宇野結也×丘山晴己インタビュー 舞台「パタリロ!」〜ファントム〜 「令和の時代に舞台化できるのは、ある意味で解放」(前編)
――前作に出演経験のある宇野さんから、共演者にお知り合いが多いとはいえ今作から初参加の丘山さんに、何かアドバイスはありますか?
丘山:ぜひ!
宇野:アドバイスはないです! だって、はるちゃんのままで来て欲しい。というより、はるちゃんが来ることで新たなムーブメントが起きると思うので、それが僕はすごく楽しみです。だから、のびのびと生きていてもらえれば。それを見て、僕は頑張ろうって思えると思う。なんかもう「はるちゃんの生まれ故郷なんじゃないか?」くらいの世界観だから。
丘山:マジで?
宇野:いつかはるちゃん来るぞって思ってたし、ダンスも歌もギャグもあって。本当に楽しみでしかない。
丘山:なるほどね。それはありがたいです。
宇野:僕、本当に(稽古場での丘山さんを)生で見たかったんですよ。稽古場で役者さんがのびのびとやっていたり、どこに見せ場を持っていくかという取捨選択をしている様を見ているのがとても好きで。だからはるちゃんが稽古場に来て、どう役と向き合っていくのか、はるちゃんの持っている魅力がどう生きてくるのかをしっかり見たいです。稽古場に入るのが今からかなり楽しみですね。
舞台は船旅、キャストも観客も共に大いなるジャーニーへ
――では、おふたりが思う舞台の魅力を聞かせてください。
宇野:舞台って船だと思ってて、旅だとも思うんですよ。2時間、3時間のあいだを、同じ時間、同じ空間で、みんなで同じひとつの方向を見て過ごすというのが、船旅みたいだなって。その舵を取るのが演出家さんだったり、時には出演者だったりする。その時間だけは邪魔されないものだし、邪魔できないものだし、僕たちが守り続けていきたいものなんです。ひとつの旅を終えた時に、また新たな目標や光が見えたり、反省する部分があったりして。そういうのがとても楽しいなと、僕は舞台をやっていて思います。だから、自分のことを応援してくれる人や、出会う人たちは、いっしょに旅をしている乗組員みたいに感じますね。
――ひとつひとつの公演が船旅なんですね。
宇野:そうです。その度に見えてくるものがちがうし、それはやってる側でも、観てる側でもそうだと思うんですよね。本当にいろいろな人生を経験できる。はるちゃんもさっき言ってましたけど、出会いであり奇跡であり。自分の役やそれ以外の役とも出会って、その人たちの人生に触れることで、感じられることが多くあって。だから舞台ってすごく楽しいし、エンタメってとても素敵だなと、このご時世のいろいろを踏まえて改めて感じるようになりました。
丘山:まさに宇野ちゃんの言った通りですね。あと僕の中のイメージだと、夢の中での船旅っていう気がする。なんというか、現実にある夢をお客さんと同じ空間でいっしょに体験できる旅っていう感じです。だから結局、エンターテインメントって現実世界に存在する夢なんだと思っていて。その夢を作るためには、すごく準備が必要で……。同じエンターテインメントでも、映画と舞台でちがうのは、夢を作り上げるのにお客さんがいっしょの空間にいるかどうか。舞台はいっしょの空間にいるので、その日のお客さんによって、空間もまた変わってくるんです。だから、舞台というのはお客さんがいて初めて見られる夢なんですよね。
宇野:うんうん。
丘山:なので、劇場っていうのは本当に神聖な場だと僕は思うんです。夢を見るって、まぁかなりスピリチュアル的に聞こえるんですけど、僕にとってはそういう形だと感じていて。そうした(舞台という)旅を共にする――船だったり、夢だったり、車だったりと(それぞれが抱くイメージは)分からないですけど――いっしょにやるっていうのは、ひとつの大きなジャーニーですよね。
取材・文:古原孝子
撮影:渡辺美知子
ヘアメイク:齊藤沙織
公演概要
舞台「パタリロ!」~ファントム~
【期間・劇場】
東京:2022年9月1日(木)~9月11日(日)天王洲 銀河劇場
大阪:2022年9月17日(土)~9月19日(月・祝)サンケイホールブリーゼ
【原作】魔夜峰央「パタリロ!」(白泉社刊)
【脚本】池田テツヒロ
【演出】小林顕作
【キャスト】
<パタリロ>加藤 諒
<バンコラン>宇野結也
<マライヒ>後藤 大
<ザカーリ>佐藤永典
<ミスターフー>井阪郁巳
<タマネギ部隊>原嶋元久、佐川大樹、田村升吾、武本悠佑
<魔夜メンズ>小沢道成、愛太、笹尾ヒロト
<歌姫>中村 中
<ヒューイット>丘山晴己
★回替わりゲスト出演決定!詳細は後日解禁予定。
【主催】舞台「パタリロ!」製作委員会
【チケット料金】9,000円(全席指定/税込)
【一般発売日】2022年7月9日(土)10:00
【公式サイト】https://www.nelke.co.jp/stage/patalliro2022/
【公式Twitter】@patalliro_stage
©魔夜峰央/白泉社©舞台「パタリロ!」製作委員会