武田玲奈インタビュー『華岡青洲の妻』「新しい「正解」を自分なりに導き出せたら」（後編）

2025.07.23

INTERVIEW

2025年8月1日（金）より新橋演舞場にて、「華岡青洲の妻」が上演されます。紀州の町医者・華岡青洲のもとへ嫁いだ娘が、夫をめぐる姑との確執を繰り返しながら、たくましい女へ成長していく姿を描きます。

大竹しのぶさんが主演を務め、共演に、田中哲司さん、波乃久里子さん（※南座公演では小野洋子さんが代役）、田畑智子さん、武田玲奈さんら豪華キャストが揃いました。

THEATER GIRLは、小陸役の武田玲奈さんにインタビュー。後編では、ターニングポイントとなった舞台作品や地方公演で楽しみにしていること、本作の上演時期である夏の楽しみ方などをうかがいました。

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ターニングポイントになった舞台作品とは

――武田さんは定期的に舞台に出演されていますが、舞台作品の中でターニングポイントになったものや、特に印象深い役柄はありますか？

最初に出演したのは、高校を卒業した頃の『四谷怪談』でした。当時はほとんどお芝居の経験がなく、たまたまオーディションに受かって出演することになったんです。無我夢中で演じていたのですが、周りの方から「楽しそうだね」と声をかけてもらい、「私、楽しいのかもしれない」と気づきました。それをきっかけに、楽しみながらお芝居に取り組めるようになりました。

――最初から「楽しい」と感じることはなかなかないですよね。

確かにそうだと思います。当時は共演者の皆さんが本当にお兄さんやお姉さんのような方ばかりで、とても優しくしてくださったんです。妹や娘のように接してもらえたのは、とてもありがたかったと感じています。

――これから年齢を重ねる中で「こういう俳優になりたい」といった目指すイメージ像はありますか。

まずは充実した人生を送りたいと思っています。その上で何をするかはまだ迷っているところもありますが、自分に合うものを探しながら仕事を続けていけたらいいなと。いろいろな形を模索しながら進んでいきたいです。

――舞台には年に1回ほどのペースで出演されていますが、その際に大切にしていることや、作品を選ぶときに意識していることはありますか？

特にこれと決めているものはないですが、やはり「出会い」やタイミング、ご縁を大切にしています。

――舞台に出演するにあたって、普段から心がけていることや信念のようなものはありますか？

舞台だからといって特別に変わることはないのですが、映像とは違い、つま先から頭のてっぺんまでずっと見られているので、そこは気を付けなければと思っています。舞台に出ている間は気を抜けないですね。

――舞台に立たれているときは、どのような感情で役に臨まれているのでしょうか？

無心ですね。何かを考えてしまうとそちらに引っ張られてしまうので、例えば噛んでしまっても、それを引きずらないように忘れるようにしています。なるべく何も考えないように心がけています。

――客席の反応などは気になる方ですか？

あまり気にしないようにしていますし、客席もあまり見られないですね。コメディの時も、「ここで笑いが起きるんだ！」と思ったりもしますが、あまり深くは意識しないようにしています。

地方公演で楽しみにしていること

――地方公演の際に欠かせない持ち物や必ず用意するものはありますか？

いつもバタバタしていて忘れてしまうのですが、お香を持って行きたいと思っています。毎回忘れてしまうのですが、今回は持って行きたいですね。家では犬や猫がいて焚けないので、ホテルなどで焚きたいと思っています。

――地方公演に行くと気分が変わったり、リフレッシュできたりもするのでしょうか？

その土地の食べ物は必ず食べたいと思います。美味しいものを味わうのは楽しみの一つです。

――公演を重ねる中で、カンパニーの結束が深まることはありますか？

やっぱり深まると思います。今でも前作の女子メンバーで集まったりしているので、長い期間一緒にいると絆が深まりますね。舞台で仲良くなった方とは今でも交流があるので、絆が生まれやすいのだと思います。

――共演者や先輩・後輩からかけられた言葉で、特に印象に残っているものはありますか？

一つだけとても記憶に残っている言葉があります。少し前に共演した2つ年上くらいのお姉さんに、「玲奈ちゃんと出会ってから、すごくいい影響をもらっている」と言っていただいたのがとてもうれしくて。自分ではそんなつもりはなかったので驚きましたが、その言葉は強く印象に残っています。

――本作は、公演期間が7～8月の夏時期になりますが、武田さんが夏に楽しみにしていることはありますか？

今年の夏はもう舞台尽くしだなと思っていますが、来年の夏はダイビングをしたり旅行に行ったりもしたいなと思っています。

――武田さんは多趣味な印象がありますが、最近ハマっていることや気になっていることはありますか？

最近はゴルフをしたり、家ではラジオを聴いたり、ゲームをしたりすることが好きですね。好きなことが多いので時間が本当に足りないと感じています。

――最後に、本作を楽しみにされている皆様へメッセージをお願いします。

『華岡青洲の妻』はこれまで何度も映像化や舞台化され、多くの方に愛されてきた作品です。今回、新しいキャストの皆さまと共に取り組むことで、また新しい『華岡青洲の妻』が生まれるのではないかと、とてもワクワクしています。

私が演じる小陸という役も、新たな解釈で作っていきたいと思っています。過去の作品をリスペクトしつつ、今回ならではの舞台を皆さんと一緒に作り上げていけたらと思っているので、どうぞ楽しみにしていてください。

取材・文：THEATER GIRL編集部
撮影：野田涼

ワンピース¥48,400、ブラウス¥28,600/ベッド&ブレックファスト(グリードインターナショナル…info@greed.co.jp)
コードチョーカー¥49,500、シルバーネックレスチェーン¥36,300・チャーム¥22,000、左手のリング¥40,700、右手のシルバーリング¥34,650、ゴールドリング¥36,300/プリュイ(プリュイトウキョウ…03-6450-5777)

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