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佐々木蔵之介×上田竜也共演。PARCO PRODUCE 2024 『破門フェデリコ~くたばれ!十字軍~』開幕!「800年前の中世ヨーロッパを、渋谷に再現します」

REPORT

2024年8月6日(火)、PARCO劇場にてPARCO PRODUCE 2024『破門フェデリコ~くたばれ!十字軍~』が開幕した。

本作の舞台となるのは、キリスト教に支配されていた中世ヨーロッパ。当時の最高権力者であるローマ教皇から、最大の罪である「破門」を3度言い渡されながら、たった一人で時代の門を破り、次の時代をこじ開けた皇帝フェデリコの物語。実の息子をも敵に回し、敵である異教の君主と友情を育むなど、思いもよらぬ方法で前人未到の道に進もうとした男の真実とは何かを描き出す作品だ。

主人公・フェデリコを演じるのは佐々木蔵之介。フェデリコと対峙する息子・ハインリヒを演じるのは上田竜也。ほか、イスラム教の聖地・エルサレムを奪還すべく、十字軍の遠征に執念を燃やすカトリック教最高権威者・ローマ教皇・グレゴリウス役に六角精児。時空を超え、世界の行く末を見守り続ける常闇の一族の末裔・イザベル役に那須 凜。フェデリコが唯一心を通わせたイスラムの君主・アル・カーミル役に栗原英雄と、様々なジャンルで活躍する実力派俳優が集結した。

初日前会見には、佐々木、上田、那須、栗原、六角と、脚本を手掛けた阿部修英、演出の東 憲司が登壇。作品への思いや、開幕への意気込みを語った。

初共演となる上田の印象を聞かれ、佐々木が「やんちゃなイメージがあったのですが、稽古場では演出の言うことを聞いて全部その通りにやるし、セリフも全部その通りにやるので、真面目にやるなぁという印象です。多くのお客さんの前に立っている人間で、(感情の)爆発のさせ方や楽しみ方をすごくわかっているので、ついていきます!」と答えると、「いやいやいや」と恐縮する上田。佐々木の印象については、「蔵之介さんの芝居力や存在感に圧倒されました。よかったシーンは“すごくいいよ”と言ってくれますし、“もっと、こういう気持ちでやってもいいんじゃない?”ということもちゃんと言ってくださるので、信頼してついていってます」と称賛を送った。

また、佐々木と上田は確執のある親子を演じるということで、稽古期間中は距離をとっていたのかという質問が飛ぶと、「最初はちょっとそうなるかなと思ったんですけど、蔵之介さんが差し入れをいっぱいくれるので、餌付けされました」と満面の笑みを浮かべる上田に、佐々木も「毎日どういう差し入れを……賄賂をどうしたらいいのかということに頭を悩ませました」とユーモアたっぷりに返す。

さらに六角が、「差し入れが多いから、(キャストが)仲よくなるんですよ。みんなで食べますからね。私たちは、佐々木さんがくれるものを食べて(稽古期間の)7月を暮らしていました」と笑わるなど、しっかりと信頼関係を築いている様子が垣間見えた。

ドキュメンタリー番組のディレクターでもあり、世界の歴史の彼方に埋もれ隠れた偉人たちに光を当て続けている阿部は、「フェデリコ2世について、15、16年前から興味があって調べていました。最初は、100年続いた戦争をとめたスゴい英雄だと思っていたのですが、調べれば調べるほど不完全なところも見えてきて。そういうちょっと不完全な人が、あえて平和というものを目指したんだっていう。平和を叶えられるのは、神様じゃなくて人なんだというメッセージを届けつつ、(作品を)おもしろがってもらえれば」と、脚本に込めた思いをアツく語った。

ダイナミックな舞台美術で、人間関係を時に大胆に、時に繊細に描き出す手腕には定評のある東は、「阿部さんの戯曲は、とてもスケールがデカくて、テンポもいい。それをどうシンプルな舞台とこれだけの役者さんでやっていくかをすごく考えました。キャストとスタッフのマンパワーを見ていただきたい」と自信を覗かせた。

最後に、キャスト陣が初日前の意気込みを。那須が「エネルギーの強い、スケールの大きな舞台がアナログで立ち上がっていると思います。楽しみにしていてください」と笑顔を見せると、栗原は「暑い日が続きますが、冷房がよく効いたこの劇場に、アツい芝居を見にきてください」と、時制にフィットしたコメントを。六角は、「ぼんやり見ていれば何かがわかるという作品ではないと思います。なので、自分からPARCO劇場に来て、何かを見ようという意思を持ってしっかりと見たときに、きっと自分で勝ち得たおもしろさが出てくると思います」と、役者視点で作品の魅力をアピール。

「早く明日(初日当日)にならないかなとワクワクしている」という上田が、「みなさんがどういう感情になってくださるのかを楽しみながら。この劇場を出たときに、何か1つでも持ち帰ってくれることを期待しながら、僕たちは全力でがんばるので、ぜひ楽しみにしていてください」と言葉に力を込めると、佐々木も「800年前の中世ヨーロッパを、渋谷に再現します。人海戦術で届けます。その時代に生きて使命を果たそうとした人、正義を貫こうとした人、そして、夢を実現させようとした人たちの感情が渦巻いています。最後、大きな広い希望の翼に乗ってご自宅に帰っていただけるよう、ステキな芝居をお贈りいたします」と、美美しい表現でメッセージを送った。

文:林桃
撮影:加藤幸広

公演概要

PARCO PRODUCE 2024 『破門フェデリコ~くたばれ!十字軍~』

作:阿部修英
演出:東憲司

出演:
佐々木蔵之介 上田竜也 那須凜 栗原英雄 田中穂先 石原由宇 六角精児 ほか

【東京公演】
2024年8月6日(火)〜9月1日(日)
PARCO劇場

【愛知公演】
2024年9月7日(土)・8日(日)
Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

【大阪公演】
2024年9月11日(水)〜16日(月祝)
森ノ宮ピロティホール

【福岡公演】
2024年9月21日(土)・22日(日)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール

公式サイト:https://stage.parco.jp/program/federico

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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