田村心が挑む新たな役への向き合い方「新しい一面を見せられたら」【シアダン vol.16】（前編）

2021.03.16

INTERVIEW

――4月からは、舞台『魔界転生』に田宮坊太郎役で出演が決まっていますが、意気込みをうかがえますでしょうか。

今は、まだ稽古前なんですけど（取材時）、最近台本が届き始めて、じわりじわりと脳内占有率を『魔界転生』が占めてきている感じです。さっきもちょっと言ったんですけど、今までにやったことのない役柄なので、まだ稽古も始まっていないのに、すごく悩んでます（笑）。

――今回の役柄はどのようなキャラクターなのでしょうか？

悪役という訳ではないんですけど、物語的には悪側といいますか。なので、今までに全くやったことのないような役柄ですね。

――先ほど、役作りの話の中でも出ましたけど、自分で役を作っていかないといけない部分も多そうですね。

再演ということで、前回、田宮坊太郎を演じていたのが玉城裕規さんなんです。まだ面識はないんですけど、すごい役者さんだし、僕も大好きな役者さんなので。なので、玉城さんのイメ―ジが強すぎて、台本を読んでいてもそれにすごく引っ張られちゃうというか。

でも、スタッフさんからは、「玉城さんの真似をしなくていいから、田村くんらしい新しい田宮坊太郎を作ってね」と言われたんですけど。でも、やっぱり玉城さんのイメージが強すぎて、お客さんも多分同じ気持ちだと思うんです。自分なりの田宮坊太郎を数ヶ月後に演じられたらいいなとは思うんですが、どう演じようかは、まだ考えているところです。なので今は、いろいろ時代劇を観たりしてヒントを探しています。

――再演だと初演キャストの方のイメージがあるので、自分なりの役作りをしていくことが、より難しそうですよね。今回は演出が堤幸彦さんということですが、演出を付けていただくのは初めてになりますよね。

前回のキャストさんのインタビュー動画を観たりもしたんですけど、堤さんの演出って、すごく面白いというか、「その場でなんかやって」みたいな感じらしいんです。なんなら本番中でも、客席を歩くシーンで堤さんが急に客席から現れて、その日の日替わりを指示してその場でやるみたいなこともあったみたいで（笑）。ちょっと怖さもありますが、楽しみな気持ちもありつつ、今は、堤さんってどんな演出をされるんだろうって気持ちです。

――それは、なかなか斬新な演出の仕方ですね。今回、共演者も素晴らしい方々ばかりですよね。

はい。大御所の方ばかりなので、緊張しますけどすごく楽しみです。