荒牧慶彦、瀬戸祐介、糸川耀士郎インタビュー 舞台『憂国のモリアーティ』case 2 「今の空間を支配する機微みたいなものを伝えたい」
――今作では、列車内での推理合戦など、いよいよシャーロックと直接対面するシーンが披露されます。シャーロック役の北村諒さんとの演技の掛け合いで、ここを楽しみたいというところがあれば教えてください。
荒牧:僕は単純にきたむーのお芝居がすごい好きなので、役者・北村諒と芝居するっていうところが一つの楽しみでもあります。それと、単行本を最新刊まで読んでくださった方々はわかると思うんですけど、今回出てくる列車内のシーンってたぶんウィリアムがシャーロックのことを好きになったタイミングなんですよ。
唯一無二の友達じゃないですけど、自分の思考能力と同等の人が現れて、高度な次元での推理を純粋に楽しむようなシーン。だから、役と同じようにそこは単純に楽しみたいですね。ただ、今のところ稽古がついただけで、お互いの芝居を消化していない状態なので、これからつくり上げていきたいなとは思います。
――前回登場したアイリーン・アドラーが、ジェームズ・ボンドとしてモリアーティ陣営に加わる点も注目されます。モラン、フレッドも含めたモリアーティ陣営のチームワークや見どころがあれば聞かせてください。
瀬戸:仲間が増えてアルバートの出番がさほどないんですよ。主に新聞を読んでいるだけっていう(笑)。でも、その分ストーリーも盛り上がりますし、今回新しく入ったモラン役の郷本(直也)さんもボンドとして加わった(立道)梨緒奈ちゃんも、本当に尊敬できる方たちだし、すごく役を面白くしてくれています。
あとお互いをカバーするようなシーンが何個かあるんですけど、そこが僕はすごい好きですね。お互いがキャラとして信頼し合っている感があるというか、このチームは絶対に裏切らないんだろうなって雰囲気が出てる。人数は増えたけど、絆はそのままみたいな。
糸川:僕もそう思いますね、ボンドが僕らに馴染んでいくシーンもちゃんと描かれていますし。あとはジャック(・レンフィールド)役の萩さん(萩野 崇)とかも加わって、すごい安心感あるなって。稽古しながら、前作にも増してモリアーティ陣営のパワーが上がってるなと実感しています。