• HOME
  • topic
  • INTERVIEW
  • 鈴木福インタビュー ミュージカル『カラフル』「キャラクターが異なる自分がやるからこその『ぼく』らしさを楽しんでほしい」(後編)

鈴木福インタビュー ミュージカル『カラフル』「キャラクターが異なる自分がやるからこその『ぼく』らしさを楽しんでほしい」(後編)

INTERVIEW

2023年7月22日(土)から、東京・世田谷パブリックシアターにて、ミュージカル『カラフル』が開幕します。

原作は、20年以上たった現在も多くの世代に愛される、直木賞作家・森絵都によるベストセラー小説「カラフル」。数々の海外ミュージカル演出を手がけ、オリジナルミュージカルの創作にも定評のある演出家・小林香さんが本作の脚本・作詞・演出を担当します。

大きな過ちを犯して死んだ主人公<ぼく>は、ガイド役の天使・プラプラに導かれて、自殺を図った「小林真」の体に乗り移り、再び生きることに。彼を取り巻くさまざまな問題に直面する中で、思春期ならではの大人に対する不信感、孤独感、恋愛や家族、将来への不安など、多くの悩みや葛藤と向き合い、成長していきます。「せたがやこどもプロジェクト 2023《ステージ編》」として、子どもも大人も楽しめる歌と踊りがたっぷりと盛り込まれた新作オリジナルミュージカルをお届けします。高校生以下は1,000円(当日要証明書提示)で観ることができます。

主人公<ぼく>を演じるのは、舞台『きっとこれもリハーサル』の好演も記憶に新しい鈴木福さん。また、主人公をさまざまな姿で導いていくプラプラを演じるのは、数々の名舞台に出演し、映像作品でも唯一無二の個性を発揮し続ける川平慈英さんです。

THEATER GIRLでは、<ぼく>を演じる鈴木福さんにインタビュー。後編では、作品を通じて現在の中高生に伝えたいことや本作への意気込みを中心に、ストーリーにちなんで、福さんが今とは違う人生に挑戦するとしたら何をしたいか、うかがってきました。

インタビュー前編はこちら

「今まで好きだったことはすべて仕事に関連していた」

――本作は<ぼく>が小林真という人生に再挑戦していくストーリーになりますが、もし福さんが今とは違う人生に挑戦するとしたら、どんなことをしたいですか?

それ、今まで何回も考えたことあるんですけど、まったく思い浮かばないんですよ。赤ちゃんモデルから始まり、生まれてからずっと芸能活動をしてきて、その人生の中で出会ってきたものたちを好きになって、自分の夢にもしてきて……。大好きな野球も、ドラマ出演で出会ったのがきっかけでした。

それでいうと、完全にパーソナルな部分で出会ったものは、食べ物しかなかったかもしれません。「ピザが好き」「卵かけご飯が好き」……。だから「そういうお店をやりたい」「料理人になりたい」なんて、小さいときは思っていたんですけどね。

でも、料理に関しても、初めて包丁握ったのは映画でイチゴを切るシーン。それを練習するところから、料理への興味は始まっていて。だから、いろいろと紐解いていくと、芸能活動をしていない自分は本当に真っ白なんですよね。その状態で、僕という人間がどういうふうに成長していくのか、まったく想像がつかないです。今までの分岐点はこの仕事があってのことだから、それを取っ払うと本当に別人格になると思います。

これまでも「この職業でなかったら、何をしていると思いますか?」と、質問いただく機会がよくあったのですが、今まで好きだったことはすべて仕事に関連していたんです。小さいときに「ピザ屋さんになりたい」と思ったのも、仮面ライダーが好きで、仮面ライダーになりたい、だからバイクに乗りたい。それなら「バイクに乗って配達できるピザ屋さんになりたい!」という発想からでした。

だから、仮面ライダーを切り離したときに、本当にピザ屋さんになりたかったのかと言われると……多分そうではなかったように思います(笑)。

――すべての物事が、芸能活動をしているご自身の視点なくしては考えられないのですね。

そうですね。たとえば、芸能活動を辞めたとしたら、「これをやってもいいかも?」と思えるものはあるかもしれないのですが、そもそも芸能活動をしていない自分が何をしているかと考えると、何も思い浮かばないんですよね。性格もぜんぜん違ったと思います。

この作品が、自分に置き換えて考えてもらえるきっかけに繋がったら

――夏休み期間中の公演ということで、小林真と同年代である中高生も多く観に来られると思います。ご自身の中学生時代を振り返り、作品を通じて現在の中高生に伝えたいことはありますか?

僕の中で「こういうふうに表現できたらいいな」というのはもちろんあるんですけど、それぞれの家庭環境や置かれている状況によって、たくさんの視点があるので、観る人によって見えてくる世界が変わる作品だと感じています。そのため、「これを伝えたい」というのを前面に押しすぎないようにしたいんです。

僕の中で『カラフル』は、これから先の未来を楽しむために、今をしっかりと生きながら頑張りたいと改めて思えた作品です。でも、今の僕が幸せだからそう思えるだけで、そうでない環境の子たちもたくさんいると思うんです。

一人ひとり良いことも、悪いこともある。それに重ねられるように、家に帰るまでの時間、お風呂に入っている時間、「どうなのかな?」と自分で考えてもらえるような、心に残る作品にしたいと思っています。

だから「作品を通して、こういうことを伝えたい」というよりは、自分に置き換えたり、重ねたりして、何か考えてもらえるきっかけに繋がったらいいな、と。

「どこに行っても常に見られる」宿命。それでも今の仕事が楽しい

――幼いときから芸能活動をしていた福さんは、実際に思春期でどういった悩みを抱えていましたか?

僕は中学のとき野球部だったのですが、やっぱり仕事で練習を休まないといけない場面があって。みんなと同じように練習できなかった分、「もっと練習したら上手になれるのに……」という葛藤はありましたね。

この仕事をしていると、どこに行っても常に見られる。それを考えたうえでの行動が当たり前になっているので、それを逸脱するようなことは考えないようにしています。もちろん、何の気兼ねもなく、時間も自由にあったら、いろんなことができていいなとも思いますけれど、それも理解したうえで、今お仕事をしていてすごく楽しいんですよね。だから、それが一番かなという感じです。

――最後に、本作を楽しみにしている方へ向けてメッセージをお願いします。

僕自身も、とても楽しみにしています。皆さんにも楽しんでいただき、何か心に残って考えてもらえるよう、これから稽古を頑張ります。ぜひ、皆さん観に来てください。

取材・文:矢内あや
Photo:MANAMI

インタビュー前編はこちら

公演概要

せたがやこどもプロジェクト 2023《ステージ編》
アミューズ×世田谷パブリックシアター ミュージカル『カラフル』

【原作】森絵都「カラフル」(文春文庫刊)
【脚本・作詞・演出】小林香
【作曲・編曲】大嵜慶子

【出演】
鈴木福 加藤梨里香 百名ヒロキ 石橋陽彩 菊池和澄
島田彩 高井泉名 本田大河 鈴木大菜
彩乃かなみ 川久保拓司 / 川平慈英

【日程】2023 年 7 月 22 日(土)~8 月 6 日(日)
【会場】世田谷パブリックシアター
※兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、茨城・水戸芸術館 ACM 劇場、愛知・春日井市民会館 にてツアー公演あり

【チケット料金】(全席指定・税込)
一般:S 席(1・2 階席) 9,500 円 / A 席(3 階席) 7,500 円
高校生以下(当日要証明書提示):1,000 円(S・A 席共に)
親子ペア(一般 1 枚+高校生以下 1 枚):S 席 9,500 円(前売のみ)
※ほかU24会員割引等、各種割引あり

【お問合せ】世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515 (10:00~19:00) https://setagaya-pt.jp/

【関連企画】
ワークショップ『「ミュージカルナンバー」を歌ってみよう!』
ミュージカル俳優として多数の作品で活躍し、本作の歌唱指導も務める林アキラさんを講師にお迎えし、「舞台の上で歌うこと」を体験できるワークショップを開催します。
日程:7月29日(土)16:00~17:30(予定)
ワークショップ公式HP:https://setagaya-pt.jp/programs/7283/

【公式SNS】
ミュージカル『カラフル』公式 Twitter @musicalcolorful
世田谷パブリックシアター公式 Twitter @SetagayaTheatre

【公演公式 HP】https://setagaya-pt.jp/stage/1858/

【主催】株式会社アミューズ 公益財団法人せたがや文化財団
【企画制作】株式会社アミューズ×世田谷パブリックシアター
【後援】世田谷区

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧