加藤和樹インタビュー ミュージカル『BARNUM』「今だからこそ、この作品の良さが強く届く」(後編)
――今回バーナム役を演じるにあたって、何か特別にトレーニングをされていることはありますか? サーカスが舞台となるだけに、ほかとはちがう要素があったりするのではと思ったのですが。
どうなんでしょう? どこまでやるかは正直まだ分からないですけど。音楽的なところでダンスを踊ることはあると思うので、それに向けての覚悟はしています(笑)。それ以外でも、やれと言われれば何でもやりたいと思ってますし。ははは。
それからこれは準備にあたるのかという感じではありますけど。彼はすごく話術に長けている人なので、今回はセリフをただ口にするのではなく、いろんなことを考えつつ頭の中で言葉を選びながらしゃべっている、その言葉の巧みさや説得力を出したいなと思っていて。そこがちょっといつものお芝居とは変わってくるところですかね。
――原曲では早口言葉のような歌がありますが、日本語版でもそうなんでしょうか?
めっちゃ早口ですよ。毎日口ずさんでます(笑)。しかもまた、サイ・コールマンの楽曲って音階がすごくて、ここに行くだろうなというところに行かないんですよ。あえて半音ずらしたりしてあって。でも、そこがハマるととても心地いいんです。こういうところにもバーナムの性格が表されているんじゃないかと思ったりもしますね。「ここに行かないの!?」って感じる曲は、ソロ曲だけじゃなくて全体曲もそうなんですけど、お客さんも聞いていて「お!?」って思う瞬間になると思いますよ。
――幅広いジャンルの作品に出演されている加藤さんですが、ミュージカルに出演される際に何か心がけていることはありますか?
これはミュージカルに限らずなんですが、とにかく自分が一番楽しむということです。作品の中では、やはり僕が誰よりも楽しんでいないと、それがお客さんにも伝わってしまうし、共演者に対しても同じですよね。例えば、公演を重ねてくると疲れが溜まってきたりと、体力的な面で影響があったりするんですけど。その状況でも楽しむ気持ちを忘れない。これは自分の活動において一番大事にしていることですね。