• HOME
  • topic
  • INTERVIEW
  • 平埜生成×松岡広大インタビュー 『たもつん』「笑って少し目頭が熱くなって、ほっこりするような作品」(前編)

平埜生成×松岡広大インタビュー 『たもつん』「笑って少し目頭が熱くなって、ほっこりするような作品」(前編)

INTERVIEW

2025年5月14日(水)~18日(日)にIMM THEATERにて、朗読劇『たもつん』が上演されます。

第40回向田邦子賞、ギャラクシー賞などを受賞し、NHK連続テレビ小説『虎に翼』の脚本でますます注目を集める脚本家・吉田恵里香氏が、2015年にFMヨコハマ連続ラジオドラマとして書き下ろし、その後オンライン朗読劇として配信されるなど、常に話題を集めてきた“ちょいダメ男”たちのくすっと笑えて、くすっと泣ける、友情コメディ。

脚本はもちろん、吉田恵里香氏が担当。今回の朗読劇用に自ら一部リライトし、物語により一層奥行きを持たせます。演出は、長年、劇団プレステージのリーダーとして、出演・作・演出を手掛け、退団後も俳優業のみならず、近年では Netfiix シリーズ「忍びの家 House of Ninjas」では原案・出演や、ドラマ 24「錦糸町パラダイス~渋谷から一本~」では、原案・企画、脚本、プロデューサー、出演も務めるなど、多彩な活動を続ける今井隆文氏が担当します。

キャストには、ユーキチ役に千葉雄大さん、平埜生成さん、渡邊圭祐さん、しゅうまい役に平埜生成さん、八村倫太郎さん(WATWING)、松岡広大さん、ヤベ先輩役に落合モトキさん、土佐和成さん、浜野謙太さんといった個性豊かで、確かな演技力を誇る俳優たちが3名ずつ入れ替わりで出演。さらに渡邉美穂、演出も担当する今井隆文が全日程出演します。

THEATER GIRLは、平埜生成さんと松岡広大さんにインタビュー。前編では、初の朗読劇に挑むお気持ちや12年ぶりの共演で感じること、役柄の印象についてうかがいました。

インタビュー後編はこちら

「こんなに大変なんだ」と、びっくりしている

平埜:僕は昨日もう一つのチームの稽古をしたのですが、本当に新鮮でこんなにも大変なんだと思いました。勝手なイメージで、朗読劇は稽古も短いし、本も読みながらできるので簡単なのかなと思っていたのですが、実際に稽古をしてみると「こんなに大変なんだ!」と、びっくりしています。

松岡:そんなに大変なんですか……!?

平埜:やっぱり時間が少ないということが大きいですね。これまで物理的に稽古をしてから本番に臨むというスタンスで生きてきたので、稽古時間が短い中で、やることを一気に詰め込んで、それを自分の中で整理して本番に臨まなければならないので、まるでジェットコースターのようです。朗読劇をやっている人たちを心から尊敬しますし、本当にすごいと思います。

平埜:こんなこと言われたら、確かにビビるよね。

松岡:はい、ビビります。昨日稽古をしていた方に「こんなに大変なんだ」と言われたら(笑)。

平埜:ごめんごめん(笑)。

松岡:でも、非常に楽しみです。僕の朗読劇のイメージとしては、スタンドマイクがあって、それに向かって喋って、照明や立ち位置が変わるだけで、動きとしてはとてもシンプルなものなので。ただ、演じている人と声、場合によってはプロジェクションマッピングのような演出がある場合もありますが今回は、朗読劇と考えるのは一旦やめようと思います。

松岡:そうですね。何よりも会話を楽しみたいと思っています。

平埜:正直わからないんです。僕も初めての朗読劇なので、他と比べることができないので。でも、感覚的には「稽古劇」のような感じだと思っています。

平埜:そうですね。そういう意味では、とても新感覚なものになると思います。これまで朗読劇をたくさんご覧になってきた方も、あまり観たことのない朗読劇になるのではないでしょうか。朗読劇によくあることなのかわかりませんが、読みながら客席に降りたりもしますし、少し新感覚なものになるとは思いますね。

平埜:観たことのない朗読劇になるのは間違いないと思っています。

松岡:そうなんですね!

12年ぶりの共演で感じることとは

平埜:12年ぶりです! 当時は、僕が20歳でしたから。

松岡:そうです。僕が15歳の頃です。

平埜:今、何歳になったの?

松岡:今年28歳になります。あの時は15歳で初舞台でしたから。

平埜:あの頃は、すごくキャピキャピ、キラキラしていたよね。

松岡:そうでしたか? でも、たしかにそうだったと思います(笑)。

平埜:15歳と27歳では違うよね。

松岡:全く違います!

松岡:15歳から見た20歳って、ちょっと怖いんですよ。

平埜:確かに僕、20歳で最年長だったんです。だからまとめなきゃという意識もあったので、怖かったと言われると確かにそうだったかもしれません。自分でもみんなをまとめられるのは僕しかいないという意識があったので。

平埜:そうかもしれません。それまでは自分が最年少だったのに、急に20歳で最年長になったので、確かにそういう部分があったと思います。

松岡:すごくソワソワしますね。だから稽古がドキドキします。恥ずかしさがあるというか……。

平埜:あるんだ?

松岡:あります! 不思議な気持ちです。もちろんすごくうれしい気持ちもありますが、緊張もしていて。昨日台本を読んでいて、同級生の役だし、これをきな兄が読むんだと思うと面白いなと思って。今日が楽しみだなと思って寝たのですが、朝起きたらすごく緊張していて。

あれから長い時間が経って、15歳のときにどんな風に接していたかを思い出そうとしたんですよ。10代の頃を振り返ってみると、すごく失礼な態度だったかもしれないと思って、合わせる顔がないかもなと思ってしまって。

平埜:自分が年をとったんだなと感じます。確かに15歳にとっての20歳もそうですし、27歳にとっての32歳も緊張しますよね。でも、こっちは全く何とも思っていないし、むしろ安心しています。

昨日も演出の今井(隆文)さんが僕の以前所属していた劇団の先輩だったので、これまでの人生で一番緊張しなかったんです。普通は顔合わせや本読みは緊張するのですが、全く緊張しなくて。今井さんもいるし、千葉(雄大)くんとも共演したことがあるので安心したし。今日も今井さんがいて広大もいるし。土佐さんとは初めてですが、全く緊張していないですね。

平埜:そうですね。だから12年ぶりということもあまり考えなくなっていました。

松岡:芝居をすることに関しては、多分その数字に驚いているだけかもしれません。自分でそれを大きくしているだけかもしれないなと。

平埜:でも本当に年をとったなと思います。10年を長いと取るか、短いと取るかという話ですよね。年を重ねるほど、10年前がこの間のように感じられるというか。20代くらいだと、10年前というと長く感じると思うし。なので、久しぶりの共演ですがそこまで久々感は感じていないです。でも広大の変化はわかるので、10年の間にいろいろあったんだなということは感じます。

平埜:僕はシュウマイとユーキチの2役を日替わりで演じさせていただくのですが、個人的にはユーキチの方が人間性としては近いと感じています。彼はとても真面目で、観葉植物のレンタルの営業をしていて。営業のために友達に近づいてしまう弱さがありますが、悩みながらも、巻き込まれる形で少しずつ自分の中で新たな答えを見出していく姿は、自分の人生と重なる部分があります。

平埜:そうですね。

松岡:シュウマイはバツイチで、欲のままに生きている人物です。したいことをして、飄々とフラッと歩いているような人間だと思います。しかしどこかそれにも飽きがきていて、寂しさを抱えた人間なのかもしれませんし、空気が読めないというのも、それなりの理由があるのだと思います。

人間の癖や特徴というのは、その人がある環境で生き延びるために作った人格でもありますから、どこまで空気を読めなくしようかなと。「空気が読めない」の定義や幅について考えながら、楽しんで役作りをしたいです。僕はどちらかというと今までは硬い役が多かったのですが、現代を生きている人間を演劇で演じるのは初めてなので、今までにやったことのないような役だと思います。

松岡:見ていただけたらうれしいですね。

取材・文:THEATER GIRL編集部

インタビュー後編はこちら

公演概要

朗読劇『たもつん』

脚本:吉田恵里香
演出:今井隆文

出演:
落合モトキ、千葉雄大、土佐和成、八村倫太郎(WATWING)、浜野謙太、平埜生成、松岡広大、渡邊圭祐
(※50 音順)

[全日程出演]渡邉美穂/今井隆文

日程:2025年5月14日(水)~18日(日)
5月14日(水) 19:00 千葉雄大、平埜生成、浜野謙太
5月15日(木) 19:00 平埜生成、松岡広大、土佐和成
5月16日(金) 14:00 渡邊圭祐、八村倫太郎、落合モトキ
19:00 渡邊圭祐、八村倫太郎、落合モトキ
5月17日(土) 11:00 平埜生成、松岡広大、土佐和成
15:00 渡邊圭祐、八村倫太郎、落合モトキ
19:00 平埜生成、松岡広大、土佐和成
5月18日(日) 13:00 千葉雄大、平埜生成、浜野謙太
17:00 千葉雄大、平埜生成、浜野謙太

[全日程出演]渡邉美穂/今井隆文
※配役の詳細はHPをご確認ください。

会場:IMM THEATER

チケット:全席指定/未就学児入場不可
¥7,800(税込)

公式サイト:https://tamotsun2025.com/
公式X:@tamotsun2025

公演事務局:0570-200-114(12:00~17:00 土日祝休業)
主催・企画・製作:サンライズプロモーション大阪

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧