渡辺碧斗インタビュー 『燃ゆる暗闇にて』 「選択する瞬間に頭をよぎる作品になれば」（前編）
2024年10月5日より東京・サンシャイン劇場にて、ミュージカル『燃ゆる暗闇にて』が上演されます。
スペインの巨匠と言われる劇作家“アントニオ・ブエロ・バリェホ”の傑作、『燃ゆる暗闇にて』。盲学校を舞台に、とある転校生が来たことで起こる変化を軸に、「幸せ」についての真意を問い、多くの人の共感を呼んだ本作。昨年、韓国ミュージカル界における名コンビ、演出のソン・ジョンワンと作曲・音楽監督のキム・ウニョンにより、新作ミュージカルとして生まれ変わり、満を持して2024年10月に日本版として初上陸します。
主演となる、学園の中心人物・カルロス役に渡辺碧斗さん、転校生・イグナシオ役を佐奈宏紀さんと坪倉康晴さんがWキャストで演じます。渡辺さんは本格ミュージカル初挑戦となり、ロックテイストの本作に挑みます。
THEATER GIRLは主演の渡辺碧斗さんにインタビュー。前編では、本作への印象や俳優としての“原動力について語っていただきました。
初のミュージカルで苦戦していることも
――本作への出演が決まった時の気持ちを教えてください。
内容は原作を読んでいたので知っていたのですが、すごく興味深くて心に残った作品だったこともあって、出演が決まったときはうれしかったです。ただ、ミュージカルという点で自分にとっては新しい挑戦になるので、不安に思う部分も多かったですね。
――さらに、今回は舞台初主演になります。
そうですね。少し前まで一年間同じ作品に出ていて、ずっと一緒だった同年代キャストの姿から刺激を受けて、自分も何かに挑戦したいと思っていたタイミングでした。なので、「今回はやってやるぞ！」という気持ちです。
――本作は韓国ミュージカルとしても上演されていますが、韓国ミュージカルにはどんなイメージがありますか？
ミュージカルですと、韓国でも上演された『デスノートTHE MUSICAL』の日本公演がとても印象に残っています。今回の作品においても、韓国ミュージカルに興味がある方々も観に来るかもしれないので、プレッシャーを感じる部分はあります。
――本作で転校生・イグナシオを演じる佐奈宏紀さん、坪倉康晴さんの印象を教えてください。
実は坪倉さんにはまだお会いできていなくて（取材時）、佐奈くんとは、すでに一緒に稽古をしていて、稽古終わりに一緒にご飯にも行ったりして、コミュニケーションは取れていると思います。この台本は読む人によって全く違う見え方になっているので、よりコミュニケーションが必要になってくるのではと感じています。
――現在、絶賛稽古中とのことですが（取材時）、稽古場の様子はいかがでしょうか。
僕は今ちょっと役に苦戦している状況なのですが、みんなが和気藹々と稽古に取り組む姿を見て救われています。
――とくにどんなところに苦戦しているのでしょうか？
セリフから歌になるところの、急に歌い出す感じがまだあまり掴めていなくて……。最後まで悩むことになるんだろうなと思っています。本番が近づいてきて少し焦っていますが、頑張ります！
出演舞台には家族が観に来てくれることも
――ちなみに、本作では初の主演を務められますが、座長として取り組もうと思っていることはありますか？
僕にできることは全てやるだけやって、その姿で何か少しでも影響を与えられたらいいなと思いますね。
――稽古場に必ず持っていくものや稽古でいつもしているルーティンのようなものはありますか？
必ず持っていくものは、カフェインですね。シャキッとしますし、願掛けみたいなところもあります。それから、ミュージカルなので、漢方などで喉のケアも気をつけるようにしています。
――舞台ですと稽古も含めて長期間になることが多いかと思いますが、乗り切るために何か気をつけていることはありますか？
稽古中は共演者とコミュニケーションをとる機会が映像に比べて多いと思っています。なので、いろんな人とコミュニケーションを取って、柔軟に人の意見を聞いて考えられる体制でいたいです。僕はどんどん自分の世界に入っていってしまう傾向があるので、柔軟な自分でいられるように意識したいと思っています。
――渡辺さんが俳優を続ける上で、原動力になっているものがあれば教えてください。
家族や応援してくださる方の存在が大きいですね。以前出演していた『王様戦隊キングオージャー』は小さい頃に親と一緒に見ていたシリーズ作品だったので、親が喜んでくれている姿を見てうれしかったです。応援してくださっている皆さんの反応も、モチベーションになります。
――それは、親孝行になりましたね。
そうなっていたらうれしいですね（笑）。
――舞台へ出演する際には、ご家族も観に来てくださるのでしょうか？
以前、舞台に出演したときは地方の公演を観に来てくれました。自分から「観に来て」というタイプではないんですけど、来てもらえるとやっぱりうれしいですね。
取材・文：THEATER GIRL編集部
公演概要
ミュージカル『燃ゆる暗闇にて』
【演出】 田中麻衣子 【音楽監督】落合崇史
【翻訳】吉田衣里 【上演台本・訳詞】 オノマリコ
【出演】 渡辺碧斗／佐奈宏紀 坪倉康晴 ※Wキャスト ／熊谷彩春／コゴン 高槻かなこ／
雨宮翔（GENIC）松村優 菅原りこ 日髙麻鈴 ／ 壮一帆
SWING 須田拓未
【公演日程】 2024年10月5日（土）-10月13日（日）全11公演
【会場】 サンシャイン劇場
【チケット料金】
S席：11,000円（税込）／A席：9,000円（税込）
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
【オフィシャルHP】 https://musical-moyuru-kurayami.jp
【オフィシャルX（旧Twitter）】 @moyuru_kurayami
