赤澤遼太郎×瑞季インタビュー 朗読劇『Every Day』「等身大のありのままの自分たちで、演じないように演じたい」(前編)
――今作では、赤澤さん演じる三井晴之と、瑞季さん演じる辻村咲の会話をメインにストーリーが紡がれていくことになります。先ほど行った撮影でもおふたりの雰囲気がとてもやわらかくて素敵で……。
赤澤&瑞季:あはは!
赤澤:よかったです(笑)。
――そんなおふたりによる物語がどう仕上がっていくのか楽しみになったんですが。今日が初対面ですか?
赤澤:今日初めてお会いしました。
瑞季:つい数時間前に。ふふふ。
――顔を合わせて間もない状況ではありますが、お互いの印象を伺ってみてもよろしいでしょうか。
赤澤:取材の時や、さっき(取材の合間に)いろいろ話をしていて、声が素敵だなって感じました。声優さんもやられているって仰っていたから。
瑞季:いやいや全然!
赤澤:朗読劇ですし、そこはより楽しみです。
瑞季:私も同じことで申し訳ないんですけど、声がすごくなんか……。
赤澤:あら!(笑)
瑞季:何ていうんでしょうね。男性らしさはあるんですけど、すごく柔らかい雰囲気があって。これは多分、劇場の空間で聴いたらすごく素敵だろうなと。私もすごく楽しみです。
赤澤:うわ、恐縮です。嬉しい(笑)。あとは、すごく話しやすそうだなって思いました。
瑞季:嬉しい!
――話しやすいって、いいですよね。おふたりが演じられるのは付き合いの長いカップルですし、雰囲気作りの上で助けになりそうです。
赤澤:そうですね。それに僕たち、同じ歳なんですよ。
――しかも、おふたりとも出身が神奈川ですよね?
瑞季:本当ですか! あら!
赤澤:あららら! これは一気に話が変わってきますね(笑)。
瑞季:今日が初対面だったんですけど、同じ歳って伺ったので一方的に親近感が湧いて。仲間みたいな感覚を勝手に感じていたんです(笑)。
赤澤:そうそう、僕も親近感が湧いてました。同期がんばろうぜ、みたいな(笑)。作品に挑むにあたって、コミュニケーションをたくさんとったほうがいいなと思っていたので良かったなって。すごくいいアドバンテージになりそうで嬉しいです。
瑞季:ですね。
何気ない日常を演じる、それぞれの難しさ「嘘はつきたくない」
――今作では“当たり前は、当たり前ではない”という、いつもと変わらない日常のかけがえのなさが描かれていくかと思いますが、役とはどのように向き合っていこうと考えていますか?
赤澤:脚本を読んでみて、かなり日常に即した会話ですし、すごくナチュラルなものを求められるなと思って。個人的には今まですごくナチュラルなお芝居はやったことがないので、そこが楽しみな反面、ちょっと怖さもある感じです。あまり誇張しすぎないようにしようとか、なるべく演じないように演じようというところは、心がけていけたらなと思っています。等身大の僕で、嘘はつかずに。まぁ、毎回どのお芝居も嘘はつかないように演じてはいるんですけど、観に来たお客さんに「普段はこういうふうに会話してるのかな」と思ってもらえるようなお芝居ができたらと思いますね。
――月曜の朝に目を覚ます、という誰しも感覚を思い起こしやすいシーンから始まりますし。
赤澤:そうですねぇ。それにセリフのあり方が、僕が普段やってる2.5次元の舞台だとなかなかない感じなんですよ。短いセリフがばんばんあって。
――普通にその辺の人がしていそうな会話が重ねられていくような印象ですよね。
赤澤:そうなんです。あとはプロジェクションマッピングもなければ、長いモノローグもないし(笑)。
瑞季:あはは!
赤澤:新鮮ですねぇ。
瑞季:私が演じる咲は、その“何気ない日常”を過ごしてはいるんですけど、やっぱり自分の中では期限があるということは分かっていて。その状況で普通の日常を“過ごそう”としている姿にはなるので。見え方としてはもちろん日常だし、そうでありたいんですけど、自分の気持ちの中の話になると、またすごく複雑なものがあるなと感じています。そこをどう自分の中で飲み込んで、咲としているのか。それが難しいところなんじゃないかなって思っています。でも、そういった中でも(晴之と咲が)ふたりで過ごしている時間は、それこそ等身大のそのままの私たちでいられるようにしたいなと思いますね。
――1週間という期限を分かった上で、いつも通りの日常を送る……たしかに気持ちの上で大変さが伴いそうです。
瑞季:事故に遭ったことも自分で一応理解していて「1週間だけ時間をもらった」と言う。その1週間をどう過ごすかっていうのは、「何気ない日常が幸せ」って思っているから多分、そう過ごしているので。そこは嘘をつきたくないなって。
赤澤:そうですよね。けっこう難しい役どころですよね。脚本にもあまりはっきり書かれていないですし。けど逆にたのしみですよね。僕らで作っていく部分が多いので。