安蘭けいインタビュー ミュージカル『ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～』「ミュージカルの入門編として最高の作品」（後編）
2024年7月27日（土）より東京建物Brillia HALLにてオープニング公演を迎え、8月2日（金）から東京公演、11月9日（土）からＳｋｙシアターＭＢＳにて大阪公演が上演される、最高傑作と名高いミュージカル『ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～』。
世界中で愛される本作は、2017年に日本版初演が上演され、多くの観客にとって忘れ得ぬ光景をもたらしました。再演はコロナ禍まっただ中の2020年。そこから4年の時を経て、3度目の上演が決定し、多くのミュージカルファンが開幕のときを待ち望んでいます。
THEATER GIRLは、2020年版に続き2024年版でもウィルキンソン先生を演じる安蘭けいさんにインタビュー。後編では、2度目ならではの挑戦や課題、Wキャストとなる濱田めぐみさんへの思い、夢にちなんだ“夢エピソード”などをお聞きしました。
「よりクリアに、より深く」。2度目のウィルキンソン先生役に懸ける意気込み
――2度目のウィルキンソン先生役ということで、ご自身なりに設定したい課題や挑戦というものはありますか。
前回はコロナ禍で、稽古場以外は交流ができなかったんです。特に子供と大人は接することができない状況で、コミュニケーションが本当に難しかったです。今回はやっといつも通りの稽古ができるので、子供たちとの関係性も作りやすいのではないかなと。それをうまく活かして舞台上での関係性を作っていって、より役を深くできればいいなと思っています。
――振り返ると前回は本当に大変な時期でしたね。
そうなんです。演出補やスタッフの海外チームも来日できなくて、聞きたいこともあまり聞けない状況でした。当時は、とにかく幕を開けることに意味があったので、それ以外は二の次だったというか。今回はもっとクリアに、さらに深堀りできるのではないかなと期待しています。
今回、脚本を読み出したら、「あれ？」と引っかかる部分があって。「前回、なんでここが引っかからなかったんだろう」と思う部分もあったので、今回はそういうところも改めて埋まっていくのかなと思っています。
Wキャストは濱田めぐみさん。互いをよく知るからこそ膨らむ期待
――今回、Wキャストは共演経験もある濱田めぐみさんです。濱田さんが演じるウィルキンソン先生に期待すること、楽しみにしていることはありますか。
ウィルキンソン先生像自体は変えることができない部分が多いのですが、きっとめぐの個性が重なった「そうやるんだ！？」というような発見があるんだろうと思っています。めぐの発想って本当に私にとっては面白くて、毎回発見があるんです。それをいい感じにいただきつつ（笑）、自分のウィルキンソン像にもプラスしていければいいなと思っています。
――お二人は発想以外の部分でも違うタイプなのでしょうか。
違うタイプなのかもしれませんね。根本的なところは、多分よく似ているんです。共鳴したり感動したりするポイントはすごく近いのですが、お芝居や本の読み方という部分は違うのかもしれません。役の組み立て方というかアプローチというか。でも、やっぱりお互いに劇団出身なので、わかりあえるところもすごく多いし似ている部分もあるので、シンパシーを感じ、新しい刺激ももらいつつ、とてもいい関係でできるのではないかと思っています。
――濱田さんがどんなウィルキンソン先生を作られるのか楽しみですね。
本当に楽しみで仕方がないです。私も前回演じているからわかるのですが、今多分めぐは「ひー」ってなっていると思います。やらなきゃいけないこと、今から準備しなくちゃいけないことがたくさんあるので。でも、それを乗り越えたら、どんどんめぐのウィルキンソン先生が生まれてくると思うので、今からそれを見るのが本当に楽しみです。
強烈な痛みが忘れられない！？意外な“夢エピソード”を披露
――夢がテーマの本作にちなみ、最近安蘭さんが叶えた夢、もしくは今叶えたいと思っている夢、最近見た印象的な夢など、「夢」にまつわるエピソードを教えてください。
今日見た夢すらすぐ忘れるんです（笑）。でも、1つあります。以前、すごく痛い夢を見たことがあって。
――痛い夢……気になるワードですね（笑）。
『カム フロム アウェイ』の全国ツアー中、寝ているときにスネがこむら返りになったんです。スネがつると、つま先があり得ない方向に曲がって、本当に痛くて。
そんなことがあって、それがすごく恐怖として記憶に残っていたんでしょうね。『カム フロム アウェイ』が全公演終わった後に、今度は足をつる夢を見て。本当はつっていないんですけど、夢の中で足がつって「痛い！」と起きたら、実際はつっていなくて喜びに浸ったんです。夢でよかったっていうエピソードなのですが、これで大丈夫ですか（笑）？
もっと、ドラマがある夢だったらいいんですけどね。昔は夢辞典を枕元に置いて、目覚めたらすぐ見たりしていたんですけど。最近、いい夢はあまり見ていないんです（笑）。
――貴重な夢エピソードをありがとうございます。では最後に、公演を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。
寝ている間に見る方の夢ではなく、叶える方の夢がたくさん詰まった作品なので、本当に多くの方に観ていただきたいです。特にこの作品は、ミュージカルが好きな方にとっては絶対に観たい作品だと思うのですが、ミュージカルをまだ観たことがない方や全く興味がない方、なんなら苦手に思っている方にも、劇場に足を運んで観ていただきたいなと思っています。入門編として最高の作品なので。それくらい私も大好きですし、多くの思いを持って帰ってもらえる作品なので。感動していただける舞台をこれから作っていきますので、どうぞ楽しみにいらしてください。
取材・文：双海しお
公演概要
Daiwa House presents ミュージカル『ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～』
【東京公演】
オープニング公演：2024年7月27日(土)～8月1日(木)
本公演：2024年8月2日(金)～10月26日(土)
東京建物Brillia HALL（豊島区立芸術文化劇場）
【大阪公演】
2024年11月9日(土)～24日(日)
ＳｋｙシアターＭＢＳ
チケット：
【東京公演】
S席：平日￥15,000／土日祝￥15,500
A席：平日￥12,000／土日祝￥12,500
B席：平日￥ 9,000／土日祝￥ 9,500
NFTチケット＞＞
S席：平日￥15,000／土日祝￥15,500
A席：平日￥12,000／土日祝￥12,500
【大阪公演】
S席：平日￥15,000／土日祝￥15,500
キャスト：
ビリー・エリオット：浅田良舞／石黒瑛土／井上宇一郎／春山嘉夢一（クワトロキャスト）
お父さん：益岡 徹／鶴見辰吾（ダブルキャスト）
ウィルキンソン先生：安蘭けい／濱田めぐみ（ダブルキャスト）
おばあちゃん：根岸季衣／阿知波悟美（ダブルキャスト）
トニー（兄）：西川大貴／吉田広大（ダブルキャスト）
ジョージ：芋洗坂係長
オールダー・ビリー：永野亮比己／厚地康雄／山科諒馬（トリプルキャスト）
森山大輔／近藤貴郁（ダブルキャスト）、大月さゆ、大竹 尚、加賀谷真聡、黒沼 亮、後藤裕磨、齋藤桐人、聖司朗、辰巳智秋、照井裕隆、春口凌芽、丸山泰右、森内翔大、小島亜莉沙、咲良、竹内晶美、森田万貴*、石田優月、白木彩可、新里藍那
*スウィング
髙橋維束、豊本燦汰、西山遥都、渡邉隼人、上原日茉莉、佐源太惟乃哩、内藤菫子、猪股怜生、髙橋翔大、張浩一、多胡奏汰、藤元萬瑠、石澤桜來、岩本佳子、木村美桜、清水 優、鈴木結里愛、住徳瑠香、長尾侑南、松本望海、南 夢依、宮野陽光
スタッフ：
脚本・歌詞 リー・ホール
演出 スティーヴン・ダルドリー
音楽 エルトン・ジョン
振付 ピーター・ダーリング
美術 イアン・マックニール
演出補 ジュリアン・ウェバー
衣裳 ニッキー・ジリブランド
照明 リック・フィッシャー
音響 ポール・アルディッティ
オーケストレーション マーティン・コック
翻訳 常田景子
訳詞 高橋亜子
振付補 前田清実、藤山すみれ（ドラスティックダンス”O”）
音楽監督補 鎭守めぐみ
照明補 大島祐夫、渡邉雄太
音響補 山本浩ー
衣裳補 阿部朱美
ヘアメイク補 柴崎尚子
擬闘 栗原直樹
演出助手 伴眞里子、坪井彰宏、加藤由紀子
舞台監督 松下城支
技術監督 清水重光
プロダクション・マネージャー 金井勇一郎
バレエ指導 坂本登喜彦
タップ指導 Higuchi Dance Studio
体操指導 キッズ体操教室でき⇄タノ、こむっしゅ体操教室
ボーカル指導 宇都宮直高
主催： TBS／ホリプロ／梅田芸術劇場／WOWOW／MBSテレビ(大阪公演のみ)
特別協賛： 大和ハウス工業
協賛： イープラス
協力： キョードーファクトリー(東京公演のみ)
後援： BS-TBS／TBSラジオ
公式サイト：https://billy2024.com/
