大野拓朗×松田 凌×立道梨緒奈インタビュー 「進撃の巨人」-the Musical- 「ニューヨーク公演でも大旋風を巻き起こしたい」（後編）
2024年10月、ニューヨーク公演が上演される「進撃の巨人」-the Musical-。12月からは待望の日本凱旋公演も控えています。
原作の壮大な世界観と緻密な人物描写を、歌とダンスと芝居の融合で表現する本作。躍動感あふれるアクションや、多様な手法で表現された巨人の姿、巨人を前にした人間の恐怖や怒りを奏でる歌唱シーン……。演出・植木 豪さん、脚本・畑 雅文さん、音楽監督・KEN THE 390さん、作詞・三浦 香さんの布陣が生み出した、唯一無二のミュージカルとして初演は大きな話題を呼びました。
今回は、ニューヨーク公演と日本凱旋公演を控えるキャスト陣へのインタビュー後編。人類最強の兵士・リヴァイ役の松田 凌さん、巨人研究に情熱を注ぐハンジ・ゾエ役の立道梨緒奈さん、そして調査兵団団長・エルヴィン・スミス役の大野拓朗さんの3名が、植木さんとの作品作りの想い出や、ニューヨーク公演に向けての意気込みを語ってくれました。
また後編では、作品にちなみ“遠征したい場所”もお聞きしました。立道さんの意外な弱点が判明し、取材は最後まで大盛りあがり！
日本を飛び出し、“外の世界”へと飛び出していく「進撃の巨人」-the Musical-。熱量あふれるキャストたちの声をお届けします。
植木 豪の演出は「驚きの連続」だった
――キャストのみなさんが発信したアイディアを、演出の植木豪さんが柔軟に受け止めてらっしゃるような印象を受けました。植木さんの演出を受けてみて、印象的だったことはありますか。
立道：本当にものすごく温かい方ですね。頭の中はどんなふうになっているんだろうと思うくらい、すごいアイディアだらけで、驚きの連続でした。それでいて、役者目線でいろいろと考えてくださる。話し合うときも、「もうちょっとここはこうしましょうか」と、本当に優しく話しかけてくれるんですよ。
実際にご一緒して、豪さんの人柄や温かさに触れて、だからこんなに豪さんの周りには人が集まってくるんだなと実感しました。この作品もまさに、「豪さんと一緒にこの作品を作りたい！」という想いに溢れている人たちの集まりなんですよ。
大野：本当にその通り。
立道：だから、作品の内容としては重いものでしたけど、そのわりに稽古場はすごく和やかでしたね。
大野：あと、座組にダンサーさんたちが多かったっていうのもありますね。
立道：確かに！
――カンパニーのいい雰囲気を作ってくれていた？
大野：そうですね。ダンサーさんたちのフランクな感じが、他の舞台にはない雰囲気を作っていたというか。ダンスをやってきた方々だから、中にはお芝居や歌が初めてという方もいて。
でも、そこに一生懸命向き合っている姿というのが、『進撃の巨人』のキャラクターたちと通ずるものがありました。熱い思いで取り組んでいる姿が、僕らにとっても刺激的でしたし、すごくいい空気でしたね。
松田：豪さんが我々のことを信じてくれますもんね。
立道：本当にそうなんですよ。
大野：天才的な発想力があるだけでなく、そんな中で柔らかく「ここは役柄的にこう動きたい」と提案すると、「じゃあそうしよう」と受け入れてくださる度量もあって。改めて初演を終えたから思うのが、豪さんじゃなかったらこの「進撃の巨人」-the Musical-は出来上がっていないと思います。
松田：実は、僕一度、豪さんに謝ったことがあるんですよ！
――そうなんですね。それはなぜでしょう？
松田：今思い返すと生意気にも程があるのですが……。芝居をつけていただいているときに、豪さんから何かを言われるということがあまりなくて。僕に何か気を遣っているのかなとか、どういうお芝居を求めているんだろうとか、わからないことが多々あったんです。
その上、ダンスやギミックも多くて歌もある。やることが多いのは理解していたのですが、どうしてもそちらに時間を割いていて、芝居の稽古が少ないんじゃないかって、僕が勝手に思ってしまっていたんです。
でも、いざ出来上がった作品を観たら、もう言葉も出てこないくらい「豪さんってすごいな」と思って。だから豪さんに「すみません、僕は役者としての想いで先走って、勘違いしていました。これは本当に豪さんじゃないと作れない作品です」とお伝えしました。
アフリカ、ロンドン、北海道……。三者三様の“遠征”エピソード
――壁外への遠征任務もこなす調査兵団にちなみ、みなさんが遠征してみたい国や地域を教えてください。
大野：僕はすでにかなり叶えちゃっているんですよね。ずっとエジンバラに行きたかったんですが、つい先日行ってきたし、南極も仕事で行ったしなぁ。あとは北欧にオーロラを見に行きたいかな。
立道：素敵！
松田：それはいいですね。
大野：いいよね！？ あとはアフリカも行きたい。やっぱり北欧じゃなくてアフリカにしよう。自然保護区に行ってライオンと戯れたいです！
立道：すごいなぁ。……実は私、飛行機が苦手なんです。
一同：ええ！？
立道：3時間以上のフライトが苦手なんですよ。以前、行ったときも緊張でひたすら水を飲んでいたら、水分の摂りすぎで足がパンパンになりました（笑）。
大野：この後のニューヨーク大変じゃない？
立道：そうなんです。何をどう対策しようか、今から必死です。
※取材は9月上旬に実施
松田：じゃあ行くなら国内？
立道：そうですね。北海道が好きなので、北海道に行きたいです。3時間以内なら飛行機も行けるので、そのエリアを攻めていきたい（笑）。
一同：（笑）
――松田さんはどこに行きましょう。
松田：ロンドンですかね。
大野：ロンドンいいよ～。
松田：僕の祖父が「シャーロック・ホームズ」が好きで、その影響もあって昔から好きなんですよ。小学校の自由研究でビッグベンを調べたくらい（笑）。
演劇に携わってから、より深くなりましたけど、ずっと憧れがあるんです。小説で読んだ100年前のロンドンの、くすんだ霧がかった街のミステリアスな感じと、英国的なノーブルさと。自分は今俳優だから、俳優としてそのうちに行ってみたいなって思いますね。
大野：なんかやっぱり凌は僕と似ているところあるよね。僕も小さい頃から憧れの場所がロンドンだったんですよ。洋画を観ていた影響で、海外というとロンドンの街のイメージで。だから、ロンドンに憧れる気持ちはすごくわかる。ニューヨーク公演の次、ロンドン公演の可能性もゼロじゃないかもよ！？
松田：確かに。いやぁ、そうなったら夢があるなぁ。
「大旋風とはこのことか」初演で掴んだものを胸に、カンパニーはNYへ
――「進撃ミュ」のさらなる快進撃を楽しみにしています！ 2023年の初演では多くの観客が「また一つすごい作品が生み出された」と衝撃を受けたのではないかと思います。そんな初演を振り返りつつ、ニューヨーク公演、そして日本凱旋公演への意気込みをお聞かせください。
立道：初演はこの作品をどうやって表現していけばいいのか、手探りの時間もすごくありました。稽古期間も他の作品に比べると長くて、その中で1つの完成形が出来上がって、「これが私たちの『進撃の巨人』です。ドン！」とお客様に届けられたことが嬉しかったし、本当に誇りに思いました。
今回は、初演よりさらにもう1歩、突き詰めた状態でお届けできることが楽しみですし、とにかく私自身が楽しみたいなと思っています。
松田：この作品に限らずですが、自分たちが作ったものの成果を実感できるのは、やっぱりお客様からの反響をもらったときです。初演を振り返ると、その反響がとても大きかった。お客様だけじゃなく、初演から1年半経った今でも、現場で共演する役者やスタッフの方に「リヴァイを演じていたよね？」と声をかけていただくことがあります。それを僕はすごく誇りに思っていますし、初演から時間が経ってもこの作品が僕の中で全然色褪せていないことを感じています。
再演を控えた今、周りの人に「再演があるので、ぜひ観に来ていただきたい」と心から言える作品です。そう思える作品にまた向き合える日々がやってくるのが楽しみですし、お客様にも楽しみにしていていただきたいです。
――最後に大野さん、お願いします。
大野：初演はおかげさまで大好評をいただいて、よく耳にする“大旋風を巻き起こす”とはこのことかと。大旋風を目の当たりにしたという感覚でした。原作ファンも、それぞれのキャラクターのファンもたくさんいらっしゃる作品なので、僕も初日を迎えるまでは少し怖い部分もあって。でも、初日の幕を開けてから、お客様のリアクションやSNSでの評判を見聞きして、実際にチケットも大きく動いて、激動を感じました。
エルヴィンとしては、再演であっても初志貫徹で、変えることなくやっていきたいですね。それが、作品やキャラクターへの敬意になると思っているので、変に変わってしまわないよう、めちゃくちゃ細かく勉強した初演を思い出して臨みたいです。「進撃の巨人」-the Musical-、ニューヨーク公演でも大旋風を巻き起こしたいと思います！
取材・文：双海しお
撮影：野田涼
【松田 凌】
ヘアメイク：齊藤沙織
スタイリスト：ヨシダミホ
衣装：ジャケット¥85,800、カットソー¥41,800、パンツ¥52,800(CULLNI DAKS LONDON／CULLNI FLAGSHIP STORE)／問い合わせ先：CULLNI FLAGSHIP STORE(03-6416-1056)
【立道梨緒奈】
ヘアメイク：山口かな子
スタイリスト：小田優士
衣装：シャツ ¥38,500、パンツ ¥46,200(JUN OKAMOTO)／問い合わせ先：JUN OKAMOTO(03-6455-3466)
アメリカ・ニューヨーク公演概要
ATTACK on TITAN: The Musical
＜公演期間・劇場＞2024 年 10 月 11 日（金）～10 月 13 日（日） New York City Center
＜原作＞諫山 創「進撃の巨人」（別冊少年マガジン／講談社）
＜演出＞植木 豪
＜脚本＞畑 雅文
＜音楽監督＞KEN THE 390
＜作詞＞三浦 香
＜出演＞
エレン・イェーガー役 岡宮来夢
ミカサ・アッカーマン役 高月彩良
アルミン・アルレルト役 小西詠斗
ジャン・キルシュタイン役 松田昇大
マルコ・ボット役 泰江和明
コニー・スプリンガー役 高橋祐理
サシャ・ブラウス役 星波
ハンネス役 村田 充
キース・シャーディス役 林野健志
ディモ・リーブス役 冨田昌則
カルラ・イェーガー役 舞羽美海
グリシャ・イェーガー役 唐橋 充
ハンジ・ゾエ役 立道梨緒奈
リヴァイ役 松田 凌
エルヴィン・スミス役 大野拓朗
ほか
＜NY 公演公式サイト＞https://attackontitan-themusical.com/
＜公式 X＞https://x.com/shingekimusical
＜公式 Instagram＞https://www.instagram.com/attackontitan_themusical
＜公式 YouTube＞https://www.youtube.com/@shingekimusical
©I・K/AMPC2024
日本凱旋公演概要
「進撃の巨人」-the Musical-
＜公演期間・劇場＞
【東京】2024 年 12 月 13 日（金）～12 月 22 日（日）TOKYO DOME CITY HALL
【大阪】2025 年 1 月 11 日（土）～1 月 13 日（月・祝）オリックス劇場
＜原作＞諫山 創「進撃の巨人」（別冊少年マガジン／講談社）
＜演出＞植木 豪
＜脚本＞畑 雅文
＜音楽監督＞KEN THE 390
＜作詞＞三浦 香
＜出演＞
エレン・イェーガー役 岡宮来夢
ミカサ・アッカーマン役 七木奏音
アルミン・アルレルト役 小西詠斗
ジャン・キルシュタイン役 福澤 侑
マルコ・ボット役 泰江和明
コニー・スプリンガー役 高橋祐理
サシャ・ブラウス役 星波
ハンネス役 村田 充
キース・シャーディス役 林野健志
ディモ・リーブス役 冨田昌則
カルラ・イェーガー役 舞羽美海
グリシャ・イェーガー役 唐橋 充
ハンジ・ゾエ役 立道梨緒奈
リヴァイ役 松田 凌
エルヴィン・スミス役 大野拓朗
ほか
＜主催＞「進撃の巨人」-the Musical-製作委員会 2024
＜チケット料金＞13,000 円(全席指定／税込)
＜日本公演公式サイト＞https://www.shingeki-musical.com/
＜公式 X＞https://x.com/shingekimusical
＜公式 Instagram＞https://www.instagram.com/attackontitan_themusical
＜公式 YouTube＞https://www.youtube.com/@shingekimusical
©諫山創・講談社／「進撃の巨人」-the Musical-製作委員会 2024
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