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松岡広大インタビュー 『迷子の時間 -語る室2020- 』「僕は僕のジャンルで金メダルをとろうと思った」

INTERVIEW

――新型コロナウイルスの影響で出演作『ねじまき鳥クロニクル』が2月末より公演中止、5月から上演予定だったミュージカル『ニュージーズ』も全公演中止となり、久々の舞台出演になるかと思います。自粛期間を経て、何か意識の変化などはありましたか?

2月、5月と出演予定の舞台が中止になってしまいましたが、僕は演劇という文化は、絶対になくならないと思ったんです。でも、ある時期に劇場が“3密のデモンストレーション”というような報道があったりして。そういったことでお客様と役者、作り手の信頼関係といったものが、穿った捉えられ方をしてしまって、非常に心を痛めました。

今はもう劇場の対策もしっかりとしていて、安心して作品に自分の意識を投影させて、ちゃんと同時性というものを持ってお客様に楽しんでもらえるようになってきていると思うんですけど。「役者がなぜ人前で芝居をするのか」、「なぜエンターテインメントは必要なのか」ということは、毎日非常にぐるぐると考えていました。

――今は、徐々に演劇が復活の兆しを見せていますが、自粛期間は本当にもどかしい時間が続きましたよね。ちなみに松岡さんが、刺激を受けている役者さんを挙げるとしたらどなたでしょうか?

刺激をもらうということに関したら、どの役者さんからももらっていると思うんですよ。でも、今まではライバル意識みたいなものがあったんですけど、最近はそれもなくなってきて。もちろん野心はあるし、「あの人みたいになりたい」っていうのもあるんですけど、身長も違えば、声も顔の系統も骨格も違うし、なれるわけがないなと思ったんです。

それで、自粛明けから2、3ヶ月が経って、映像などのお仕事に復帰したときに「僕は僕のジャンルで金メダルをとろう」と思ったんです。群雄割拠だとか言われていますが、ギスギスするのは嫌だなと思って。

――自粛期間中に大きな心境の変化があったんですね。

角がなくなったのか、それとも野心という言葉自体が今ふさわしくないのか、その二択だなと。もちろん、口に出して「こうなりたい」と言うことも大事ですけど、あまりにも強すぎる思想っていうのはたまに攻撃的に聞こえてしまうので、 そういったことを考えたときに、僕は努力は見せたくない人間なので …… やっぱり丸くなったのかな。なので、自分のことは自分でやろうと思いました(笑)。

――映画、ドラマ、ラジオなど幅広い活動をされていますが、舞台へ挑むときは、また別のスイッチが入ったりもされますか?

映像と舞台だと、やっぱり少し違いますね。映像はどちらかといえば、力を抜いている感じかもしれません。舞台のときも力は抜いていると自分では暗示をかけているんですけど、疲労感も半端なかったりするので。 でもどちらも違えど、 スイッチは何かしら入っているんですよね。

でもそれは、頭で考えるというよりは、身体の感覚でわかります。思考の回路的に何かが変わっているという訳ではないんですけど。目の前にお客様がいるかいないかということはあまり大きくなくて、“伝える”ということに対しては(共演している)役者さんに伝えることが大事だと思うんです。それが波及効果で間接的にお客様に伝わって、緊張感が生まれたらいいなと思いますし。それが、演劇の面白さで、目の前で同じ事件を体験している同時性なのかなとも思うので。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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