笹本玲奈インタビュー　ミュージカル『東京ラブストーリー』「生きる上でのヒントや勇気をもらえる作品」（前編）

2022.08.31

INTERVIEW

ミュージカル『東京ラブストーリー』が11月27日より東京建物 Brillia HALL、12月23日より梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、1月14日より刈谷市総合文化センター大ホールアイリス、1月21日よりJMSアステールプラザ大ホールにて上演されます。

恋愛の神様と称される漫画家・柴門ふみの「東京ラブストーリー」は1988年に発表された大ヒット作。その後、トレンディドラマとして映像化されると、日本はもちろんアジアでも爆発的な人気を集めました。その「東京ラブストーリー」が今秋ミュージカルとして蘇ります。

時代設定を現代に置き換え、舞台版ならではの役設定の変更も予定。物語は、主人公のカンチ(柿澤勇人さん/濱田龍臣さん)が2018年春に愛媛に本社がある「しまなみタオル」から東京支社に異動することになることから始まり、共に新プロジェクトを担当することになるリカ(笹本玲奈さん/唯月ふうかさん)と出会います。ある日、上京している地元の高校の同級生・三上(廣瀬友祐さん/増子敦貴さん)と会うとそこにカンチが昔思いを寄せていた関口さとみ(夢咲ねねさん/熊谷彩春さん)もやって来たことから、4人の恋が動きだすというストーリー。

THEATER GIRLは、空チームで赤名リカを演じる笹本玲奈さんにインタビュー。前編では、演じるリカ役の印象やミュージカル版ならではの見どころなど、たっぷりと語っていただきました。

漫画原作のドラマ化作品のミュージカルは「新しい取り組み」

――本作は、1991年に大ブームを巻き起こした漫画「東京ラブストーリー」が原作となっていますが、今回ミュージカル化されるとのことで、出演が決まった時はどんなお気持ちでしたか？

ドラマ版の「東京ラブストーリー」をリアルタイムで観ていた訳ではないのですが、もちろん知っていましたし、鈴木保奈美さんが「カンチ！」と言っているのをCMでもよく観ていました。最近は、ホリプロをはじめ日本のオリジナルミュージカルが積極的に作られている中で、「そうきたか」と思ったのが正直な気持ちです。

ミュージカルをよくご覧になる世代の方はご存知の方も多い内容だと思うのですが、10代や20代の原作を知らない方の心も掴める作品になるかということも含めて、作品自体がすごくチャレンジだなと思いましたね。

――今回、物語の舞台が2018年から2019年春のコロナ禍前の東京という設定に置き換えられるとのことですが、どんなところがミュージカル版ならではの見どころになりそうでしょうか？

リカという役を通してこの作品を見た時に、今の人の方が共感できる要素が多いのではと思ったんです。リカは帰国子女という設定ですが、 1980年代頃は日本人の女性は一歩引いて控えめにしているのがいいとされていた時代で、リカのような自己主張がはっきりしている女性ってすごく珍しがられていたと思うんですよね。

でも、現代では女性が社会進出するのは当たり前になってきているので、逆に現代の設定にした方が、作品としてはまとまるんじゃないかなと思いました。

リカという役は「すごく自分に近い」

――今回演じられるリカはアフリカ育ちの天真爛漫な女性ですが、キャラクター像についてはどうお感じでしょうか？　演じやすそうと感じる部分はありますか？

半年ほど前に一度、空キャストで集まって読み合わせをしたんです。その時はまだ台本が完成していなかったのですが、その時点でリカという役がすごく自分に近いなという印象を受けました。あまり作らなくても挑める役だなと。

今回、柿澤さんも廣瀬さんも夢咲さんも初めてご一緒するのですが、舞台ではよく拝見している方たちばかりですし、皆さん本当にイメージにぴったりでびっくりしたんです。

カッキーも母性本能をくすぐられるような、優柔不断な雰囲気がすごく可愛らしいと思いましたし、廣瀬さんの持つ危ない雰囲気も三上にぴったりで、夢咲ねねちゃんも宝塚の娘役としてトップスターを支える役をずっとやってきた方なので、それがさとみの雰囲気に重なるところもあって、みんなそれぞれ素なのでは？　と思うくらい役にぴったりだなと思いました。なので、私もリカとしてすんなりとこの作品に入っていけるなと思いましたね。

――今回、柿澤勇人さんが永尾完治役を演じられますが、柿澤さんとどんなカンチとリカを創り上げていきたいですか？

どこまで原作に寄せたらいいのかまだ分からないのですが、リカのいきなり突拍子もないことを言うところが、自分と少し似ているなって思うんです。ただ、原作を読みながら「それここで言う？」って台詞もあって驚きの連続だったのですが（笑）。私自身もリカを演じながら、カッキー演じるカンチをいちいち驚かせたいなと思っています。