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浦井健治、高岡早紀ら出演。「愛するとき 死するとき」開幕! コメントと舞台写真が到着

REPORT

11月14日(日)よりシアタートラムにて、「愛するとき 死するとき」が開幕した。本作は、社会主義体制下のやるせない愛と人生を描いたドイツ発の同時代戯曲。今回は、演出家・出演者の 初日を終えた心境についてのコメントをお届けする。

小山ゆうな(翻訳・演出)

皆で、お客様の想像力を信じ切ったカーターの戯曲と向き合いながら、どういう作品になるかはお客様と共有するまでわからないねと、稽古してきました。
まだまだ制約の多い状況下ではありますが、満席の初日、目一杯舞台にエネルギーを送って観劇してくださったお客様、ありがとうございました。
出ずっぱりの浦井さんを始めキャスト7人と国広さん、全力で支えてくださるスタッフの皆さんにも感謝。沢山の方に観ていただき、沢山感想をいただきたい作品です。

国広和毅(音楽・演奏)

初日が無事に開けました。長い時間かけて準備してきた作品をこうしてお見せできるというのは嬉しいです。
楽しいと深いを行ったり来たりする作品です。勿論、人によってはそのどちらかのみでも OK です。初日の僕に関しては楽しいが大分勝ってしまいました。少し反省。
でもそんな風に公演毎に違ったものになるのが生の舞台の醍醐味です。特に今回は生演奏があります。生の芝居と生の音楽とのコラボレーションを是非お楽しみください。

浦井健治

出演者一人一人が自分の果たすべき役割や、役柄の背景を徹底的に落とし込んで挑まないと成立しない戯曲。演出の小山さんと日々、役柄や時代背景について話し合い、創り上げてきたものを、お客様が好奇心を持って受け止めてくださったように感じました。
亡き中嶋しゅうさんが生前かけてくださった「トラムのような濃密な空間での舞台をどんどん経験していくといいよ」という言葉は、僕にとって大切なもの。「今、トラムの舞台に立っていますよ」と心の中で呼びかけながら演じていました。しゅうさんにも、この想いが届いていたらいいなと思います。
登場人物全員が、どこかしら鬱屈や諦め、もの悲しさを抱えています。作者であるフリッツ・カーターさんの体験も含まれているであろうナイーブな題材が背景の、ある意味「壁」のようなしこりを持つ作品でもあります。
世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎さんは、稽古場にいらした時、「とんがってください」とおっしゃいました。「とんがる」ことは、演劇のトライの一つだと思います。実験的な演劇に適したシアタートラムという空間で、お客様が自由に解釈してこの作品を楽しんでいただけるよう、演じていきたいと思います。

前田旺志郎

無事初日の幕が開き、今、本当にホッとしています。とても緊張していたのですが、やっと、「あぁ、始まったな」という思いと、とりあえずは無事、大きなミスなく初日の公演を終えられてよかったなという思いです。
初めてご覧になる方は、ショックを受けるといいますか、びっくりされる方も多いと思うんですけれども、戯曲はもちろん、小山さんが考案した各部のコンセプトや演出ですごく攻めた作品になっていると思います。スピーディーな展開にもし追いつけなかったとしても、僕たち 7 人は舞台上ですごく楽しんで演じていますので、その空気感だけでも、観客席の皆さまも一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

小柳友

無事に初⽇の幕が開けられて、本当によかったです。お客様からリアクションをいただくだけで、心ってこんなに落ち着くんだって感じました。すごく楽しかったです。
僕にとってシアタートラムといえば上村聡史さん演出の“約束の血”シリーズ『炎 アンサンディ』『岸 リトラル』なのですが、今回は初めましての⼩⼭さんの演出で、新しい出会いもたくさんありました。笑顔が溢れる稽古場で、カンパニーの仲間たちと一緒に芝居作りにたくさんの時間を費やして、創作の楽しさを共有することが出来た気がしています。
まだ予断を許さない状況ですが、僕らは万全を期して、皆さまに安全で安⼼して観に来ていただけるよう、しっかり準備しています。ぜひ劇場にお越しいただき、舞台を楽しんでください。

篠山輝信

決して分かり易い作品ではないと思うのですが、1部・2部・3部と舞台が進行していくうちに、最初はハテナだったお客さまが、まず物語の筋を理解するだけではなく、作品の雰囲気を感じてくださり、徐々に理解を深めたり楽しんだり……。じわじわと何かが積み重なっていくように、お客さまの体温が上がっていく様子が伝わってくる感覚がありました。最後には劇場に一体感が生まれて、それぞれに感じて楽しんでくださったのだという手応えを得ることができ、とても嬉しかったです。
それはこのシアタートラムという劇場で、この座組で、お客さまを信頼したうえで楽しませたいというサービス精神に溢れた小山さんの演出ならではだと思いました。演劇の楽しさや幸せがいっぱい詰まっている作品です。是非観に来てもらいたいです。

岡本夏美

本当に楽しかったです。コロナ禍が続いてきた中で、ようやく観客席がいっぱいのお客様で埋まっている状態を久々に舞台上から見て、その光景をすごく幸せに感じました。お客様の存在、その笑い声も含めてやっと完成したといいますか、お客さんの反応を受けて私たちも稽古以上に出せるものがあり、相乗効果でとても楽しかったです。
今日もシアタートラムの外の看板を写真に撮って楽屋に入ったのですが、小山さんの『チック』もこの劇場で拝見しましたし、そのほか数々の作品を観てきて、やっぱりこの舞台に立ちたいなとずっと思ってきました。一つ、自分が目標に掲げていたことが達成できた喜びもありますし、何より無事に幕が開いたことがとても嬉しいです。
現状、我慢しないといけないこともありますが、その中でも演劇を観ていただくことで日々の辛いことを忘れたり、一緒に何かを考えたりと、この舞台が皆様の日常のちょっとした刺激になればいいなと思っています。

山﨑薫

この状況下、満員のお客様と初日を迎えられましたこと、心から感謝いたします。この作品から溢れ出す言葉と滲み出る音楽にただただ身を任せて頂けたらと思います。その時に感じた空気や違和感が、自分の大切な人や物語あるいは世界に想いを馳せるきっかけになれば幸いです。
行き場を失ってしまった「愛」をお客様と共に感じ合えたらと思っています。油断できない状況ですが、私共万全の対策で千穐楽まで駆け抜けて参ります。

高岡早紀

ここまで、客席と舞台とが近い劇場空間で演技をしたのは初めてです。とても緊張もしましたが、お客様が温かく見守ってくださり、時にはコミュニケーションもしながら、この距離感ならではの反応を肌で感じ、楽しく初日公演を終えることができました。
この戯曲は句読点、ト書きなどがほとんどありません。「決めごとは何もありません」という小山さんの演出のもと、濃密な稽古を重ね、共に試行錯誤して創り上げてきました。決めごとがないだけに、新たな体験ができていると感じています。私自身も知らない新しい私の一面をお見せできるのではないかと思います。
この物語に登場するのは、東西にドイツが分断され、抑圧されながらも悲観せず、前向きに強く生きている人々。その姿から私が感じたことは、人が生きること、それは「愛」だということです。お客様一人一人にとっての「愛」を、この物語を通して改めて感じていただければ幸いです。

舞台写真

『愛するとき 死するとき』撮影:牧野智晃

公演概要

愛するとき 死するとき

【作】フリッツ・カーター
【翻訳・演出】小山ゆうな

【出演】浦井健治 /
前田旺志郎 小柳友 篠山輝信 /
岡本夏美 山﨑薫 /
高岡早紀

【日程】 2021 年 11 月 14 日(日)~12 月 5 日(日) 【会場】 シアタートラム

【料金(全席指定・税込)】 一般:7,500 円 トラムシート:6,800 円 ほか各種割引あり

【お問い合わせ】世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515(10:00~19:00)
【主催】 公益財団法人せたがや文化財団 【企画制作】 世田谷パブリックシアター 【後援】 世田谷区

【名古屋公演】
2021年12月8日(水)12:00
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール

【兵庫公演】
2021年12月11日(土)・12日(日)各日 13:00
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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