内海啓貴インタビュー ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』「劇場でしか味わえない感動、それを生み出せる役者になりたい」(後編)
ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』が2022年3月8日(火)から東京・日生劇場にて上演されます。
本作は1973年のジャン・ポワレ作のフランスの劇として誕生し、ストレートプレイとしてフランス演劇史上最長のロングランを記録しました。ミュージカル版は1983年にパレス・シアターで上演され、トニー賞6部門、ドラマ・デスク賞3部門を受賞する記録を達成。日本でも1985年に青井陽治さんによる演出、リンダ・ヘイバーマン氏による振付で初演が行われ、その後も何度も再演を重ねる大人気ミュージカルとして多くの方に愛されています。
南仏サントロペのゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」を舞台に、オーナーのジョルジュ(鹿賀丈史さん)と、看板スターの“ザザ”ことアルバン(市村正親さん)という事実上の夫婦二人が織りなす“異色の愛”の物語。1993年から市村正親さんの当たり役として上演を重ね、さらに2008年にはジョルジュ役で鹿賀丈史さんを迎えました。それから史上最高のコンビとして、2008年、2012年、2015年、2018年公演とも、初日から千穐楽まで連日のスタンディングオベーションを博します。今回で5度目となる二人のコンビ、さらに2022版として迎える新キャストも必見です。
今回THEATER GIRLがお話をうかがったのは、ジョルジュの最愛の息子で、アルバンが母親代わりとなって育ててきたジャン・ミッシェルを演じる内海啓貴さん。今回が初の『ラ・カージュ・オ・フォール』への出演となります。インタビュー後編では、舞台に出演するときの日々のケア、出演者への印象、本作に対する意気込みなどをたっぷりとうかがってきました。
ロングラン公演は日々のケアで体を整えることが重要
――ミュージカル『グリース』では、激しい歌やダンスはもちろんのこと、ギターもステージで弾いていらっしゃいましたね。この作品に出演したことで、ご自身の中で成長を感じたことや、本作へ生かせることはありますか?
舞台の役者は舞台上のことが全てではなくて、日々のケアも重要なんですよね。細かいことですが、部屋の湿度調整とか(笑)。ロングランだとそういう小さなことが本当に大切になってきます。さらに『グリース』では1公演の中で10曲以上も歌ってて。たくさん労力を駆使する作品を経験できたのはよかったなと思います。『ラ・カージュ・オ・フォール』もロングランの公演なのでさらに気をつけていきます。
まだ『グリース』は公演が残っていますので、日々ケアをしながら体も整えつつ、千穐楽を迎えられたらと思っています。 (取材時)
――具体的にそのケアはどんなことをされていらっしゃいますか?
先ほどの寝る前の湿度調整であったり、体のストレッチであったりですかね。それと今は振動で体をほぐせるケアグッズがあるので、それを使っています。
あと最近ハマっているのが、お風呂に入ったあと冷水を足に付けてアイシングすることです。ダンスをしていると足がパンパンになってしまうので、次の日ちょっと楽にするためにもそういう細かい行動をやっています。
この世界で何百回も生き続けられているダンドン夫人にたくさんお話を聞けたら
――前編で鹿賀さんと市村さんのお話がありましたが、他の共演の方で気になっている方はいらっしゃいますか?
ほとんどのキャストさんが初共演なので、ご一緒できるのが楽しみです! 皆さん気になっている方たちばかりで、一人だけ挙げるのは難しいのですが……。
その中でも、特に初演から出演されている森 公美子さんからいろいろなお話を聞きたいですね。この世界で何百回も生き続けられているダンドン夫人にたくさんお話を聞けたらいいなと思っています。