津田健次郎インタビュー 『したいとか、したくないとかの話じゃない』「少し景色が変わるようなものにできたら」(前編)

2025年5月23日(金)より渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールにて、朗読劇『したいとか、したくないとかの話じゃない』 2025が上演されます。
2023年4月には東京・俳優座劇場にて、足立紳原作の小説『したいとか、したくないとかの話じゃない』(双葉文庫)を足立紳氏と新井友香氏の共同脚本によって朗読劇化。篠原涼子さん、山崎樹範さん、新木宏典さん、佐藤仁美さんをWキャストに迎え、大きな反響を呼びました。
そして新たに2025年版として上演される本作では、妻・大山恭子役は、ドラマや映画を中心に幅広い役柄を演じ話題を呼ぶ板谷由夏さん、夫・大山孝志役は大人気アニメ『呪術廻戦』などで声優を務め、俳優としても数々の映画やドラマに出演している津田健次郎さんが務めます。
THEATER GIRLは、津田健次郎さんにインタビュー。前編では、作品の印象や演じる役柄について、共演の板谷由夏さんの印象などをうかがいました。
いい部分も悪い部分もきちんと見せられたら面白くなりそう
――本作はタイトルもとても印象的ですが、原作をご覧になってみてどんな印象をもたれましたか。
コメディとシリアスが非常によく混ざっていて、笑いあり、身につまされる部分あり、感動ありという作品になっているなと思いました。性事情を含めた夫婦の話が割と生々しく出てくるのでびっくりされるかもしれませんが、真面目な夫婦の話でもあります。
――本作は、性別や年代など観る方によって受け取り方が違う作品だと思います。津田さんが演じられる大山孝志はいわゆるクズな部分もあるという役ですが、印象はいかがでしょうか?
とても不器用で正直な男だなと思いますが、そのダメさ加減も含めて味になっていけばいいなと思います。それから、脚本に出てくる生々しさみたいなものも出していけたらなと。ただのダメ男ではないので、いい部分も悪い部分もきちんと見せられたら面白くなりそうですね。
ただ、孝志の不純な中にも垣間見える純粋性は、とても素敵だなと思います。

――特にそういうところが現れているシーンやセリフはありますか?
割とラストの方にそういった孝志の良さが出てくると思います。
掛け合いとしては、ほとんど全編通して口喧嘩なので。とにかく口喧嘩が魅力的になっていけばいいなと思っています。今回は脚本としてコメディ部分もしっかり書かれているので。口喧嘩の中からそれが出てくる部分もけっこうあると思います。
口喧嘩だからこそ、勢いに任せて言ってしまったり、思っていないこともつい買い言葉で出てしまったり、そういう部分が観てくださる皆さまもおそらく身につまされるでしょうし、本作の大きな要素の一つかなと思っています。

恭子は力強い女性
――本作は朗読劇ではありますが、二人芝居でもあるので、妻の恭子を演じる板谷由夏さんとの掛け合いが重要になってくると思いますが、板谷さんの印象はいかがでしょうか?
ビシッとした強さと柔らかさ、そのどちらも持ち合わせていらっしゃる方なので、今回の役にとてもフィットしていると思いました。演出家さんも含めて、これからいろいろとディスカッションしながらやっていけたらと思います。
――恭子というキャラクターは、どのように見えていらっしゃいますか?
恭子は力強い女性ですよね。序盤はぐずぐずしているところもありますが、立ち位置が決まれば、はっきりとものが言えるようになるタイプだと思うので、とても魅力的な人だと感じました。
孝志に対しても最後の最後まで粘ろうとしてくれたりと、愛情の深さがちゃんと見えたりするので。そういう部分はとても懐が深い感じがします。

二人芝居だと、密度が濃くなるので面白い
――今回のような少人数でのお芝居の魅力や、逆に難しさを感じる部分はどんなところでしょうか。
二人芝居なので会話が密に濃くなっていく感じはあると思います。逆に言えば、二人芝居だからこそうまくかみ合わないと成立していかないと思うので。そこが面白い部分でもあり、難しくもあると思っています。
――津田さんご自身は、二人芝居や少人数でのお芝居はお好きですか?
やっぱり二人芝居だと、密度が濃くなるので面白いなと思いますね。
――朗読劇という部分ではいかがでしょうか?
朗読劇は、毎回難しいと感じます。もともと舞台出身なので、動いてしまった方がニュアンスを出しやすいのですが、朗読劇の場合は動きに制限をかけて、基本的には会話だけで成立させていかなければなりません。
もちろん観ていただくものでもありますが、どちらかというと聞いていただくものだと思うので、お客さまの頭の中でキャラクターが動き始めるのが一番の完成系なのかなと思います。

――改めて、本作で大切にされたいこと、取り組んでいきたいことはありますか?
やっぱり会話の生っぽさを大事にしたいですね。もちろん、エンターテインメントにしていこうとも思っていますが、どちらかというとその場に存在する夫婦が生々しく会話をしているように見せられたらなと。
準備段階はいろいろと計算や分析をしないといけないと思いますが、逆にどう捨てていけるかも大事になってくると思います。
――本作は通常の朗読劇とは異なる映像を多用した斬新な演出などもあるということですが、どんなところに期待されていますか?
この作品は、元々映像を制作されているAOI Pro.さんが企画制作しているので、映像制作会社が作る朗読劇という部分がいち個人としては楽しみですし、役者としてはどういう演出でも、いい芝居ができればと思っています。
――原作と脚本を手掛けている足立紳さんの作品で特に印象に残っているものはありますか?
映画の『喜劇 愛妻物語』を拝見させていただいたのですが、本作のようにダメな夫婦の話でとても味わい深く、ラストにはなんとも形容しがたい感動のある作品でした。
あまり夫婦の口喧嘩だけで見せていく映画というのも少ないと思うので、珍しいタイプの映画だなと。それ自体がエンターテインメントになっているのも面白かったですね。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:梁瀬玉実
ヘアメイク:塩田勝樹(Sui)
スタイリスト:藤長祥平
公演概要
朗読劇 『したいとか、したくないとかの話じゃない』2025
5月23日(金)〜5月25日(日)
原作:足立紳『したいとか、したくないとかの話じゃない』(双葉文庫)
脚本:足立紳 新井友香
演出:新井友香
あらすじ
時は、コロナの話題でもちきりの2020年春。映画監督として一時はブレイクしかけるも、その後鳴かず飛ばずのまま、浮気相手にも振られる始末の夫・孝志。そんな夫に内緒で応募したシナリオコンクールで優秀賞を受賞し、家事育児だけの生活から外の世界に飛び出そうとしている妻・恭子。ある日の夕方、ドラマ化が決まった脚本の修正作業に追われる恭子のもとに、保育園のお迎えに行った孝志から一通の LINEが届く。『今晩、久しぶりにしたいです。どうですか……?』このメッセージをきっかけに、我慢と妥協に満ちたふたりの関係が動き始める。「したい」夫と「したくない」妻。夫婦が良い関係を築くために、セックスは必須なのか?容赦なく思いをぶつけ合うなかで、初めて気づく本当の気持ち──。“セックスレス”をきっかけに、夫婦のあり方や人生を見つめなおす、不器用なふたりの物語。
出演:
板谷由夏 津田健次郎
ゆうたろう(映像出演)
※映像は初演(2023年4月)時のものを使用いたします。
会場:
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町 23-21)
上演日時:
2025年
5月23日(金) 19:00
5月24日(土) 11:00/14:00
5月25日(日) 13:00/17:00
チケット:
[料金(全席指定・税込)]
全席指定:8,500 円
※未就学児のご入場はお断りいたします。
[取扱]
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/shitaitoka/ (Pコード:532-139)
ローソンチケット https://l-tike.com/shitaitoka/ (Lコード:35262)
イープラス https://eplus.jp/shitaitoka/
公演公式 HP:https://aoi-stage.jp/shitaitoka/
公演公式 X:https://x.com/aoi_shitai
©AOI Pro. / サンライズプロモーション東京
津田健次郎さんのサイン入り色紙をプレゼント!
「THEATER GIRL(シアターガール)」公式Xアカウント、または公式Instagramアカウントをフォロー&リポストで「津田健次郎さんのサイン入り色紙」を抽選でそれぞれ1名様にプレゼント!※X、Instagram両方応募も可能です。
【応募方法】
①「THEATER GIRL(シアターガール) 」公式Xアカウント(@theatergirl_jp)をフォロー
Instagramの応募は「THEATER GIRL(シアターガール) 」公式Instagramアカウント(@theatergirl_official)をフォロー
↓
②指定ポストをリポスト(Instagramはいいね)
↓
③抽選でそれぞれ1名様に、「津田健次郎さんのサイン入り色紙」をプレゼント!!
【応募締切】
6月10日(火)応募締切
【当選発表】
厳正な抽選の上、当選者の方へのみダイレクトメッセージにてご連絡させていただきます。