井上瑞稀(KEY TO LIT)インタビュー 『W3 ワンダースリー 』「未来について考えるきっかけになれば」(前編)

2025年6月7日(土)より東京・THEATER MILANO-Zaを皮切りに、舞台『W3 ワンダースリー』が上演されます。
原作「W3(ワンダースリー)」は、1965年~1966年まで「週刊少年サンデー」に連載された漫画で、手塚治虫氏の目を通して、地球の偵察に来た3人の宇宙人たちと少年星真一が、未来のためにできることは何かを考えさせてくれる作品。
この日本が世界に誇るマンガの神様・手塚治虫氏の名作を、若手ながらも数々の演出家から絶大な信頼を得ている福田響志氏の脚本、ミュージカル、ストレートプレイ、ノンバーバルパフォーマンスまで幅広く演出を手掛け東京2020 パラリンピック開会式の演出でも世界的に注目を集めたウォーリー木下氏の演出、ストレートプレイの音楽からミュージルの作曲まで多彩な活動で知られる和田俊輔氏の音楽で舞台化されます。
主人公・星真一役はKEY TO LITのメンバーで映画やドラマ・舞台などで幅広い活躍を魅せる井上瑞稀さん、主人公の兄・星光一役には平間壮一さん、地球の調査にきたワンダースリーのプッコ役に永田崇人さん、ボッコ役に松田るかさん、ノッコ役に相葉裕樹さん、星兄弟の母役に彩吹真央さん、星商店の土地を買収しようとするハム・エッグ役に中村まことさん、そしてランプ役に成河さんといった作品の世界観に深みを与える実力派キャストが揃いました。
THEATER GIRLは、主演の井上瑞稀さんにインタビュー。前編では、本作に出演が決まった時のお気持ちや演出を務めるウォーリー木下さんとのエピソード、共演者の方々の印象など、たっぷりとお話をうかがいました。
いい意味でフラットに受け止められた
――本作への出演が決まったときはどんなお気持ちでしたか。
最初は、舞台に出演が決まったとだけ聞いていたので、正直ふわっとした感覚でした。でも、実際に素晴らしい共演者の方々や規模感を知って、びっくりしました。最初にあまり詳しい情報がなかった分、いい意味でフラットに受け止められましたね。
――手塚治虫さんの原作、そしてウォーリー木下さんの演出という点も、当初は知らなかったのでしょうか?
はい。後から聞いて、すごくありがたいことだなと実感しましたし、ワクワク感も一気に高まりました。
――ストーリーや台本を読んでみての印象はいかがでしたか?
台本を読んだときは、難しい題材だなと思いました。でも、どう舞台化されるのか想像がつかなくて、逆にワクワクしました。
――ちなみに井上さんはセリフ覚えは得意な方でしょうか?
正直、全く得意じゃないです。寝る前にたくさん読んで覚えるタイプです。
等身大に近いので演じやすそう
――今回演じられる星 真一役について、ご自身との共通点はありますか?
多くを語らない性格が自分と似ている気がします。今回は原作よりもおとなしい性格に変わっていたので、もしかしたら自分に寄せていただいたのかもしれません。
――今回演じる星 真一は24歳という設定ですが、ご自身と同じ年齢ですよね。
そうですね。等身大に近いので演じやすそうです。
――星 真一は漫画を描くことが好きなキャラクターですが、井上さんご自身も漫画はお好きですか?
大好きです。最初に読んだのは『SLAM DUNK』で、家に全巻揃っていました。父がバスケをやっていたので自然と読んでましたね。好きなキャラクターは三井(寿)です。
――実際に三井を演じてみたいと思いますか?
いや、それは恐れ多いです(笑)。

『ルーザーヴィル』以来の再タッグ
――演出のウォーリー木下さんとは、青春 POP ROCK『ルーザーヴィル』でもご一緒されていますが、印象に残っているエピソードはありますか?
前回は、お芝居についてたくさんアドバイスをいただきました。「相手のセリフをちゃんと聞く」という基本的なことが、とても大切なことだと気づかせてくれて、今回はさらに深くいろいろなことを教えていただけたらと思っています。
――そのアドバイスで、演技に変化はありましたか?
大きく変わったかどうかはわかりませんが、共演者の方々にとっては、きっとやりやすくなったのではないかと思います。今まですごい方たちと共演させてもらっていて、気づかずにいたと思うので。
以前は、相手のセリフを受けてから自分の言葉を発するというプロセスを飛ばしがちだったので、今はしっかりと受け止めることを意識しています。
――人見知りだとご自身でもおっしゃっていますが、以前ご一緒したウォーリーさんが演出されることで安心感はありますか?
それは大きいですね。知っている方がいるだけで、すごく安心できるので。
――ウォーリーさんの演出で、特に印象に残っているものはありますか?
映像を使った演出がすごいと思いました。存在しないものを「あるように見せる」力があって、今回の舞台でも宇宙人が出てくるので、どんな表現になるのか楽しみです。
平間壮一さんは「まさにお兄ちゃん」
――星 光一役の平間壮一さんの印象についても聞かせてください。
本当に優しくて、まさに「お兄ちゃん」という感じです。頼りがいがあるので、後ろに隠れてついていきたいですね(笑)。
――今回の共演者で、特に気になる方はいらっしゃいますか?
永田崇人くんです。ドラマ『ガンニバル』に出演されていたのですが、すごく面白い作品だったので、個人的に注目しています。
取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:梁瀬玉実
ヘアメイク:浅津陽介
スタイリスト:小林洋治郎
デニムジャケット/ ¥38500- / DIGAWEL
シャツ / ¥29700- / SEUVAS
問い合わせ先:
DIGAWEL 1
〒153-0051
東京都目黒区上目黒2-30-7石崎足立ビル 1F
TEL: 03-5722-3392
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公演概要
『W3 ワンダースリー 』
原作: 手塚治虫 「W3(ワンダースリー)」
脚本・作詞: 福田響志
演出・上演台本・作詞: ウォーリー木下
音楽・作詞: 和田俊輔
出演:
井上瑞稀 平間壮一/永田崇人 松田るか 相葉裕樹
彩吹真央 中村まこと/成河 ほか
公演時期:
[東京] 2025年6月7日(土)~29日(日) THEATER MILANO-Za
[兵庫]2025年7月4日(金)~6日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
主催: [東京] フジテレビジョン、ミックスゾーン、キューブ、シーエイティプロデュース
[兵庫] 兵庫県、兵庫県立芸術文化センター
制作協力: 手塚プロダクション
製作: フジテレビジョン、ミックスゾーン、キューブ、シーエイティプロデュース
企画: シーエイティプロデュース
公式サイト: https://w3-stage.com/
公式X: @w3_stage