赤澤遼太郎×三井淳平インタビュー 演劇調異譚「xxxHOLiC」 -續・再- 「感謝をしてしっかりと物語を届けたい」（後編）
2025年1月24日（金）より東京・シアターH、2月14日（金）より大阪・ＳｋｙシアターＭＢＳにて、演劇調異譚「xxxHOLiC」 -續・再-が上演されます。
人気創作集団CLAMPによる、シリーズ累計発行部数1,450万部を突破した大ヒット作品『xxxHOLiC』。
2003 年から『ヤングマガジン』（講談社）にて連載され、劇場版アニメーションやTVアニメーション、実写ドラマなど様々なメディアミックスを展開する人気作品が、2021年に演劇調異譚「xxxHOLiC」としてオールメイルで舞台化し、新たな人気を博しました。
本作は2023年上演の演劇調異譚「xxxHOLiC」 -續-の再演となり、前作まで同様にキャストはオールメイル、演出の松崎史也さん、脚本の畑 雅文さんが引き続き『xxxHOLiC』の世界を再び艶やかに彩ります。
キャストには壱原侑子 役の太田基裕さんと四月一日君尋 役の阪本奨悟さんを筆頭に、百目鬼静 役の松島勇之介さん、九軒ひまわり 役の赤澤遼太郎さん、座敷童 役の櫻井圭登さん、雨童女 役の大平峻也さん、猫娘 役の三井淳平さん、そして女形指導で座組を支える花組芝居の加納幸和さんが佳朱弥 役で続投します。
THEATER GIRLは、九軒ひまわり 役の赤澤遼太郎さんと猫娘 役の三井淳平さんにインタビュー。後編では、カンパニーの雰囲気やお互いにリスペクトしているところ、本作にちなみ“お互いの願い”を叶えてあげるとしたら……！？など、たっぷりとうかがいました。
本作は「“大人”なカンパニー」
――カンパニーとしては、今まで上演を重ねられてさらに絆も深まりましたか？
三井：雰囲気がすごくいいですよね。
赤澤：大人だよね。わちゃわちゃしている訳でもなく、 太田さんが作り出す雰囲気にそれぞれが持ち寄ったものを表現するような。 このホリ譚みたいに、絡み合った糸が舞台上でバーンとスパークするようなイメージがあります。
三井：そうですね。演出の（松崎）史也さんとお話しした時に「本当にやりやすいカンパニー」と仰っていたのが印象深くて。史也さんとしても信頼のおける役者が集まっている作品なんだと感じました。前作も、稽古中盤ではもう完成していて、そこからの数週間はひたすらにブラッシュアップする期間を作れていたので、本当にすごいカンパニーだと思います。
赤澤：侑子さんと四月一日は歌うシーンがありますが、どちらかというと居ずまいで見せる作品だと思うので。その繊細な部分を何度も通し稽古をして、稽古場で一周できた作品だと感じています。
――先ほど三井さんが赤澤さんを尊敬しているというお話もありましたが、お二人は年齢も近いですし、大学も同じなんですよね。
赤澤：そうなんですよ。実は同じ大学なんです。
――在学中はお知り合いではなかったんですか？
三井：はい、勉強不足でしたね。僕も役者を始めてから、同じ大学だってことがわかったので。
赤澤：人数が多いからね。
三井：でも話すと、「あそこにああいうのあったよね」とか、いろいろと共通の話題がありました。
赤澤：お互いに友達はいなかったですけどね（笑）。
三井：やっぱりたくさん通える人たちで集まるので、クラスの友達はいないよねって（笑）。お互い在学中から役者の仕事を始めて、両立しながらの学生生活だったので、共通する部分が多かったですね。
――逆に赤澤さんから見て三井さんのリスペクトできる部分はどんなところでしょうか。
赤澤：たくさんあるけど、やっぱりホリ譚で言えばボディメイクは三井淳平の右に出るものはいないと思います。もう猫娘そのものでしかないし。そのストイックさは本当に素晴らしいので、僕も見習いたいですね。
三井：照れますね。
三井：でも、今までそういう役柄はやったことがなかったので、やっぱり怖くなっちゃう部分もあります。 ただ、今回は自分ができることと猫娘のいいところの塩梅を取っていければと思うので。健康的にベストを見せたいと思っています。僕が遼太郎くんの尊敬するところはですね……
赤澤：なんか恥ずかしいな（照）。
三井：ひまわりちゃんに限らずなんですけど、カメレオンだなって。カメレオン俳優がここにいます！
赤澤：なんなんそれ。やめてやめて（笑）。
三井：この二年間、遼太郎くんの作品をいろいろと観させていただいたんですが、 どれも元々遼太郎くんが持っている性質とは違う役柄が多くて。元気な後輩っぽい役だったり、寡黙なムキムキマッチョな役だったり、さらにひまわりちゃんもいますし。でも、どの役を演じている遼太郎くんを見ても、そのキャラクターたる説得力があるというか。本当にそのキャラクターがそこにいると思うようなお芝居をしていて。そう思えるって本当にすごいことだと思うし、自分もそういう役者になりたいと思っているので。それを肌で感じた役者が遼太郎くんでした。
赤澤：いや～嬉しい！ でも、僕も淳平に同じことを思いますけどね。
それぞれの願いを叶えるとしたら……！？
――本作にちなみまして、もし“お互いの願い”を叶えてあげるとしたらどんなことをしてあげたいですか。
赤澤：意外にわからないかも。淳平何してほしい？
三井：そしたら、一緒に観劇したい…！
赤澤：いいね！ 可愛いね。
三井：つい先日、母校から届いたパンフレットを見ていたら学生がプロデュースしているシェイクスピアの団体を見つけたんです。その団体が毎年企画しているメインの公演があって。学生が演出から出演、衣裳や照明まですべて担当するんです。
赤澤：あっ！ その団体、一年のときに入ろうか悩んだ！ まだ芸能活動を始める前だったから。
三井：本当ですか！ 僕はその団体を最近知ったんですけど、本当にすごいなと思って。演劇に携わる人間としてすごく気になったので、この間公演を観に行ったんです。
赤澤：えっ！ 行ったの？ どーだった？
三井：演劇の尊さを再認識できました。ただ、もちろん誘える友達もいないので（苦笑）。大学の友達はいないし、役者の友達をうちの母校に呼ぶのも……って感じだし。でも、遼太郎くんが同じ大学出身だから誘おうかめちゃくちゃ悩んだんです。
赤澤：言ってくれればよかったのに！
三井：大きな作品が終わったばかりだったので、きっと疲れてるだろうなと思って。また次回声を掛けようと思って一人で観に行きました。でも、 まさかその団体に入ろうとしていたなんて。しかも、ちょうど僕が大学に行った数日後に、遼太郎くんが「大学にたまたま寄りました」ってポストをしていたんですよ。めちゃくちゃ縁があるなって。
赤澤：えっ、あの時？ なら観にいけたじゃん！
三井：とはいってもお仕事が忙しい時期だったと思うので。大学の作品に限らず、今度一緒に何か観劇できたらうれしいです！
赤澤：行きたいね！
三井：お芝居の話を遼太郎くんとしたいなって。遼太郎くんってお芝居はもちろん、お仕事が大好きだから。そういえば、遼太郎くんにおすすめしてもらったアニメ作品も全話観たなぁ。すごく面白くてまだまだ知らない世界がたくさんあるんだなって。もっと勉強したいので、遼太郎くんがオススメの映画でもアニメでも演劇でもなんでもいいので、いろいろ観られたらすごく幸せですね。
赤澤：僕は、今言ってくれたことを全部してあげたいです。この話を聞いてしまったら全てを叶えるために全力を出します！
――逆に赤澤さんは三井さんに何をしてほしいですか？
赤澤：淳平に何をしてほしいか……？ やっぱり誘ってほしいかな。自分が先輩になって後輩ができてくると、誘われるのが嬉しいなって純粋に思うんですよ。僕は先輩に対しては「やっぱり忙しそうだし」と、いろんな逡巡があるのですが、いざ後輩から来てもらえると本当に嬉しいので。なんとしても「叶えてあげたい」って方向にベクトルが向くので、どんどん誘ってほしいですね。
三井：嬉しい…(照) ここから同じ作品に突入しますからね。一緒に過ごす時間が楽しみです。
――では、最後に本作を楽しみにされている皆様へメッセージをお願いします。
三井：今回再演できることが決まって、お客様も本当に楽しみにしてくださっていると思います。僕たち役者、スタッフ、クリエイター陣にとってもずっと心待ちにしていた夢の作品なので、一つ一つ丁寧に創っていきたいです。大阪公演もあるので全て届け切りたいです。この作品をきっかけに、心が洗われたり改めて人を思う心を持っていただけると思いますし、舞台芸術としてもとても煌びやかな世界観なので、「すごい！」と感動できるような作品をまた創り上げていけたら。僕も新年一発目がこの作品になるので、いいスタートが切れるよう真摯に努めますので、楽しみにしていてください。
赤澤：再演できることが決まりとてもうれしい気持ちでいっぱいです。個人的にひまわりちゃんは今まで自分が演じた中で圧倒的に難しい役柄なので、こうやって3作品アプローチすることができて嬉しいです。ひまわりちゃんの肝となるシーンは、今思い返しただけでも緊張感がありますし、より繊細に大事に演じていきたいと思います。喋る言葉、助詞一つ、その一文字一文字に情感を込めることで『xxxHOLiC』の世界観をより摩訶不思議に、いろんな人の解釈が幾重にも積み重なる作品にできると思うので、太田さんと阪本さんを支えられるようなお芝居を今回もしていけたらと思います。ぜひ“ミセ”に遊びに来てもらえたら嬉しいです。
取材・文：THEATER GIRL編集部
撮影：遥南 碧
【赤澤遼太郎】
ヘアメイク：鈴木りさ
スタイリスト：西川志都(Tatanca)
衣装：
ジャケット/¥9,900/Casper John/Sian PR
パンツ/¥5,940/Casper John/Sian PR
※その他スタイリスト私物
【三井淳平】
ヘアメイク：鈴木りさ
スタイリスト：ホカリキュウ
公演概要
演劇調異譚「xxxHOLiC」 -續・再-
＜期間・劇場＞
【東京公演】2025年1月24日（金）～2月9日（日） シアターH
【大阪公演】2025年2月14日（金）～2月16日（日） ＳｋｙシアターＭＢＳ
＜企画＞大川七瀬 松田 誠
＜原作＞CLAMP『xxxHOLiC』（講談社）
＜演出＞松崎史也
＜脚本＞畑 雅文
＜出演＞
壱原侑子 役：太田基裕 四月一日君尋 役：阪本奨悟
百目鬼静 役：松島勇之介
九軒ひまわり 役：赤澤遼太郎
マルダシ 役：平松杏蓮 シモン イヴァノフ（Wキャスト）
モロダシ 役：トレン 黒岩紘翔（Wキャスト）
座敷童 役：櫻井圭登
雨童女 役：大平峻也
猫娘 役：三井淳平
佳朱弥 役：加納幸和（花組芝居）
橋本有一郎 木村和磨 山﨑竜之介 鶴岡政希 佐藤康道 原 周石
＜協力＞一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会
＜協賛＞ローソンチケット
＜主催＞ネルケプランニング
＜チケット料金＞10,500円（全席指定／税込）
サイドシート：10,500円（全席指定／税込）
＜チケットに関するお問い合わせ＞Mitt TEL：03-6265-3201（平日12:00～17:00）
＜公演に関するお問い合わせ＞ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/contact/
◆公式サイト https://engeki-xxxholic.com
◆公式Ｘ https://x.com/engeki_xxxHOLiC
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD.／講談社
©Nelke Planning co.,ltd.
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