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渡辺謙主演、宮沢氷魚ら出演。PARCO PRODUCE 2021『ピサロ』稽古場レポートが到着!

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2021年5月15日(土)よりPARCO劇場にて舞台『ピサロ』が上演。2020年3月、PARCO劇場オープニング・シリーズ第一弾公演として開幕予定だった渡辺謙主演『ピサロ』は、コロナ禍により、初日を延期、45回予定のところ、わずか10回の上演となった。観劇が叶わなかった多くの方々のリクエストに応えてのアンコール公演の幕開けとなる。今回は、稽古場レポート&写真をお届けする。

稽古場レポート

昨年、45回の予定だった公演がわずか10回で止まってしまった時、すぐさま「再演を、リベンジ公演をやろう」と声を上げたのは渡辺謙だった。その願いが実現して4月、大階段のセットが組まれた稽古場に、総勢29名のキャストが結集。スペイン将軍ピサロに扮する渡辺とインカ王アタウアルパ役の宮沢氷魚、そして栗原英雄、大鶴佐助、首藤康之、外山誠二、長谷川初範ら、初演をともに立ち上げた懐かしい顔が揃い、一部新メンバーを迎えての再始動である。

演出席には、この状況下で幸いにも来日を果たせた演出のウィル・タケット、演出助手兼振付のシドニー・アファンデル=フィリップスの姿もあった。稽古場の隅々で黙々とウォーミングアップや台詞を反芻する俳優たちの様子からも、再演にかけるチーム全体の並々ならぬ熱意が伝わって来る。


少数の兵を率いて、大国インカ帝国を征服した老将軍ピサロの物語。この日の稽古は、戦いによる大殺戮が繰り広げられた一幕ラスト、その鮮烈な余韻を残しての二幕頭からスタートした。回想する老マルティン(外山)が見つめるなか、おぞましい光景を見たことに打ちひしがれ、嘔吐する小姓マルティン(大鶴)。

副隊長デ・ソト(栗原)がそんな彼を励ますところに、ピサロの一喝が刺さる。渡辺の険しい眼光、雷鳴のような一声に稽古場中の息が止まった瞬間、長身のタケットが立ち上がって芝居を止め、一気に緊張が解かれた。穏やかに、丁寧に指示するタケットを、大鶴はしっかり見つめて何度もうなずく。囚われの身となったアタウアルパとして大階段の上に座っていた宮沢が、二人の近くまで降りて来て、そのやりとりを集中して聞いていたのが印象的だった。

続いては、ピサロが初めてアタウアルパと対話するシーンへ。黄金を与える代わりに自由の身を要求するアタウアルパと、デ・ソトの反対を押し切ってその取引に応じるピサロ。黄金よりも太陽の子アタウアルパに惹かれ始めているピサロの心の動きを、渡辺が鋭利な視線を放って豪気に、かつ俊敏に、多彩な表現で魅せていく。

驚くのは宮沢が醸し出す、肝の据わった安定感だ。初演の舞台で見せた神々しいほどの立ち姿、透明感ある毅然とした美に、さらに太い芯が備わったようだ。名優・渡辺謙と対峙するに引けを取らない強靭さが頼もしく、ピサロとアタウアルパ、両者の関係から浮かび上がる人間愛のより深い哀切を期待せずにはいられない。


英国ロイヤルバレエ団で長く活躍したタケットが指揮する、群舞の力強くも洗練された動きにも注目だ。物語の流れに溶け込むようにして、首藤ほかキャスト陣が卓越した身体性を発揮し、場のイメージを増幅させていく。この意気あふれる稽古場の風景に、美術、衣裳、音響、照明等の効果が加わり、圧巻の歴史ドラマが再び立ち上がろうとしている。劇場でこそ味わえる演劇の力、この衝撃を、今度こそ多くの人に受け止めてもらいたい。

公演概要

PARCO PRODUCE 2021『ピサロ』(原題:The Royal Hunt of The Sun)
日程:2021年5月15日(土)~6月6日(日)
会場:PARCO劇場
作:ピーター・シェーファー 
翻訳:伊丹十三 
演出:ウィル・タケット

出演:渡辺謙 
宮沢氷魚 栗原英雄 大鶴佐助 首藤康之 菊池均也
浅野雅博 窪塚俊介 小澤雄太 金井良信 下総源太朗 
竹口龍茶 松井ショウキ 薄平広樹 中西良介 渡部又吁 渡辺翔
広島光 羽鳥翔太 萩原亮介 加藤貴彦 鶴家一仁 
王下貴司 前田悟 佐藤マリン 鈴木奈菜 宝川璃緒 
外山誠二 長谷川初範

企画・製作:パルコ
お問合せ=パルコステージ 03-3477-5858(時間短縮営業中)
https://stage.parco.jp/program/pizarro2021

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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