福士誠治インタビュー 舞台『Oslo(オスロ)』「会話劇に重点を置いて演じられることがとても楽しみ」
――昨年はコロナ禍の影響で、舞台ができなかった期間もありましたが、そういった期間を経て、考え方などに変化はありましたか?
自粛期間を経て、やはり変化はありました。あの時期は、みんなで一緒にちょっと休もうとなったじゃないですか。老後ってこんな感じなのかなみたいな(笑)。でも、休みだからってダラダラする訳ではなく、家でご飯を作ったり、人間らしい生活をするということには気をつけていました。しかも、働いていないからか、お酒の量も減るんですよ。意外と、規則正しく過ごせていたと思います。
自粛明けは、「やりたいことに素直になろう」という気持ちになりました。もちろん、働いてご飯を食べていかなきゃいけないっていうことも大切ですが、自分の中の意欲みたいなものを再確認できる時期だった気がします。きっと、また何年かしたら忘れちゃうんでしょうけどね。
その時期に、リモートでファンの方と交流したのですが、「外出するのは怖いけどすごく観たい」と言う声をいただいて、劇場に観に来ていただくことは当たり前のことじゃないと改めて感じました。でも、そういったことを感じられたことはとてもよかったなと思います。
演劇でも映画でもドラマでも、ものづくりなら何でもそうだと思うのですが、楽しみにしてくれている方がいるし、作品って意外と生き続けてくれるんだなと。再放送を観て「昔の作品も面白いじゃん!」と感じたのと、映画館で過去の名作をスクリーンで観たい人もいっぱいいるだろうなと思ったんです。少し前に昔のジブリ作品が上映されていたので、僕も観に行きました。また「名画座」みたいなものが流行ったら、ちょっとおもしろそうだなと思います。
――確かにあの時期があったからこその取り組みですよね。
そうですね。だから舞台の再演って、こういう気持ちかもしれないなと。舞台ってまた観たいと思ってもなかなか観られないじゃないですか。DVDになっているものを観るのもやっぱり違いますし。