松島勇之介インタビュー ミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート!「新しい世界を楽しんでいただけるような公演にしたい」(後編)
2025 年9 月に台北のTaipei MusicCenter、東京ガーデンシアターにて、ミュージカル『のだめカンタービレ』のフルオーケストラによるコンサートが開催されます。
実写版のレジェンドキャストでもある、のだめ役・上野樹里さん、シュトレーゼマン役・竹中直人さんと共に、 千秋役の三浦宏規さんが2023年公演から続投。
峰龍太郎役には、松島勇之介さん、有澤樟太郎さん、高橋健介さんが、順に日替わりで出演。そして三木清良役には、華優希さん、清水美依紗さんが、同じく日替わりで出演します
更に、ベルリンのフィルハーモニーホールで名門ベルリン交響楽団との共演という歴史的快挙を 果たしたピアニスト・石井琢磨さんが東京公演でゲストピアニストとして出演を果たし、日本で最も古い歴史と伝統を誇る東京フィルハーモニー交響楽団と共に、圧巻の生演奏を届けます。
THEATER GIRLは、峰龍太郎役の松島勇之介さんにインタビュー。後編では、本作の楽曲の印象やシンフォニックコンサートならではの見どころ、今後目指す俳優像などについてお聞きしました。
繰り返し聴きたくなる曲が多い
――音楽は和田唱さんが手掛け、コンサート用に書き下ろした新曲も加わるそうですね。楽曲の印象はいかがですか?
「もじゃもじゃ組曲」など、のだめらしさがぎゅっと詰まっていて、聴いていると心が躍るというか、ワクワクする楽曲が多いんですよね。だからこそ、シリアスな音楽が流れる場面との対比が際立つんだと思います。
峰の楽曲も、ロックが好きな役らしく、そのエッセンスが楽曲に自然に溶け込んでいて、繰り返し聴きたくなる曲が多いと感じました。
――シンフォニックコンサートという形式にぴったりですね。
本当にそう思います。この作品の魅力を最大限に引き出せる形式だと感じています。

――ミュージカル版とは異なる「シンフォニックコンサート」形式ならではの見どころは、どんなところになりそうでしょうか?
初めての挑戦なので、周りの皆さんに助けてもらいながら、試せることはどんどん試していきたいです。本公演とはまた違った形になると思うので、その違いを楽しみにしています。
――ミュージカル版をご覧になった印象はいかがでしたか?
3時間ほどで物語を作り上げるのは本当に大変なことだと思うのですが、どんどん展開していくのが見ていてとても面白かったです。ミュージカルだからこそ感じられる息遣いや、生ならではのお芝居の魅力もあって、強く引き込まれました。
――まさか自分が出演することになるとは、というお気持ちですか?
本当にそうです。今こうして取材を受けていると、「ああ、本当に出られるんだな」と、ようやく現実味を帯びてきました。

お風呂に入るときには合唱曲を聴くことが多い
――本作は音楽がテーマの作品ですが、公演前に聴くとテンションが上がる曲や、普段よく聴く音楽はありますか?
けっこう幅広く聴きますね。お風呂に入るときには合唱曲を聴くことが多いです。学生時代にコンクールなどで耳馴染みがあった曲ばかりなので、懐かしい気持ちになると同時にリラックスもできるんですよ。
――本番前にはどんな曲を聴かれるのでしょうか?
役柄にもよりますが、戦うような役のときはテンションを上げるためにロックを聴くことが多いです。プライベートでは70年代や80年代の洋楽が好きで、いわゆるディスコナンバーをよく聴いています。今回はクラシックを聴く機会が増えると思いますが、幼い頃に少しだけピアノを習っていたこともあって、もともとクラシックはよく聴いていました。

いつか自分も、誰かにとってそういう存在になれたら
――これからもミュージカルには積極的に挑戦していきたいですか? また 将来的に目指したい俳優像についても聞かせてください。
出演したい作品は本当にたくさんありますが、ひとつ挙げるなら……今回、こういう形で叶えさせていただいたことでもありますが、(有澤)樟太郎くんと同じ役をWキャストで演じることです。同じ作品で、肩を並べて同じ役を一緒に作り上げるのは、ずっと抱いている夢のひとつですね。
樟太郎くんが出演されている『ジャージー・ボーイズ』、『キンキーブーツ』、『ヒーロー』などを拝見していますが、本当に魅力的な役者さんだと思います。だからこそ、少しでも近づけるように、今は一生懸命頑張っています。
――刺激を受ける存在なんですね。
人間性も含めて、心から尊敬しています。身近にいる存在なのに、時折、目には見えない距離を感じる瞬間があるんです。顔が似ていると言われることも多いのですが、2.5次元作品で共演させていただいたのがきっかけで、そこから樟太郎くんが先陣を切って新たな道を歩いていく姿を見てきました。今は、その道を僕も歩かせてもらっているような感覚です。いつか自分も、誰かにとってそういう存在になれたらうれしいですね。

――松島さんが俳優を続けていく中で、原動力となっているものは何でしょうか?
やっぱり、カーテンコールでいただく拍手ですね。僕は「世の中にはこんなに素敵なお話や音楽がある」ということを、応援してくださる皆さんに届けたいと思いながら舞台に立っています。その思いを込めて本番を終えたあと、カーテンコールで拍手をいただいた瞬間に「ああ、届いたんだな」と実感できるのが本当にうれしいんです。
――最後に、本作を楽しみにされている皆様にメッセージをお願いします。
シンフォニックコンサートを初めて体験されるお客さまにも新しい世界を楽しんでいただけるような公演にしたいです。やることがたくさんあって挑戦の連続になるはずですが、何より、この機会を全力で楽しみながら、皆さまの心に残る新しい思い出になるような作品をお届けできればと思っています。ぜひ期待して待っていてください。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:髙橋 耀太
ヘア:Hiroki Kitada
メイク:山口裕子
スタイリング:千野 潤也(UM)
公演概要
ミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート!
期 間:
台湾公演:2025年9月6日~7日
東京公演:2025年9月13日~15日
一般前売開始日: 2025年7月26日
会 場:
Taipei Music Center (台北市南港区市民大道八段99號)
東京ガーデンシアター (東京都江東区有明二丁目1-6)
出演:
上野樹里 三浦宏規
松島勇之介/有澤樟太郎/高橋健介 (日替出演・出演日順)
華優希/清水美依紗 (日替出演・出演日順)
大久保祥太郎 竹内將人 なだぎ武 /竹中直人
石津秀悟 稲葉 廉 尾崎 豪 小多桜子 柴野 瞭 趙 京來 露詰茉悠 友部柚里 松浪ゆの
栁沢明璃咲
ゲストピアニスト:石井琢磨(東京公演のみ)
スタッフ:
原 作: 二ノ宮知子「のだめカンタービレ」(講談社「Kiss」所載)
作詞・上演台本・演出:上田一豪
音楽:和田唱
クラシック音楽監修・指揮指導:茂木大輔
製作:東宝/講談社/フジテレビジョン/ライブエグザム
公式サイト:https://www.tohostage.com/nodame-concert/
Ⓒ二ノ宮知子・講談社/ミュージカル『のだめカンタービレ』シンフォニックコンサート!製作委員会
