岐洲 匠×池田純矢インタビュー 『砂の城』「今自分にできる一番正直で思いがつまった作品」(前編)
2022年10月15日より東京・紀伊國屋ホール、11月3日より大阪・ABCホールにて、エン*ゲキ#06即興音楽舞踏劇『砂の城』が上演されます。
エン*ゲキシリーズは役者・池田純矢さんが自身の脚本・演出により《演劇とは娯楽であるべきだ》の理念の基、誰もが楽しめる王道エンターテインメントに特化した公演を上演するために作られた企画。2015年に芝居とエンターテインメント性を掛け合わせた朗読劇+シチュエーションコメディを上演し、2017年には本格的な演劇作品として上演され、以降、様々な切り口からエンターテインメントを創り上げて発信し続けています。
この度、シリーズ6作目となる本作では、“即興音楽舞踏劇”と題して、即興で音楽を奏で、舞うという挑戦的で革新的な試みに挑戦します。
主演を務めるのは、高い歌唱力とキレのあるダンスのみならず、繊細かつ力強さのある演技力で高い評価を得ている中山優馬さん。共演には『宇宙戦隊キュウレンジャー』の主演で注目を集め、ドラマ、映画、舞台とジャンルを問わず活躍中の岐洲 匠さん、初舞台にしてオーディションにて抜擢された夏川アサさん、声優としても様々な役柄を演じている野島健児さん。そして、本作の脚本・演出も務める池田純矢さん、エン*ゲキシリーズお馴染みのメンバーの鈴木勝吾さん。さらに、日本のドラマ・演劇界では欠かせない存在の升毅さんといった、華と実力を兼ねそなえた多彩な顔ぶれが集結しました。
THEATER GIRLは、レオニダス役の岐洲 匠さんと本作の脚本・演出、ゲルギオス役を務める池田純矢さんにインタビュー。前編では、本作が初共演となるお互いの印象や“即興音楽舞踏劇”という革新的な試みについてうかがいました。
レオニダスは第二の主人公のような役柄
――本作に出演が決まった時は、どんなお気持ちでしたか?
岐洲:最初に、バレエダンスという文字が目に入ってきまして(笑)。僕はダンス経験が全くなくて、1位2位を争うぐらい苦手なジャンルなんです。だから最初は不安の方が大きかったです。ただ、 レオニダスという名前も含めて、奴隷だけど王家の血を引くという設定もカッコいいなと思って。
池田:男の子が好きなやつね!
岐洲: そうなんです。男の子が好きそうな設定で(笑)。僕もそこにすごく惹かれました。
――岐洲さんをレオニダス役にキャスティングした理由をうかがえますでしょうか。
池田:大きな要素としては顔ですね! 今回は、より本質的というか、パーソナルな部分に焦点を当てた物語になっているので、そういう面で説得力があって、その上で想像もできる部分を持ち合わせている人を探していたんです。それで岐洲くんの顔がふと頭に浮かびまして。
岐洲:ありがとうございます!
――レオニダスは奴隷でありながら王家の血を引いているという設定で、とても難しい役柄ですよね。
池田:作品の性質上、一番能動的なキャラクターだと思います。主人公に一番影響を与えるキャラクターでもあるし、そういう部分では第二の主人公のような役柄だと思いますね。
池田さんは戦隊の先輩という印象
――お二人は以前から面識はあったのでしょうか?
岐洲:まったくないです。
池田:今回の作品で初めてお会いしました。
――お会いしてみて、お互いの印象はいかがでしょうか?
岐洲:僕の場合は『シンケンジャー』から知っていたので。
池田:僕、『ゴーカイジャー』(笑)。
岐洲: 『ゴーカイジャー』だ! 間違えちゃった(苦笑)。なので、この業界に入る前から知っていたんです。だから戦隊の先輩という印象があります。ビジュアル撮影の時に初めてお会いしたのですが、ご本人の時と役の時で、オーラというか目のギラつきがまったく違ったのでびっくりしました。
池田:普段がボケーッとしているだけだよ(笑)。
岐洲:いやいや。ダンスレッスンにもいらしてくださって、アドリブでいきなり先生と2人でコンテンポラリーダンスを見せてくださったんですけど、本当にカッコよくて。普段の自分だったら絶対に無理だと思うんですけど、その時は「僕もやりたい!」って思いました。
池田:嬉しい!
岐洲:カッコよくて美しいなと思って。僕も、同じように美しく踊りたいなと思いましたね。
池田:岐洲くんは、顔も体も僕より圧倒的にカッコいいので大丈夫!
岐洲:いや僕、体ガチガチなんで(笑)。
――池田さんは、実際に岐洲さんにお会いされてみて印象が変わったところはありましたか?
池田:僕ももちろん『キュウレンジャー』の時から知っていましたし、他の出演作をいくつか観たこともあったので。今はまだビジュアル撮影や読み合わせをした段階なので(取材時)、あまりパーソナルな部分を知れていないのですが、これからいろいろと知っていきたいですね。