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伊藤あさひインタビュー 「OLD WATERCOLOR FISH」「“面白い”と思ってもらえる俳優になれたら」(後編)

INTERVIEW

2026年5月7日(木)より東京・紀伊國屋ホールを皮切りに、音楽劇「OLD WATERCOLOR FISH」が上演されます。

本作は作・演出の西田大輔さんが描く本格派ミステリ作品「ONLY SILVER FISH」シリーズの第5弾作品で完全新作となります。

主演を務めるのは、今回が舞台初主演となる伊藤あさひさん。共演には、丘山晴己さん、岡田奈々さん、吉原雅斗さん、鍵本輝さん、蘭乃はなさん、鈴木勝吾さんといったミュージカルやアーティストとしても活躍中のキャストが揃いました。

1890年代のフランスを舞台に、エミール・ベルナールやポール・ゴーギャンといった歴史上の偉大な画家達を演じ、ゴッホの死を止める為に過去にタイムリープする物語が音楽劇で届けられます。

THEATER GIRLは、主演の伊藤あさひさんにインタビュー。後編では、ミュージカルというジャンルと出会ったことで生まれた自身の変化や、作品ごとに感じている課題と成長、そして俳優として大切にしている価値観についてお話を伺いました。さらに、第一線で活躍するキャストとの共演で得た刺激や、これから目指していきたい俳優像にも迫ります。

インタビュー前編はこちら

少しずつ自分の大事な部分になっている感覚がある

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』をきっかけに、自分の中に新しく入ってきた感性、お仕事ではありますが、今では少しずつ自分の大事な部分になっている感覚があります。

これからも向き合い続けていきたいですし、もっと磨いていきたい分野だと感じています。

いえ、全くなかったです。特に『ロミオ&ジュリエット』のときは、手応えというよりも「役を全うした」という感覚が強かったので。

どの作品でもそうですが、毎回「一生懸命やり切った」と思う一方で、技術的に足りなかった部分や、次に演じたらどう変わるのかといった課題は常に感じています。

自分の中ではあくまで「全力で取り組んだ」という実感があるだけで、手応えを強く感じることはあまりありません。むしろ、観てくださった方からの感想をいただいて初めて、「ちゃんと届いていたんだ」と実感することが多いです。

そうですね。皆さんの言葉を通して、初めて実感できる部分が大きいです。

具体的な役やジャンルというよりも、これまで舞台を重ねてきた中で、一作品ごとに確実に成長があると感じていて。その積み重ねの中で、結果的にさまざまな役に出会っていけたらいいなと思っています。

「面白い」と思ってもらえる俳優になれたら

ミュージカルに出演させていただく機会をいただいたことで、逆にロールモデルのような存在はなくなった感覚があります。もちろん良い意味でですが、これまでとは違う道を歩み始めたことで、自分なりのスタイルを模索している段階です。

自分は映像作品を中心に活動してきた中でミュージカルに挑戦させていただいているので、その点はある意味自分だけの個性になっているのかもしれません。

そのような道を歩んでいるからこそ、「面白い」と思ってもらえる俳優になれたらいいなと感じています。今はまず、自分らしく自由に楽しみながら続けていきたいという思いが強いです。

正直、まだはっきりとは分かっていないのですが、自分の中で大事にしているテーマとして「みんなと同じことはしたくない」「型にはまりたくない」という思いがあります。

そういった意識は常にどこかにあって、自分にしかできない表現を作りたいという気持ちが強いです。その点は、一つの軸になっているのではないかと思います。

特に印象に残っているのはミュージカル作品への出演

少しずつ変化してきている実感はありますが、特に印象に残っているのはミュージカル作品への出演です。中でもミュージカル『エリザベート』では、第一線で活躍されている方々とご一緒できたことが、とても大きな経験でした。

終わってから振り返ると、本当に刺激的な日々だったと感じています。

一緒に過ごす時間も長かったですし、プライベートな場面でも多くのことを教えていただきました。言葉だけでなく、背中で学ばせていただいたことも多かったです。

稽古や本番の中で、「この方たちが今の舞台を支えているんだ」と実感する瞬間もありましたし、その中で自分もキャストの一人として立つ以上、「負けたくない」という気持ちも自然と芽生えて。ルドルフとしてしっかり存在したいという思いで臨んでいました。

先輩方から受けた刺激は本当に大きくて、とても濃い時間だったと感じています。

たくさんの刺激を受けましたが、僕自身Wキャストの方をライバルというよりは「同じ役を一緒に作る仲間」として捉えています。

同じ役でも全く同じ表現にはならないですし、それぞれの個性を大事にしながら役を作っていこうと話していたので。相手の良い部分を見て、「自分も取り入れてみよう」と思うこともありましたし、そうしたやり取りの中で役がより深まっていったように思います。

体と声の準備は欠かさないようにしています

特別なルーティンはあまりないのですが、稽古場ではグミをよく食べています。単純に好きなんです(笑)。噛みごたえのある食べ物が好きなので、自然と手が伸びてしまいます。

本番では、発声などのウォーミングアップはしっかり行っています。特別変わったことをしているわけではありませんが、体と声の準備は欠かさないようにしています。

初日も多少は緊張しますが、実は一番緊張するのはカーテンコールです。役として舞台に立っているときは集中しているので、あまり余計なことを考えずにいられるのですが、カーテンコールでは“自分”として舞台に立つことになるので。

その瞬間にふと我に返って、「どうやって人前に立てばいいんだろう」と感じてしまって、すごく緊張します。

この作品は、ご来場いただいた皆さんを温かく包み込むような物語になるのではないかと感じています。観終わったあとに、どこか心がほっとするような、そんな時間をお届けできると思います。

また音楽劇ということで、楽曲の美しさはもちろん、お芝居の中でさまざまな感情が自然と伝わっていくような作品になるのではないかなと思っています。直接的に訴えかけるというよりも、それぞれの心にそっと届くような魅力があると感じています。ぜひ、その世界観を楽しみにしていただけたらうれしいです。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:遥南 碧

インタビュー前編はこちら

公演概要

音楽劇「OLD WATERCOLOR FISH」

【出演】 伊藤あさひ 丘山晴己 岡田奈々 吉原雅斗 / 鍵本輝 蘭乃はな 鈴木勝吾

【作・演出】 西田大輔
【音楽】 藤澤ノリマサ 和田俊輔
【企画・製作】MMJ/DisGOONie

【公演日程】
2026年5月7日(木)〜17日(日)
場所:紀伊國屋ホール

【チケット情報】
入場料:全席指定¥12,000-(税込・全席指定・特典付き)
※特典はトレーディングカードと非売品ステッカーセット

【公式HP】 https://www.mmj-pro.co.jp/owf/
【X(旧Twitter) 】 @watercolor_fish @disgoonie

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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