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奈緒、ウエンツ瑛士共演。舞台『WAR BRIDE ーアメリカと日本の架け橋 桂子・ハーンー』開幕!「どうか、私たちの花束を受け取ってください」

REPORT

2025 年 8 月 5 日(火)より東京・よみうり大手町ホールにて、舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』が開幕した。

原案であるドキュメンタリー映画『War Bride 91 歳の戦争花嫁』は、『下町ロケット』や『半沢直樹』など TBS で数々のヒット作 を生み出してきたドラマプロデューサー・川嶋龍太郎が監督を務め、アメリカ・オハイオに住む川嶋の伯母【桂子・ハーン】が“戦争花嫁” として日本に駐留していた敵国の軍人【フランク・ハーン】と恋に落ち、結婚・渡米したという決断やその生き様を紐解く作品。 “War Bride(戦争花嫁)”とは、第二次世界大戦後、連合国軍占領下の日本に駐留していた兵士と結婚して兵士の国へ 渡った日本人女性のことを指し、アメリカへ渡った戦争花嫁の数は約4万5千人いたといわれている。 

桂子とフランクの運命の物語を、戦後 80 年となる今年の夏、「劇団チョコレートケーキ」主宰・演出の日澤雄介と、同劇団の脚本家・古川健の強力タッグで舞台化。 

激動の時代を生き、今なおアメリカで生活をしている桂子を演じるのは、柔らかな雰囲気の中に持つ芯の強さで圧倒的な存在感を放つ奈緒。そして、運命に導かれ桂子と出会う米兵・フランクを演じるのは、本作で奈緒と初共演となるウエンツ瑛士。

共演は、桂子とフランクを取材する若きジャーナリストに高野洸、桂子の人生を後押しする両親に占部房子と山口馬木也。さらに、川島鈴遥、 渡邉蒼、福山絢水、牧田哲也、岡本篤と、高い演技力を誇る俳優が一堂に会し、戦争を憎みながらも敵国の軍人と恋に落ちた桂子、そして日米の架け橋となるべく尽力したフランクとの「真実の愛」の物語を紡ぐ。

今回は、奈緒、ウエンツ瑛士、高野洸、山口馬木也、演出・日澤雄介が登壇した囲み取材の様子をお届けする。

まずは、戦後80年という節目になる年に初日を迎える現在の心境について、それぞれから述べられた。

奈緒「稽古場でみんなと戦後80年、そして「愛」というテーマにたくさん向き合い、やっとこの日までたどり着きました。とてもうれしい気持ちでいっぱいです。私事ですが、先日亡くなった祖父の話を母から聞きました。私と祖父が初めて出会った日が8月15日だったそうです。今年初めて知り、戦争から帰ってきた祖父がその日に私と顔を合わせた時、どんな気持ちだったのだろうと考えました。戦後80年にはいろんな向き合い方がありますが、愛と向き合う1日にするという選択肢をして、劇場に足をお運びいただけたら幸せです。みんなで頑張ります」

ウエンツ瑛士「戦後80年というタイミングで、生の声を聞く機会が少なくなっている今、この舞台という五感すべてで感じられるエンターテインメントでこの作品を届けられることに大きな意義と責任を感じています。いよいよ初日を迎えますが、戦争の話でありながらも「愛」という新たな視点から物語を知っていただき、今の世界を考えるきっかけになれば嬉しいです」

高野洸「戦争という言葉で作品から距離を置いたり、目を背けてしまう方も多いと思います。しかし、そういう方々にもぜひ観ていただきたい作品です。当時でも心を豊かにして強く生きた桂子さんの人生が舞台で進んでいきます。素晴らしい方々と作り上げたこの作品が明日から皆さんの元に届くことが嬉しいですし、精一杯頑張ります」

山口馬木也「こうした節目にこの作品に参加できることは本当に光栄です。もともとドキュメンタリー映画で拝見したときから、このことを一人でも多くの方に伝えたいという思いがありました。日澤さんの演出の中、このメンバーで稽古を重ねる中で、「伝える」ではなく「伝わる」作品になったと感じています。明日からお客様を迎えるにあたり、一人でも多くの方に何かが届くよう、誠心誠意全力で舞台を務めていきたいです」

演出・日澤雄介「戦後80年という節目に、このような作品を演出させていただけることは光栄です。このキャストとスタッフと創作できたこともとてもうれしいです。同時に、こういう作品をお客様に届けることには勇気がいるというか身の引き締まる責任を感じています。大切につくった作品なので、ぜひ楽しんでいただきたいです」

本作は、ドキュメンタリー映画が原案だが、舞台化にあたり気をつけた点やこだわった点について、日澤は「ドキュメンタリー映画はとても素晴らしく、桂子さんの生き生きとした笑顔や言葉が心に刺さりました。原案をもとにしながらも、舞台で脚本と俳優の心と体を通して届けることで、ドキュメンタリー映画では感じられないものをお客様に想像していただけるように心がけて演出しました。桂子さんや関係者への敬意を持ちつつ、今だからこそ、我々だからこそできる作品づくりを意識しました。稽古場では皆さんの意見や感性を総動員し、創作を進めました」と舞台化についてのこだわりを話した。

アメリカに行き、実際に桂子・ハーン氏と対面したという奈緒。印象に残っていることについては「街を一緒にたくさん散歩した中で、たまたま桂子さんのお知り合いにお会いしたり、現在のライマの市長さんとお話しする機会をいただきました。皆さんが本当に桂子さんのことを、この街の誇りとして大切にしていらっしゃるのを肌で感じましたし、それは桂子さんがこの街で皆さんを大切にしてきたからだと強く思いました。

また、フランクさんのお墓に一緒に行かせていただき、ご挨拶もさせていただきました。その時、今でも寂しがり屋のフランクさんを心から愛している桂子さんの姿を間近で拝見し、とても印象に残りました。そうした思い出を胸に大切にしまいながら、今回の舞台に臨みたいと改めて感じました」と思いを語った。

今回、夫婦役を演じる奈緒とウエンツ。役作りにあたって二人で話し合ったことはあるかという問いにウエンツは「全くないです(笑)」と回答。「大体『昨日何食べた?』とかですね。作品に入る前に取材やポスター撮影などがあったのですが、初めましてにもかかわらず、テレビで見ていたそのままの雰囲気でお話しされていたので、特別気を使うこともありませんでした。

ただ、今回の作品では、10代・20代での出会いから、70代、奈緒さんは90代まで演じられます。夫婦として50年以上を共にした関係性をどう作るかを大事にしていますが、特別な打ち合わせはしていないです」と夫婦役の役作りについて述べた。

今回、親子役で初共演となる山口と奈緒。お互いの印象について奈緒は「私が初めて馬木也さんとお会いしたのは、ポスター撮影の時でした。馬木也さんが「コンコン」とドアをノックして、「お父さんだよ」と言ってくださったのがすごく印象的でした。大先輩なので緊張していたのですが、その瞬間に「これからはお父さんだと思って甘えていいんだ」と感じました」と語り

山口も「『お父さんだよ』と言いましたが、稽古場の奈緒さんを見ていると、まるで自分の母親のような安心感がありました。自分の役はとても難しいと思っていたのですが、稽古場で奈緒さんやウエンツさん、ほかの共演者と一緒に作っていく中で、すぐに気持ちが腑に落ちました。お二人や皆さんの顔を見ていると、「こういう感情だったのかもしれない」と自然に思えて、本当に感謝しています。お二人のシーンは特に素晴らしくて、稽古場では皆でニヤニヤしながら見ていました」と奈緒の印象について述べた。

本作でジャーナリスト役を演じる高野。「やっぱり戦場に行き、勇敢に戦ってきた人物だと思うので、人としての強さを持ちつつ、物語に関わる身としての感情も大切にしました。そして桂子さんを追っているときの気持ちをどう描き、どう表現するかはかなり苦戦しました。悩みながら探って、共演者の方々に教えていただきながら稽古を重ねてきました」と役作りについて語った。

最後に奈緒から「戦後80年が過ぎても、私たちはかつて戦争があったという過去と向き合いながら生きていくことになると思います。その向き合い方は人それぞれですが、今回の舞台稽古を通して感じたのは、登場人物一人ひとりがそれぞれの愛を持っているということです。その愛が舞台上でキラキラと輝き、ときには切なく輝いていて、まるで花束のような舞台だと感じます。どうか、私たちの花束を受け取ってください」とメッセージが語られ、囲み取材は終了した。

舞台写真

文・撮影:THEATER GIRL編集部

高野洸インタビュー 『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』 「新しい世界に連れていってくれるような役と出会いたい」

公演概要

舞台『WAR BRIDE ーアメリカと日本の架け橋 桂子・ハーンー』

【東京公演】
2025年8月5日(火)~27日(水)
よみうり大手町ホール

【兵庫公演】
2025年9月6日(土) 12:00/17:00 9月7日(日)12:00 [全3公演]
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

【福岡公演】
2025年9月13日(土)13:00/18:00  9月14日(日)13:00[全3公演]
久留米シティプラザ ザ・グランドホール

原案: 「War Bride 91歳の戦争花嫁」(TBSテレビ)
脚本: 古川健(劇団チョコレートケーキ)
演出: 日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)

出演:
奈緒 ウエンツ瑛士 
高野洸 川島鈴遥 渡邉蒼 福山絢水 牧田哲也 岡本篤 占部房子
山口馬木也

企画・製作: TBSテレビ

公式サイト:https://www.warbride-stage.com
公式X: @stagewb

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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