松岡広大インタビュー 『迷子の時間 -語る室2020- 』「僕は僕のジャンルで金メダルをとろうと思った」
INTERVIEW
――演出の前川知大さんは劇団イキウメ、カタルシツの主宰であり、現代を代表する劇作家のお一人ですが、前川さんの生み出す世界観について、なにか感じているところがあれば伺えますか?
前川さんの作品って、決して僕たちの考えられない範疇の世界ではなくて。親近感も没入感もあるし、普遍的なところは普遍的であるので、決してSFという言葉で片付けられないと思っているんです。一つのテーマが非常にしっかりとしていて、今そういう状況に日本がなったとしたら、ありえないと思うかもしれないですけど、もしも現代でそのようなことが起きたとしても、すごく道理が通るんですよ。決して説明がましく説得されるのではなくて、腑に落ちるからこそ、すごくいろんな方に観ていただけているのかなと思います。
――これから直接演出を付けていただけるのが楽しみですね。
本当に夢のようです。
――今回は、帰ることのできない未来人を演じられますが、これからどう役作りをしたいと考えていますか?
実体験をともなって芝居に活かせればいいんですけど、過去には行けないので、それに似通ったものを探している最中です。触ったもので「このとき何歳だったな」と頭の中で記憶を思い返したりするのも、一種の時間を超越することになるのかなと思いますし。簡単に言えば、回顧するということだと思うんですけど。どうアプローチをしていくかっていうのは、まだ非常に迷走中です(笑)。