佐竹桃華、咲山類インタビュー「天神夢双」「今まで観たことのないような、挑戦的でエネルギッシュな舞台になる」
――佐竹さんは、今作で主演を務められますが、改めて主演への意気込みをうかがえますでしょうか。
佐竹:まだ、自分でも未知の世界すぎて。舞台に対しても、主演としてみんなを引っ張っていくぞという気持ちにはなれていないのですが、ちゃんと自分の責任は果たさないといけないと思っています。主演という形ではありますが、カンパニー全員で舞台を良くしていけたらなと思いますし。良い意味で、皆さんに影響を与えたり良いエッセンスを出せたりできたらいいなと思います。
――咲山さんは、主演を務められる佐竹さんの印象はいかがでしょうか?
咲山:すごく素直だと思いました。僕は、舞台界全体からするとまだまだですが、このカンパニーだと割とベテランの方なので、そこは僕らに任せていただければ。カンパニーの空気感も良いですし、上の人がきちんと引っ張っていって、桃華ちゃんは自分の色をどんどん出してもらえれば、自ずと良い作品になるのかなと思います。
――稽古には、これから本格的に参加されるとのことですが(取材時)、カンパニーの皆さんの印象はいかがでしょうか?
佐竹:私が一番年下で、割と皆さんと年が離れているので最初はちょっと緊張するかなと思ったのですが、皆さん本当に優しくて。良い意味で甘えやすいというか、ついて行こうと思える方々ばかりなので、本当に良かったと思います。
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――本作では、アンドロイド役を演じられるとのことですが、それぞれの役柄の見どころについて聞かせてください。
佐竹:私の役柄は、性別のない低スペックアンドロイドなのですが、言葉に色があるというところが特徴で、真っ直ぐウソのない言葉で皆を引っ張っていくキャラクターです。その天真爛漫さや明るさ、芯のある言葉でみんなを引っ張っていくような存在で。一つひとつのセリフの重みや強さをちゃんと表現できればと思うので、本番ではそれがお客さんに伝わればいいなと思います。
咲山:先ほども話したのですが、ちょっと面白系のキャラなので、お客さんとの架け橋になれるかなと思っています。一番自由に動ける役なので「あいつ観ていて面白いな」と思っていただけたら(笑)。作品の中で、僕の役が一番一般的なキャラだと思うので、僕を観て親近感を持っていただいて、良い架け橋になれたらと思うので。あいつ自由にやっているなと、笑っていただければ幸いです(笑)。
――本作は、今の日本の文化や芸術を未来に残すということがコンセプトとのことですが、この作品を通して、お客様にどのようなことを伝えたいですか?
佐竹:それこそ、私もずっとバレエをやってきたので、芸術には携わってきたのですが、やっぱり時代と共に変化していかないと、どんどん置き去りになってしまうとすごく感じていて。その点において、この作品はちゃんと伝統は残しつつ、その上で日本舞踊などをあまり知らない方でも、すごく入りやすい作品になっていると思います。なので、この作品を通して日本舞踊などの芸術を知ってもらって、そこからさらに日本舞踊について詳しく知ってもらえるようになったら、“伝統に風穴を開ける”という大義が成立するのではと思います。
咲山:すごくいいことを言われてしまったので(笑)。伝統というのは、自分達が生活している中で、正直関わりが薄い部分ではあると思うんです。日本人なので、元々は、日本舞踊などの血は流れていると思うんですけど、“伝統に風穴を開ける”ことって、その伝統に対してリスペクトをしていないとできないと思うんですよ。なので、新しい波に挑戦していくところを感じていただければ、今回一番やった甲斐があるのかなと思います。
僕も、元々クラシックの音楽がバックボーンにあるので、新しいことに挑戦すればするほど、そこが生きてくるというか。個人的にはそういったことを感じています。伝統は必要だし、いつかそこに帰るのかなと。そのために、今、新しい挑戦をしているのかなという気はしています。