせ、藤岡と手を比べる一幕も。約半年間、家にいる間もギターを握り、ついに小指でギターを持てるほどに楽器が手に馴染んだそう。大東が師匠と仰ぐ藤岡からも、「舞台上でギターを弾くために練習する人はたくさん観てきましたが、その中でも1番うまいです！」とお墨付きをもらっていた。その成果はぜひ劇場で確かめてみてほしい。

今回、舞台上で初めて英語の歌を披露するのは熊谷だ。「父の転勤の影響で小さい頃から英語の歌に慣れ親しんできたので、日本語の歌より歌うのが得意でした。舞台上で英語の歌を歌うのは今回が初めてですが、体に馴染んでいるのでのびのびと歌えて楽しいです」とチャーミングな笑顔を見せた。

「数年後にはキャラメルボックスに入ろうかな」と、驚きの宣言で笑いを誘った藤岡は、作中ではグリルの店主・ジョーを演じる。普段から料理をするという藤岡は、稽古期間を料理をしている時間、本番を出来上がった料理を食べる時間に例え、「食べるのってあっという間に終わってしまうんですよね。本番期間を楽しんで、しっかりお腹いっぱいになりたいと思います」と、初日を前にしての心境を語った。

霧矢は、久々に成井作品に出演する。稽古場での成井は、変わらずパワフルで生き生きしていたといい、霧矢の腹からの通る声で成井の生き生きとした様子を再現して見せると、ツボに入ったのか平間がしばらく笑い続けていた。そんな瞬間からも、カンパニーの雰囲気のよさが伝わってくる。「お客様の前で上演すると新しい作品に生まれ変わる“舞台マジック”をいつも感じているのですが、明日の初日にも素敵な魔法がかかると思います」と、この作品にぴったりなどこかファンタジー味あふれるコメントで意気込みをコメントした。

平間は今作で、音楽を禁じられる天才音楽家という難しい役に挑む。難役に挑むことへの心境について問われると、「これまでの役作りのやり方としては、皆さんにどうやったら楽しんでもらえるかとか、こういうことを伝えたいとか、テーマを持って演じてきました。でも今回は、どんな思いが皆さまに伝わるのか僕自身でも想像できていなくて。そうなったときに、僕は一生懸命に役の人生を演じ切ることしかないんだなと思いました。なので、クリスチャンを演じるということだけを目標に頑張っていきたい」と回答。本作ではこれまでとはまた違う、役者・平間壮一の新たな顔が観られるのではないかと期待が高まった。

最後に平間が「みなさんがどんな感想を持たれるのか楽しみにしています。役の人生を生ききるというのは本作が初めてだと思います。初めてやるやり方で不安もあるのですが、皆さまに楽しんでもらいたいのはもちろん、皆さまの意見を聞いて勉強して、自分をステップアップさせる作品にしたいと思いますので、ぜひ劇場に足を運んでください」と意気込みを語り、和やかに取材会は終了した。