橋本環奈・上白石萌音のW主演で贈る、少女の成長物語。ジブリ愛あふれるキャスト&スタッフで作り上げる舞台『千と千尋の神隠し』初日記念会見・ゲネプロレポート
3月2日(水)より帝国劇場にて幕を開けた舞台『千と千尋の神隠し』の初日記念会見が行われ、キャストを代表して千尋役の橋本環奈・上白石萌音、湯婆婆/銭婆役の夏木マリと朴璐美、司会進行を務める青蛙役のおばたのお兄さんが登壇した。
初日記念会見レポート
初日を迎えた心境を聞かれた橋本は、「私と(夏木)マリさんは昨日初日を迎えたんですけど、これから初日を迎えるお二人(上白石、朴)を前にして、ちょっと気の抜けた空気が出ちゃっているんじゃないかと心配しています(笑)。お話をいただいた時から幕が開くのを楽しみにしていて、ちゃんと幕が上がるのかという不安もたくさんありましたが、これからもっともっと成長していい舞台にしていけたらいいなと思います」と語った。
一方、「あと数時間後に初日を迎えますが・・・・・・」と挨拶を始めた上白石に、横から朴が「あと2時間もないけど」とツッコミを入れると「帰ってもいいですか」と困ったような表情に(笑)。「このご時世に、予定していた日に初日が迎えられることを本当にうれしくありがたく思っております。こんな時期に劇場に足を運んでくださる方々の気持ちに応えられるように日々楽しく、丁寧にやっていきたいと思っています!」と改めて意気込みを語った。
橋本と共に昨日初日を迎えた夏木は、「(演出の)ジョン・ケアードが決してあきらめない人で、毎日毎日“直し”が入り、毎日毎日いいものになっていってます。何よりみんな健康で、お客様も皆さんいろいろ配慮して対策をしてくださっているようで、本当に感謝しかない。7月まで頑張ってやっていくので、どうぞよろしくお願いします」とコメント。
朴も「今、改めてコロナ禍でのモノづくりの大変さを痛感しています。モノづくりに真剣な人たちに囲まれた幸せな現場。心をひとつにして油屋一同皆さんをお迎えできるように日々頑張っていきたいと思います」と力強く言葉をつづけた。
ここで、昨日のゲネプロを観劇したスタジオ・ジブリの鈴木敏夫プロヂューサーの感想コメントが紹介された。
おばたのお兄さんが「蛙が読むと(内容が)入ってこないと思うので・・・・・・」と、橋本に蛙のパペットを渡して姿勢を正し真剣に読もうとすると、橋本が「早く読め~」と蛙の声マネでせかし、取材陣から笑いが起こった。
■鈴木敏夫 様 ご観劇後 感想コメント
「お世辞なしに本当におもしろかったです。とにかくジョンの演出とキャストの皆さんが素晴らしくて、原作へのリスペクトが感じられて嬉しかったです。印象的なシーンを言い出したらきりがありませんが、キャストが大勢が出て来るシーンはどのシーンも観ていて気持ちが高揚しましたし、千尋とカオナシが電車に乗って行くシーンは実は観るまで少し心配だったのですが、非常にうまくできていると感動しました。映画の公開から20 年が経っていることを考えるとキャストの方々の中には当時まだ生まれたばかりだった方もいて、幼い頃に映画『千と千尋の神隠し』をご覧になっている方もいる。その経験が舞台の迫力に繋がっているような気がして感慨深いです。皆さんがんばってください!」
プロデューサーの“お墨付き”を得て自信を得た4人に「稽古中に大変だったことは?」との質問が。これにはおばたのお兄さんが「全部です!」と即答!
橋本も「大変だった事はありすぎるくらいあります(笑)。特に千尋はステージにいない時間が少ないし、ドジな一面があってよくコケるんですけど、舞台では公演ごとに何回もコケるので、ケガをしないような転び方を研究するのが難しかったですね。実は千尋、身体能力がめちゃめちゃ高いです!」と自信を見せた。
上白石は稽古時を振り返り「ほんとに千尋は運動量がハンパなくて、もう無理ですっていうところまで走らなきゃいけない。ただでさえシンドイのに、稽古場では密閉度の高いマスクを付けながらだったので、何度も倒れるんじゃないかと思いました。でもそれが高地トレーニングみたいな感じで、マスクを外してステージに立つと稽古場より楽なので今ではマスクに感謝しています(笑)」と、期せずして体力がついた模様。
そのコメントを受けて「裏で走ったり着替えたり、それをお稽古で繋がるか繋がらないかやるのが本当に大変でした。1公演終わると、けっこう痩せるしね」と夏木。
上白石は緊張で食事がノドを通らず、初めての通し稽古の時は1.5キロやせたと明かしつつ「今はいくら食べても太らない無双状態なので、公演期間中は食べることも楽しみたい」と笑顔を見せた。
朴は「大変な事は皆さんが言ってくださったので、私はみんな偉いなと思ったことを・・・・・・。アンサンブルの人たちが体を張ってくださっていて、スタッフさんも休むひまがないくらい動いて、それがエネルギーとなって舞台からも感じてもらえると思います。何より一丸となって感染対策を実行できたことは、私たちやったな!と思うところですね」と、ひとりひとりの意識が高い現場だと胸を張った。
会見の最後に、改めて意気込みを求められ、「無事に幕を開けることが出来たので、本当に最後まで必死に千尋として生きていって走り抜けたいなと思います。これからどんどんどんどん全体を通して成長していけたらいいなと思っております」と語った橋本。
上白石も「世の中いろんなことが起きていて不安になったり恐ろしい気持ちになったりすることが多いと思うんですけども、劇場にいらっしゃる3時間だけでもいろんなことを忘れて楽しんでいただけるように私たちも夢中になって全員で走り抜けたいなと思います。劇場でお待ちしています!」とメッセージを贈り、笑顔を見せた。
舞台『千と千尋の神隠し』東京公演は、3月29日(火)まで帝国劇場にて上演。その後は4月に大阪 梅田芸術劇場メインホール、5月に福岡 博多座、6月に北海道 札幌文化芸術劇場 hitaruで上演され、6月・7月の名古屋 御園座まで続く。
文:近藤明子
写真提供/東宝演劇部
公演概要
舞台『千と千尋の神隠し』
2022 年 3 月 2 日(水)~3 月 29 日(火):帝国劇場
プレビュー公演 2 月 28 日(月)・3 月 1 日(火)
2022 年 4 月 13 日(水)~4 月 24 日(日):
【大阪】 梅田芸術劇場メインホール
2022 年 5 月 1 日(日)~5 月 28 日(土):
【福岡】 博多座主催:博多座
2022 年 6 月 6 日(月)~6 月 12 日(日):
【北海道】 札幌文化芸術劇場 hitaru
2022 年 6 月 22 日(水)~7 月 4 日(月):
【名古屋】御園座
▼キャスト
千尋 橋本環奈/上白石萌音
ハク 醍醐虎汰朗/三浦宏規
カオナシ 菅原小春/辻本知彦
リン・千尋の母 咲妃みゆ/妃海 風
釜爺 田口トモロヲ/橋本さとし
湯婆婆・銭婆 夏木マリ/朴 璐美
兄役・千尋の父 大澄賢也
父役 吉村直
青蛙 おばたのお兄さん
阿部真理亜 新井海人 五十嵐結也 桜雪陽子 大重わたる 折井理子 可知寛子
香月彩里 城 俊彦 末冨真由 田川景一 竹廣隼人 知念紗耶 手代木花野 中上綾女花島 令 松之木天辺 水野栄治 武者真由 保野優奈 八尋雪綺 YAMATO 山野 光
▼スタッフ
原作:宮﨑 駿
翻案:ジョン・ケアード
共同翻案:今井麻緒子
オリジナルスコア :久石 譲
音楽スーパーヴァイザー・オーケストレーション・編曲:ブラッド・ハーク
音楽スーパーヴァイザー補・オーケストレーション・Ableton プログラミング:コナー・キーラン美術 :ジョン・ボウサー
パペットデザイン・ディレクション:トビー・オリエ振付・ステージング:井手茂太
照明:勝柴次朗音響:山本浩一衣裳:中原幸子
ヘアメイク:宮内宏明映像:栗山聡之
音楽監督・指揮:深澤恵梨香舞台監督:北條 孝
演出補佐:今井麻緒子
演出助手:永井 誠/小貫流星プロデューサー:尾木晴佳
演出:ジョン・ケアード
協力:スタジオジブリ
製作:東宝株式会社