福澤 侑、廣野凌大、糸川耀士郎インタビュー 舞台「ナナシ-第七特別死因処理課-」「面白いものができるっていうのは胸を張って言える」(前編)
DMM TV「2.5次元的世界」にて配信のオリジナルドラマ「ナナシ-第七特別死因処理課-」が遂に舞台化。2023年10月27日(金)より、天王洲 銀河劇場にて上演されます。
ストーリーの舞台は中央死因管理局。ここに勤務する死神たちはこの世に存在する様々な死因を管理し、人間の人生最後のストーリーを考えながら、日々忙しく働いています。第一死因処理課のエースであるチョッキューは全ての死神の憧れ的存在でしたが、あることがきっかけで死神引退を考えるように。そんな彼の元に新部署立ち上げの話が舞い込みますが、それは特殊な死因を担当するポンコツ死神ばかりを集めた部署で……。
ドラマ版では、エリート死神がポンコツ死神たちが集まる第七特別死因処理課(通称“ナナシ”)に移動となり、日々葛藤しつつも成長していく姿が描かれましたが、今回の舞台版で描かれるのは第七特別死因処理課の結成当初の物語。
“ナナシ”メンバーとしては、ドラマ版より続投のチョッキュー役・立花裕大さん、デンデン役・田中涼星さん、レイト役・福澤 侑さん、ツヨビ役・永田聖一朗さん、ハズイ役・高橋祐理さん、ブコツ役・相澤莉多さんが出演。新キャストとして、チョッキューと同期の死神・カンセイ執行官役に糸川耀士郎さん、口が悪く気性が荒い天使・ダラク監察官役に廣野凌大さん、ダラクの部下の新人天使・オザキ監察官補佐役に森下紫温さんが決定しました。
今回、THEATER GIRLのインタビューに登場いただいたのは、福澤 侑さん、廣野凌大さん、糸川耀士郎さん。前編では、舞台化で楽しみにしていることや、それぞれの役の見どころ、お互いの印象について語っていただきました。仲が良いお三方の和気藹々とした空気感もお楽しみください。
仲が良いメンツ揃いの座組は「楽しみでしかない」
――今回の舞台はドラマで描かれた“ナナシ”の過去、結成当初の物語となっているそうですね。福澤さんはドラマ版からの続投、廣野さんと糸川さんは舞台版からの参加となりますが、今回の舞台化にあたって楽しみにされているのはどんなところでしょうか?
福澤:過去がどう描かれていくのかはまだ分からないですが、耀士郎くんも凌大も新たに加わってくれるということで、楽しみでしかないですね。こう、見てもらった通り、仲が良いメンツが揃っているので。
廣野:そうね、共演したことのあるメンツが多いですからね。
福澤:顔見知りが多い現場なので、楽しくやれるんじゃないかと。演出も(松崎)史也さんということで、そこも含めて楽しみでしかないですね。
廣野:(新キャストの)僕らは楽しみとかそういう簡単な言葉とは違って……。
福澤:(「えっ」という顔)
廣野:いやいや。僕らはできた場に入るんで(笑)。
福澤:楽しみだよね?
廣野:すーげぇ楽しみです(笑)。僕らは新たな役どころとして、僕は天使、そして耀士郎くんはチョッキューの同期のエリートとして、またこれまでとは違った面から攻めるので。総じて楽しみです!
糸川:今作は原作モノとは違って、オリジナルということで。しかも、かなり個性豊かな役者が揃っているので、ここからどんどん勢いをつけていけるように、その一助となれるような役どころになれたらいいなと思います。楽しみです、総じて!
「逆に当て書きっぽいやつは難しい」その理由
――みなさん既にプロットは読まれたということですけれども、ご自身の役の見どころはどんなところにあると思われますか?
福澤:ドラマをやっていた時には、本当にみんな仲が良くて、立花裕大くん演じるチョッキューの元で、チーム感を持ってやってる家族みたいな感じだったんですよ。ただ今度の舞台でやるのは過去ということで。どうやってそういうチームになっていったのかというところが描かれるんだろうと思うんですけど。僕が演じるレイトは見るからにやる気のない、こわーい感じの役どころで。
廣野:ぴったしじゃん。
糸川:うんうん。
福澤:担当する死因も呪死ということで。呪って、殺すっていう。
廣野:ぴったしだね!
糸川:あはは。
福澤:まぁ、題材も死という重いものなのであれなんですけど。特にレイトって、ドラマ版でもあからさまにいいヤツじゃないだろって感じなんですよね。だから、僕自身、自分の役がどんな感じになるのか楽しみです。そういう個性豊かな面々が揃っていて、そこからどうやってチョッキューの元で「あんたについていく」となったのか。そういうところが見どころかなと思います。(“ナナシ”の死神にも)みんなそれぞれ、すごい過去がありそうだし。
――レイトは、ドラマではもうチョッキューのことを尊敬している感じがありましたが、今作の段階では反発しているようですね。
福澤:過去だとそうでしょうね、 レイトの場合(笑)。
――そして“頭は良いが性格は捻くれている”ということになってます。
福澤:あぁもう全然! 僕、プライベートでは性格めちゃくちゃ良いんで。
廣野:(笑)。
福澤:演じる上で役作りをめちゃくちゃしっかりしないとなって感じです。頑張ります!
廣野:僕が演じるダラクは死神じゃないんですよね。今まで「ナナシ」には死神しか出ていなかった中で、舞台で初めて天使として出るので、天使らしいところを見せられればなと思います。ペテン師じゃなくてね(笑)。
――上手いことを仰る(笑)。ダラク監査官については“口が悪くて、気性が荒くて、怒り出すと止まらなくなる”ということですが……。
福澤:それはもう、天使じゃない!(笑)
廣野:あはは。これは亀田(真二郎)さんが悪いんですよ。脚本の亀田さんに会った時に「廣野で見たいもの書いたから、頑張って。廣野っぽいの書いたから」と言われて。でも逆に当て書きっぽいやつって意外とむずいんですよ。廣野凌大でやると廣野凌大にしか見えなくなるから、ちょっと変えなきゃいけない。例えば、怒り方から、怒鳴り方から、笑い方から。そういうところが、亀田さんって意地悪だなと思って(笑)。
福澤:凌大が天使の役って聞いた時に、すいません本当、多分俺が誰よりも笑ってました。見たいなぁと思って(笑)。
廣野:そうでしょう? でも、(ダラクは)性格悪いみたいになってるけど、ミルク飲むと落ち着くらしいから。
糸川:なんか、ちょっとあるよね、そういう可愛いところ。
福澤:プライベートでもちょっとベイビーなところがある。
廣野:でしょ?
糸川:哺乳瓶似合うもん。
廣野:現場で一番哺乳瓶が似合う男なので、その哺乳瓶を飲む姿が見どころだと思います。
――ミルクは、哺乳瓶で出てきちゃうんですね(笑)。では糸川さん、いかがでしょう?
糸川:正直、お話をいただいた時に「ナナシ」に天使と死神が新キャストで追加されますと聞いて、絶対自分は天使だなと思ったんですよ。けど、死神で。
廣野:(小声で)オチは?
糸川:こっから、こっから! で、そのプロットを見た時に……。
廣野:(小声で)がんばれ、いけ!
糸川:ちょっとさぁ……。お前がちゃんとしたことを喋らないから、俺がちゃんとする立ち回りに今いるのよ! で、(カンセイ執行官は)チョッキューの元同僚で、その設定に結構面白いことが書いてあって。すごく真面目でまっすぐなキャラクターなんだけど……みたいな。きっと隠されたパーソナルな部分があると思います。まぁ一番は、チョッキューとどんな関わりがあって、チョッキューのことをどう思っているのかって部分かなと思います。
――設定では“明るく人当たりもいい好青年で、チョッキューのよき理解者”と書かれていますが。
糸川:そうなんですよ。ですが……、みたいな。
廣野:ネタバレになっちゃうけどさ、結局それなんなの?
(しばしネタバレまじりの展開予想トーク)
福澤:いやこれ、書けないでしょ!
糸川:この舞台はきっと、僕がセンターで終わります。
福澤:あの多分なんですけど。これ、取材する3人間違えてます。
――(一同爆笑)。
廣野:もうしょうがない、ここを選んでしまったんだから。始めた物語だから。
福澤:ただ、今回誰がここに来てもこうなってます。そういうメンツです(笑)。
糸川:確かに、確かに。
廣野:まともなの、立花裕大だけじゃない?
福澤:いや、裕大くんも多分こうなってる。
糸川:裕大くん、周りに流されるタイプだから。
福澤:天然だもん。
――みなさんやはり、仲が良いんですね(笑)。
福澤・廣野・糸川:仲良いんです。
仲良い同士が直球で語る、お互いの印象とは?
――みなさんそれぞれ共演経験がおありとのことですし、お互いをよく知っている感じがとても伝わってくるんですが。お互いの印象について聞かせていただけますか?
廣野:(よどみなくスラスラと)耀士郎くんは、芝居にすげぇ真摯で。台本をもう最初から読み込んでくる。すごい人だなぁと思います。で、侑くんに関しては。踊れるんですけど、それを差し引いても芝居心があるし、間の使い方も完璧だし、すごいなって思います。
福澤:これ、絶対書いてくださいね。
糸川:いきなりまともになってすみません本当に。たまに、こういうとこあるんですよ。
――いえいえ、しっかり書かせていただきます(笑)。福澤さんはいかがでしょう?
福澤:お二人ですか。大好きですよ。
糸川:あはは。
廣野:お前テキトー過ぎるだろ。
福澤:いやいや、本当に。ここまでみんながいい意味でナチュラルに仲が良くて、言いたいことも言い合えるような面々が揃うのってなかなか久しぶりなので。誰かしらは「あ、どうも」っていう(あまり面識のないような)人はいると思うんですが、座長の裕大くんをはじめ、かなりアットホームな感じの雰囲気を作ってくれる現場だと思いますし。二人についても、本当にめちゃめちゃやりやすいので、これはすごくいいことだなと感じます。まぁ、凌大に関してはプライベートでもずっと一緒にいるのであれですけど。耀士郎くんは先輩なんですけど、空気をすごく良くしてくれるしめちゃめちゃ面白いし。一緒に仕事をしていて楽しい人なので、また共演できて嬉しいですね。(田中)涼星くん(死神 デンデン役)にしても、裕大くんにしても、今回は優しい先輩が多いですし、個人的にも心強い二人がいるんで、楽しみです。
糸川:僕はですね、奇しくも、凌大と侑に関してはもっと知りたいと思っていた人だったんですよ。その二人がこの取材に揃っちゃいまして。涼星や裕大くんとは、付き合いが長くて仲も良いですし、今も同じ現場なのでずっと一緒にいるんですけど(※取材時)。その中で侑と凌大はもっともっと知っていきたい、興味がある、みたいな二人でした。
廣野:へぇ!
福澤:嬉しいね。
廣野:(小声で)あざす。
――お二方それぞれについては、どんな印象を持たれています?
糸川:まず侑は、凌大も言ってましたが、ダンスのスキルにけっこう目が行きがちですけど、本当になんでもできるなぁっていう印象があって。でもなんか、今はまだボケてツッコんでみたいな距離感じゃないじゃん? そこをもっと越えて行きたい。
福澤:ちなみに俺と耀士郎くんの場合、どっちがボケてどっちがツッコむと思います?
糸川:あぁー。俺どっちでもいけるから。それだったら逆に、どっちがいいか聞きたいかも。
廣野:じゃあ俺がツッコむよ!
福澤:……だからさ、お前さ……。凌大を真ん中にして座ったのが間違いでしたね。まずは。
糸川:それだわ(笑)。
廣野:え、二人とも、今のフリじゃなかったの?
福澤:フリです、ありがとう(苦笑)。凌大と耀士郎くんは結構付き合い長いんですか?
廣野:共演2回。今回が3回目。
糸川:3回目だっけ? あ、そっかそっか。3回目か。
福澤:で、この人こんな感じじゃん? ずっと。
糸川:確かに。……そう考えてみると確かに俺、凌大のこと……。凌大はもういいかな。
廣野:何だこの人。
糸川:侑のことをもっと知りたい。凌大は結構これがピークなんで。これ以上掘っても何もないんですよ。
福澤:あははは!!
廣野:あるよ。いっぱいあるよ!
糸川:というわけで、本当に俺も大好きだし、もっと仲良くなりたい二人です。
取材・文:古原孝子
Photo:野田涼
ヘアメイク:瀬戸口清香
スタイリスト:MASAYA(PLY)
公演概要
舞台「ナナシ-第七特別死因処理課-」
【公演期間】2023年10月27日(金)~ 11月5日(日)
【劇場】天王洲 銀河劇場
【演出】松崎史也
【脚本】亀田真二郎
【出演】
チョッキュー役:立花裕大 デンデン役:田中涼星 レイト役:福澤 侑
ツヨビ役:永田聖一朗 ハズイ役:高橋祐理 ブコツ役:相澤莉多 オザキ監察官補佐役:森下紫温
/ダラク監察官役:廣野凌大 カンセイ執行官役:糸川耀士郎
【チケット料金】9,800円(全席指定・税込) ※未就学児童入場不可
【チケット・公演に関するお知らせ】Mitt:TEL 03-6265-3201(平日12:00~17:00)
【公式サイト】 https://nanashi-stage.com
【公式X(旧Twitter)】 @nanashi_stage
【公式ハッシュタグ】#舞台ナナシ
【主催】舞台「ナナシ-第七特別死因処理課-」製作委員会
© 舞台「ナナシ-第七特別死因処理課-」製作委員会
千穐楽公演ライブ配信決定!
11月5日(日)13:00公演/18:00公演
※アーカイブ1週間あり。詳細は舞台公式サイトをご確認ください。