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赤澤遼太郎インタビュー 「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE 2.5 「マッシュの感情の振れ幅を意識して作っていきたい」(後編)

INTERVIEW

2024年8月2日(金)に東京・天王洲 銀河劇場にて開幕する「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE 2.5。

原作は「週刊少年ジャンプ」にて連載された甲本一さんによるアブノーマルファンタジー漫「マッシュル-MASHLE」。2024年に放送されたTVアニメ第2期のCreepy Nutsによる主題歌「Bling-Bang-Bang-Born」は、BBBBダンスとともに世界中で大ヒットしています。

「マシュステ」こと「マッシュル-MASHLE-」THE STAGEは2023年7月に第1弾が上演。魔法の代わりに筋肉で全てを解決していく主人公マッシュ・バーンデッドの活躍を、演劇的手法を駆使しながら熱くシュールに描き出し大好評のうちに幕を閉じました。

主人公マッシュを演じるのは、赤澤遼太郎さん。前作から引き続き出演するおなじみの面々に加え、本作から新たにランス・クラウン役を中山清太郎さんが演じるほか、spiさん、田村升吾さん、北園涼さん、山﨑晶吾さん、小波津亜廉さん、丘山晴己さん、YUKIさんがカンパニーに加わります。

今回THEATER GIRLでは、再びマッシュを演じる赤澤遼太郎さんにインタビュー。後編では松崎史也さんや伊藤今人さんとの思い出深いエピソードをお聞きするとともに、座長としての矜持や、役者としての現在地をどう捉えているのか、たっぷりとお聞きしました。

インタビュー前編はこちら

「幕が開いたら大絶賛だよ」初演で背中を押してくれた言葉

――前作はマッスルズのみなさん含め、原作のシュールな雰囲気の表現の仕方が印象的でした。総合演出の松崎史也さん、演出の伊藤今人さんとのやりとりで記憶に残っていることはありますか。

史也さんは初主演作品からお世話になっていて、前作も陰からずっと支えてくださっていました。稽古場に観に来てくださったときは色々なシーンで声を上げて笑って下さって、とてもやり易かったのを覚えています。要所要所でお芝居のアドバイスなども頂いたりしてました。あと史也さんは、初日を迎える直前に「幕が開いたら大絶賛だよ」と言って、客席に向かって歩いていったんですよ。その後ろ姿にはさすがに「史也さんかっこいいわ」ってなりましたね。

今人さんは口癖が「バイブス上げていこう!」「やっちゃいましょう!」みたいな感じなんですけど、それがすごく「マシュステ」に合っていて。ポジティブに稽古が進んでいくので、終始明るい雰囲気でした。得意とされているダンサブルな表現も作品に合っていたし、今人さんって役者の気持ちを乗せるのが上手で、すごく明るくて健全な現場だなと思います。

27歳の今、見据える未来は? 「誰よりも作品に向き合う」覚悟を胸に挑み続ける

――その素敵な現場で、今回も座長を務めます。近年は座長という立場に立つことも多いかと思いますが、赤澤さんの座長としての矜持とは?

僕は「こうあるべき」って言葉で言うのはあまり好きじゃなくて、パフォーマンスで引っ張る形がいいのかなと思っていて。矜持としては「誰よりも作品に向き合うこと」をすごく意識しています。どの作品もそうですが、このカンパニーの中で1番台本と向き合ったと胸を張れるくらい、覚悟を持ちながらやっています。

演劇調異譚「xxxHOLiC」で主演されたもっくんさん(太田基裕)の姿が本当に素晴らしくて。もっくんさんは言葉が多いタイプの座長ではなくて、パフォーマンスで引っ張ってくれたんですよね。「もっくんさんがあそこまでやっているなら、僕たちももっとやらないといけないよね」っていう気持ちにさせてくれる。その圧倒的実力と作品への敬意、スタッフさんや他の演者さんをリスペクトする姿勢を見て、役者としてタイプは違うかもしれないですが、一つの目指したい形だなと思いました。

――20代後半、来年は俳優活動10周年を迎えるなかで、俳優としての今の立ち位置をどう捉え、この先をどう見据えていらっしゃいますか。

(感慨深そうに)そっか、10年か。外からの赤澤遼太郎の印象としては、「色々もがいているな」「がむしゃらに何かを得ようとしているんだな」っていう立ち位置で見られているんじゃないのかな。実際、30歳も見えてきた27歳の今、朗読劇や映像のお仕事、声優のお仕事といろんなことに挑戦していて、より多くの技術や経験を得なきゃいけないなと思っています。

2.5次元の界隈ではありがたいことに多くの人に知ってもらえているんですが、やっぱりそこから外に出てしまえば僕を知らない人の方が断然多い。そういう部分に対して、どうやって知ってもらうか。SNSや配信といった無料で見られるものが増えている中でどうしたら爪痕を残せるか。初めて僕を見る人に「いいな」と思ってもらえる表現を、これからも探していきたいですね。10周年を迎えるにあたって、役者としての能力的な幅の広さも意識していきたいです。

――まだしばらくは役者としての幅を広げていく時期?

そうですね。全然足りないですね。もっと広げていかないとダメだなと思っています。2.5次元ってやっぱりある種のホームなんです。だから、ホームに居続けると、今の自分の実力とか現在地とか、わからなくなっちゃうことがあって。2.5次元って原作のキャラクターに助けられる部分がすごく大きい。各セクションのプロが、舞台上でそのキャラクターとして見せるということをやってくれるから、役者としてごまかせちゃう部分もあるなって思っていて。

原作のない作品で、自分が一からキャラクターを作らなきゃいけない場面でうまくできない、っていうことがあると役者としてもやっぱり良くないと思うんです。いろんな引き出しと幅を持って、それを2.5次元に持ち帰れたらなって思います。慣れないことに挑むのは、すごく怖いんですけど、どういう場面でも柔軟に対応できる役者でいられるように準備をしていきたいなと思っています。

シュークリーム=力みなぎる大好物は「お客さんの声」

――作品にちなみお聞きします。マッシュはシュークリームが大好物ですが、赤澤さんにとっての力がみなぎる大好物やルーティンはなにかありますか。

エゴサーチですね! あとはファンの方からのDMを読んだりお手紙を読んだり。感想が大好物です。エゴサだと見たくない意見も目に入るので、それはそっと目を瞑って見ないようにしますけど……(笑)。やっぱり誰かに観てもらって成り立つ職業だし、観てくれる人がいてこその表現だと思うので、お客さんの声をたくさん受け取りたいんです。自分の芝居が伝わっているんだって思える瞬間って、カーテンコールとかもそうですけど、やっぱり役者をやっていてよかったと思う瞬間なので、お客さんの声を受け取ることが、僕にとっての“シュークリーム”です!

――ありがとうございます! では最後に公演を楽しみにしている方々へのメッセージをお願いします。

アニメの2期が始まったとき、オープニングを観てすぐ「これ中毒性やばいわ」と思っていたら、本当に「Bling-Bang-Bang-Born」の波が来て。あれよあれよと「マッシュル」っていう作品が世界規模で知られるようになって。爆発力を目の当たりにしました。だからこそ、舞台化第2弾を前にして、初演を超えた反響を感じているし、お客さんの期待値の高さも感じています。今作から観るという方もいると思うので、そういう方たちの心を掴むような作品にしたいです。

脚本を読んだ段階でもうめちゃくちゃ面白くて! お客さんと作る共通認識によって“見えないもの”を見せるという舞台の醍醐味を、より多くの人に広める挑戦的な作品でもあると思うので、マッシュという役を大事に、甲本先生の作り上げた世界観を大切にしながらも、”2”よりも少し先な”2.5”の舞台版リアレンジ構成で、お客さんをハッピーにできたらなと思っています。精一杯頑張るので、どうか劇場に観に来てくださると嬉しいです!

取材・文:双海しお
Photo:梁瀬玉実

インタビュー前編はこちら

公演概要

「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE 2.5

公演日程・劇場
【東京】2024 年 8 月 2 日(金)~8 月 12 日(月・祝)天王洲 銀河劇場
【兵庫】2024 年 8 月 17 日(土)~8 月 19 日(月)AiiA 2.5 Theater Kobe

原作 「マッシュル-MASHLE-」甲本 一(集英社ジャンプ コミックス刊)
演出 伊藤今人(梅棒)
脚本 亀田真二郎
作詞 三ツ矢雄二
音楽 伊 真吾(OVERCOME MUSIC)
振付 野田裕貴(梅棒) 泰智 (KoRocK) suzuyaka

キャスト:
マッシュ・バーンデッド 赤澤遼太郎
フィン・エイムズ 広井雄士
ランス・クラウン 中山清太郎
ドット・バレット 山田ジェームス武
レモン・アーヴィン 河内美里

マーガレット・マカロン spi(ZIPANG OPERA)
ドミナ・ブローライブ 田村升吾

レイン・エイムズ 佐々木喜英
オーター・マドル 北園 涼
カルド・ゲヘナ 山﨑晶吾
ライオ・グランツ 小波津亜廉

レグロ・バーンデッド ウチクリ内倉
ブラッド・コールマン 澤田拓郎

イノセント・ゼロ 丘山晴己
セル・ウォー YUKI

ウォールバーグ・バイガン 岡 幸二郎

【マッスルズ】
ケビン INFINITY TWIGGZ(FULLCAST RAISERZ)
マイク E-FLOW(FULLCAST RAISERZ)
トム Aegis(FULLCAST RAISERZ A.R.M.Y)
キム MADD TWIGGZ(FULLCAST RAISERZ A.R.M.Y)
ヤマダ YOUTA(FULLCAST RAISERZ A.R.M.Y)

【アンサンブル】
梅津大輝 Shumei Ken 服部 悠 水野耀平

ライブ配信決定!
配信公演
2024年8月18日(日) 12:00公演 ※終演後イベント「レグロの家」まで配信
2024年8月18日(日) 17:30公演 ※終演後「オンラインお見送り」付き
2024年8月19日(月) 13:00千秋楽公演 ※終演後「オンラインお見送り」付き
配信サイト
https://www.dmm.com/digital/stage/-/theater/=/name=mashle/

公式サイト https://mashle-stage.com/
公式 Twitter @mashle_stage
公 YouTube @mashle-stage
公式 TikTok @mashle_stage

©甲本 一/集英社 ©「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE製作委員会

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THEATER GIRL編集部

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