水田航生インタビュー ロック☆オペラ『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー ~The Pandemonium Rock Show~』「お客さまの反応を生で感じたとき、役者をやっていてよかったと思う」
2021年9月18日(土)より東京・日本青年館ホールを皮切りに、ロック☆オペラ『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー ~The Pandemonium Rock Show~』が上演されます。
舞台の始まりは1966年、ザ・ビートルズの来日に沸いていた日本。ロックの魅力を知った主人公・楠瀬涼は音楽にどんどんのめり込んでいき、やがてロックバンド「THE REASON」を結成します。若者から熱狂的な支持を受ける人気バンドになっていく中で、友情や恋を育み、激動の時代を生き抜いていく、そんな姿を音楽と共に描き出すロック☆オペラ作品です。
作・作詞・楽曲プロデュースは作詞界のレジェンドと呼ばれる森雪之丞さん、演出は河原雅彦さん、音楽は亀田誠治さんといった豪華クリエイター陣が作品を手がけます。出演者には楠瀬涼役の中山優馬さんをはじめ、桜井玲香さん、汐崎アイルさん、小松利昌さん、山岸門人さん、野口かおるさん、大堀こういちさん、玉置成実さん、浜中文一さんなど個性あふれる出演者がそろいました。
今回お話をうかがったのは、楠瀬涼が結成するロックバンド「THE REASON」のリーダー・山下勝也役を演じる水田航生さん。
出演が決まったときの気持ち、共演者や楽曲の印象などについて、たっぷりと語っていただきました。 役者としてやりがいを感じる瞬間や尊敬する役者の先輩についてもうかがっているのでお楽しみに。
いろんなご縁を感じながら、作品に向かっていけることがうれしい
――まず、本作への出演が決まったときの気持ちからおうかがいできますか。
森雪之丞さんにもう一度呼んでいただけて光栄だなというのが、最初の気持ちでしたね。また、クリエイターのみなさんや亀田誠治さんとは前に映画でご一緒したことがあったのでこうしてもう一度ご縁ができたこと、さらにずっとご一緒してみたかった演出の河原雅彦さんとこうして作品に向かっていけることがうれしかったです。
――クリエイターの方々との再会と、新しい出会いが水田さんにとっては大きかったのですね。
はい、最初はそうでした。もちろんそこから初めて一緒にお芝居する方であったり、もう一度舞台上で出会えた方であったりと共演者の方に対してもそうですが、いろんなご縁を感じました。
「雪之丞さんが生きた青春時代の思いの丈が詰まっている」
――本作は、昭和の音楽界を舞台に激動の時代を生き抜いていく若者たちを描いていますが、台本を読んだ印象はいかがでしたか。
初めに台本を読んだときは、雪之丞さんのロック愛といいますか、音楽に精通されている方なので、雪之丞さんが生きた青春時代の思いの丈が詰まっているなという印象でした。
――雪之丞さんの思いが、台本を通して伝わってきたという感じでしょうか?
そうですね。前回ミュージカル『怪人と探偵』でご一緒したとき、よく食事に連れて行ってもらって、お話をたくさんうかがったのですが、ロック史や音楽史みたいなことも教えてくださって。とても熱く語っていらっしゃった姿を思い出しました。
昭和ならではの熱量の多さに、とても衝撃を受けた
――昭和時代といっても、水田さんは実際にご経験されているわけではないので、イメージが湧きづらかったのでは?
はい。まだ生まれていないので、体験はもちろんしていないです。なので、いっぱい調べました。もちろん雪之丞さんには及ばないですが、その時代の映像が今も多く残っているので、たくさん見ましたね。実は自分自身ビートルズにあまり詳しくなかったので、そもそもビートルズはどんなバンドだったのか、ビートルズが流行っていたときの日本がどういう時代だったのか、ドキュメンタリー映画などをいろいろ見て調べました。
――実際に調べてみて、どんな印象でしたか?
もう、衝撃を受けました。グループ・サウンズなど全く知らなかったので、当時の映像を見たり、流行っていた歌を調べたりして、言葉を選ばずに言うと……異様な光景といいますか(笑)。
熱狂しすぎて人が倒れたり、失神したりすることって、今の若者たちではあまり考えられないですよね? 僕たちの世代の青春時代も、もちろん熱狂したことはあるけれども、あの熱量というのはあの時代にしかなかったのではないかなと思いました。
――確かに、あの時代ならではの熱狂という感じですよね。
ちょっと常軌逸していますもんね(笑)。