一路真輝インタビュー 『キオスク』 「今は舞台に立っているだけで幸せ」
―リーディング版で共演されている方もいらっしゃいますが、出演者の方の印象はいかがですか?
林(翔太)くんと堀(文明)さん以外は、これまでにもご一緒したことがある方々なので、顔を見るとちょっとホッとします。その点はすごくありがたいですね。
――リーディング版で共演されたキャストの方も多いとのことで、安心感がありますね。カンパニーの雰囲気はいかがでしょうか?
石丸さんの演出のもとで凄く躍動的というか。石丸さんはパワーの塊のような方なので、みんながそれに食らいついている感じがしますね。
私の役は、ちょっと遠くの田舎から、絵葉書と手紙で息子とやり取りをするといったポジションなので、役柄的にもウィーンで行われている皆さんのワーッとした様子を眺めている感じです。これから本格的に稽古が進んでいったら、どうなるかわからないですけど(笑)。
前回がリーディング劇だったということもあるんですけど、そのときに想像していたものが具現化されていくのを見てすごくワクワクしたので、お客様もこんな感じなのかなって。今回、すべてのセットがリアルにある訳ではないんですが、今回の主な舞台となる、フランツが働くキオスク(タバコ店)は、小道具まですごく細かく当時の雰囲気が出ているので、そういった部分を見るのもすごく楽しいと思います。
――以前リーディング版に出演されていたからこそ、そのときに想像してた世界観が具現化されていくのは、嬉しいですよね。
そうですね。想像していた通りのものが目の前にあると本当に嬉しいです。前回はリーディング劇だったので、あまり視覚的に役作りをする感じではなかったんですけど、今回キオスクの店主役の橋本さとしさんが松葉杖で動いているのを見たら、余計に切ない部分が倍増してしまって。戦争で片足をなくして、国から与えられたキオスクという店で生きている、でも世情が厳しくなっていき……という流れが見ていてとても切ないんですよね。