三浦涼介×藤田 玲インタビュー 舞台「呪術廻戦 0」WITH LIVE BAND「ついにこのエピソードをやるときが来た」（後編）
2024年12月東京・2025年1月大阪にて、舞台「呪術廻戦 0」WITH LIVE BANDが上演。2022年、2023年と上演されてきた「じゅじゅステ」の最新作となります。
シリーズ第3弾は、『呪術廻戦』の前日譚にあたる原点のエピソード「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」を舞台化。本編開始の約1年前、「東京都立呪術高等専門学校」に入学することになった乙骨憂太を主人公に、乙骨とその幼馴染の呪霊・祈本里香の物語、そして“現代最強の呪術師”五条 悟と“最悪の呪詛師”夏油 傑の因縁が描かれていきます。
2021年に公開された『劇場版 呪術廻戦 0』も反響が大きかっただけに、本エピソードの舞台化を心待ちにしていたファンも多いでしょう。今作から新たに登場するキャラクターたちのキャラクタービジュアルの完成度の高さも大きな話題となりました。
今回は、初演から五条 悟 役を演じている三浦涼介さん、夏油 傑 役を演じている藤田 玲さんにインタビュー。物語の核をなす重要キャラクターを演じるお二人に、役や作品への思いをお聞きしました。
後編では、新キャストを迎えてのカンパニーの雰囲気や、上演期間であるクリスマスや新年にちなんだエピソードをお聞きしています。
虎杖悠仁役の佐藤流司が人見知りな2人の架け橋に
――第1弾では役としての関わりはほとんどなかったかと思いますが、藤田さんと三浦さんの関係性はいかがでしょうか。
藤田：僕らこの作品が初共演なんですが、それまでずっとニアミスしていたんですよね。
三浦：そうだよね。
藤田：ちゃんとお会いしたのは、第1弾の制作発表のときかな。「夏油役の藤田 玲です」とご挨拶したら、りょんくんが「知っています」と言ってくれて（笑）。
三浦：アハハ。そんなこと言ってた？ ごめんね。
藤田：いやいや、僕としてはりょんくんに知っていてもらえたことが嬉しかったですよ。長い期間ニアミスし続けて、やっと共演できたと思ったのですが、役としてはあまり絡むシーンがなくて……。でも、ちょこちょこ飲みに行ったりはしました。2人きりではなくて、間に流司（虎杖悠仁役の佐藤流司）とかを挟んでですけど（笑）。
三浦：そうそう。僕も玲くんもどうやら人見知りっぽくて（笑）。
藤田：そうなんですよ。
三浦：そんな僕らの間を、流司をはじめとした若い子たちが取り持ってくれていたというか（苦笑）。
藤田：そういう意味では、おじさんたちが1番、気を遣われていたかも。
三浦：ふふ。でもおかげさまで玲くんとも話せましたね。
――今回はそんな佐藤さんら1年トリオがお休みです。顔合わせと本読みを終えて、どんな雰囲気のカンパニーになりそうな予感がしますか。
三浦：どうなんですかね。どうです？
藤田：やっぱり顕作さん（演出の小林顕作）をはじめ、制作チームは変わっていないじゃないですか。だから、あまり変わった感じはなかったですね。「流司がいないな」とは思いましたけど。
三浦：新しい作品に入るときは、みんな少なからず緊張していると思うんです。だけど、カンパニーのファミリー感がすでにあるからか、顔合わせの挨拶でも皆さんユーモアたっぷりで。今回も楽しくなりそうだなと安心しました。
――三浦さんは公式Xの動画コメントで、「流司がいなくてちょっと不安」と仰っていましたが……。
三浦：いや、そうなんですよ。もちろん玲くんがいるっていう安心感はあるんですけど、これまで常に一緒にお芝居をしてた相方的な流司がいないから「大丈夫かな、僕」って思っていたんです。でも、そんな心配とはもう今日でおさらばでした（笑）。
――それはよかったです！ 今作は新たな生徒として乙骨役の小越勇輝さんが参加されます。小越さんとはどんな関係性になりそうですか。
三浦：小越さんは1度だけプライベートでお会いさせていただいたことがあって。その時にお話させてもらっていたので、顔合わせではあまり緊張せずにいけたかなと思います。あと、流司から事前に「いや、りょんくん大丈夫です。小越はいい奴なんで」と聞いていたので。
藤田：りょんくんも！？ 僕も全く同じ話を流司としていました。
一同：（笑）
藤田：稽古の帰り道かな。「小越くんってどんな子？」と聞いたら、「すごくいい奴なんで、大丈夫ですよ」と。全く同じ会話をしていますね（笑）。
――夏油も新たな仲間がたくさん増えますね。
藤田：そうなんですよ。第1弾で一緒だった呪霊ファミリーはいなくなり、人間のファミリーが増えました。まだ本読みの段階ですが、皆さんすごく役にぴったりで、何の違和感もなかったですね。
夏油としては“ミミナナ”（枷場美々子＆枷場菜々子）とは関係が深いので、そういう意味では早くも勝手に2人を演じる井手柚花さんと八木美樹さんに親心みたいなものが湧いています。と言っても、まだ挨拶しかできていないんですが……（苦笑）。
――夏油一派の皆さんとは初共演ですか？
藤田：初めましてです。先ほどりょんくんも仰っていたように、僕ら人見知りなんですよ。この顔でこのタッパのある男の年長者2人が人見知りって、多分年下のキャストから見たらめっちゃ怖いんですよね。
三浦：そうだよね、きっと怖いよね。
藤田：顔合わせでも、夏油ファミリー内でお互いに挨拶しているのに、その隣にいる僕のところまで来てくれなくって（苦笑）。多分怖かったんだと思います。なんせ僕とりょんくんが並んで話し込んでいたんで……。
三浦：そっか。それはタイミング的に入りづらいよね。
藤田：そうそう、逆の立場で考えたら普通にここの会話に入っていけないと思うのよ。だから、自分から挨拶に行きました。
三浦：それはそれで怖いよ（笑）。
藤田：そうかなぁ。難しいな……（笑）。まだ稽古は始まったばかりなので（取材時）、お互いに気を遣わなくていいくらい仲良くなれるように、ここから始めていきたいと思います。
――五条は先生、夏油はリーダーという立場ですが、キャスト内での空気づくりという部分でも先生やリーダーとしての役割は意識されていますか。
藤田：していきたいですね。
――初演ではいかがでしたか。
藤田：初演は呪霊の皆さんが芸達者な方々が多くて。とくに門人さん（漏瑚役の山岸門人）はずっと面白いので、もう放っておいても大丈夫でした（笑）。
三浦：そうだね。
藤田：もっくん（真人役の太田基裕）は繊細なんで、いろいろ話をしながらやりましたね。
――三浦さんは“五条先生”として稽古場で意識することはありましたか。
三浦：先生として、ということになるかは……よくわからないんですが。皆さんそれぞれに尊敬できるところがあるので、それをきっかけにその人自身がどんな人なんだろうと興味が湧いてきて。そうやって知っていくと、より役者としての深みも感じることができるので、それが自分にとってもプラスになっていたし、稽古場での楽しみでもありましたね。
さっき玲くんから「芸達者」という言葉がありましたけど、本当にそう。皆さん「持ってきたものを存分に見せます！」という感じで、“びっくり人間大集合”というくらい個性が濃くて。今回もそれが楽しみですし、僕が先輩だから、年上だからといって偉そうにするつもりももちろんないので、皆さんから学べることがたくさんあったらいいなというふうに思っています。
物語とは真逆のほっこり“サンタさんへの手紙”エピソードを披露
――作中ではクリスマスイブの12月24日が鍵となり、上演期間もまさにクリスマスシーズンです。それにちなみ、忘れられないクリスマスのエピソードを教えてください。
藤田：出た！
三浦：出たって（笑）。
藤田：この季節よく聞かれるんですが、1つもエピソードがないんですよ。
三浦：「そこをなんとか」とインタビュアーさんは思ってらっしゃると思うよ。
藤田：え～あるかなぁ。お先にりょんくんどうぞ。
三浦：いや、全くないです。
藤田：ないんかい！
一同：（笑）
――例えば、サンタさんがいた頃はいかがでしょう。
三浦：なるほど。そのあたりのエピソードなら出てきそうです（笑）。サンタさんに手紙を書こうと思って、教えてもらいながら一生懸命、英語で書いたんですよ。で、次の日起きたらサンタさんからメッセージが届いていて。開けてみたら日本語なの（笑）。「なんだ、日本語なんだ……」ってがっかりしちゃったことは覚えています。
藤田：アハハ。たしかにサンタさんってフィンランドのおじいちゃんのイメージだもんね。
三浦：そうなんだよ。こっちは頑張って書いたのに……ってなっちゃいました。
藤田：そのエピソードで思い出したんですが、サンタさんに手紙を書くのって、手紙の書き方を教える教育的な側面があるじゃないですか。でも、僕そういうのが本当に嫌いで、ギリギリまで書かなかったんですよ。ようやく前日くらいに書いたんですが、サンタさんからは全然違うものが届きました（笑）。
三浦：間に合わなかったんだ（笑）。
藤田：でしょうね（笑）。今になって申し訳なかったなと。しかも、欲しかったものがクリスマス直前で変わったんですよね。「手紙はまだ書かないぞ」と渋っている間に、読んだ漫画の影響で欲しいものが変わっちゃって。っていうエピソードです。
三浦：ありましたね。エピソード。
藤田：ありました。よかったです。
――かわいいエピソードをありがとうございます！ 本作は12月に始まり、大阪公演は年をまたぎ2025年1月に上演されます。2025年はどんな1年にしたいですか。
三浦：僕はちょっと静かに動きたいですかね。2024年が割と学びの年だったので、来年はその学んだことを1個ずつ置いていく作業というか、種を蒔いていくというか。1年かけてゆっくり焦らずに生活できたらいいかなと思っています。
藤田：今年もいろんなことやらせていただいたんですが、来年もなかなかチャレンジだなと思うことが予定されているので、1個ずつそれに向き合っていきたいなと思います。あとは僕も自分の時間をちょっと取って、大切な人たちへの恩返しとかにも使えたらいいなとは思いますね。
――ありがとうございます。来年の活躍も楽しみにしております！ では最後に、公演を楽しみにしているファンの皆様へメッセージをお願いします。
三浦：またこうして舞台「呪術廻戦」の五条 悟を演じさせていただくことに感謝しています。どんなことが起きるのかは、僕らの稽古次第だと思いますので、精一杯心を込めて大切にお稽古して参ります。劇場で皆さんとお会いできるときには、皆さんにより『呪術廻戦』を好きになっていただけるような作品をお届けできるよう、精一杯精進してまいりますので、是非劇場でお会いしましょう。
藤田：『呪術廻戦』は原作の時点ですごく完成されたもので、舞台ではどうやるのかということを考えるんです。顔合わせのときにスタッフの方が仰っていたんですが、「やっぱり『呪術廻戦』だからこそ、舞台だからこそ、これまで観たことのないものにチャレンジしたい」と。
今回は“WITH LIVE BAND”ということで、生の音楽と生の演者が加わります。もちろん原作をリスペクトしたうえで、というのは大前提ですが、生バンドも加わったこのカンパニーで『呪術廻戦』というフィルターを通して、新しい何かを与えられるように僕らも真摯に取り組んでいきますので、どうぞこの化学反応、ケミストリーを劇場に観て来てください。
取材・文：双海しお
撮影：梁瀬玉実
【三浦涼介】
スタイリング：Die-co★
ヘアメイク：佐藤泰子
【藤田 玲】
スタイリング：小田優士
ヘアメイク：mika
公演概要
舞台「呪術廻戦 0」WITH LIVE BAND
【原作】「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」芥見下々（集英社 ジャンプ コミックス刊）
【脚本】喜安浩平
【演出】小林顕作
【期間・劇場】
東京：2024年12月13日(金)～12月29日(日) 天王洲 銀河劇場
大阪：2025年1月18日（土)～1月19日(日) ＳｋｙシアターＭＢＳ
【キャスト】
乙骨憂太 小越勇輝
祈本里香 櫻井佑音
禪院真希 高月彩良
狗巻 棘 定本楓馬
パンダ 寺山武志
夜蛾正道 南 誉士広
ミゲル ジョエル・ショウヘイ
枷場美々子 井手柚花
枷場菜々子 八木美樹
菅田真奈美 南 千紗登
ラルゥ 北村 海
祢木利久 塩田康平
夏油 傑 藤田 玲
五条 悟 三浦涼介
アンサンブル
西村功我
※高月彩良に代わり、武田莉奈が全公演に出演
＜バンドメンバー＞
Guitar & Band Master 江畑コーヘー
Violin 百合香
Bass 伊東達哉
Keyboards 宮脇翔平
Drums Camacho
【チケット料金】
東京公演
＜平日＞
S席／S席サイドシート：10,500円（全席指定／税込）
A席／A席サイドシート：8,500円（全席指定／税込）※A席は3階席となります。
＜土日＞ S席／S席サイドシート：11,500円（全席指定／税込）
A席／A席サイドシート：9,500円（全席指定／税込）※A席は3階席となります。
大阪公演 11,500円（全席指定／税込）
【公演に関するお問い合わせ】 ネルケプランニング（https://www.nelke.co.jp/contact/）
【公式サイト】 https://jujutsukaisen-stage.com
【公式 X（Twitter）】 @jujutsu_stage
©芥見下々／集英社・舞台「呪術廻戦」製作委員会
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