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真田佑馬×梅津瑞樹インタビュー 『キルミーアゲイン’21』「人生の岐路に悩む人に絶対に“ささる”舞台です!」(前編)

INTERVIEW

劇団鹿殺しの活動20周年記念公演『キルミーアゲイン’21』が、9月30日(木)に東京・紀伊国屋ホールにて開幕。

関西学院大学在学中に菜月チョビさんと丸尾丸一郎さんが中心となり旗揚げした同劇団は、2005年に活動の拠点を東京に移し、路上ライブや強烈なキャラクターが登場する独自の世界観を描き演劇ファンの支持を得ました。

『キルミーアゲイン』は、2016年の劇団15周年記念公演として上演され好評を博した音楽劇。『ザ・ショルダーパッズ』でも競演したシンガーソングライターのタテタカコさんが今作でも音楽を担当し、ゲストには真田佑馬さん(7ORDER)、梅津瑞樹さんら2.5次元舞台でも活躍する若手実力派キャストや、小林けんいちさん(動物電気)、谷山知宏さん(花組芝居)ら個性派俳優陣が集結! 

超強力布陣でお届けする劇団鹿殺し渾身の作品の見どころや、稽古場での爆笑エピソードなど、真田佑馬さんと梅津瑞樹さんにたっぷり語っていただきました。

インタビュー後編はこちら

「“バネってる”という謎のダメ出しに戸惑った」(真田)

「劇団鹿殺しの準劇団員になりました(嘘)」(梅津)

――お二人は今回が劇団鹿殺しの舞台に初参加とのことですが、出演が決まった時の心境を聞かせてください。

梅津 劇団鹿殺しの方々とは今までに何度かお仕事をさせていただく機会があったので、公演に呼んでいただけて本当に嬉しかったです。今回は舞台『27 –7ORDER-』で共演した(真田)佑馬もいるので心強い(笑)。今、稽古に参加して1週間ちょっとが経ったところですが、本番が来週となった今もまだ自分の中で「正解」というか、「こういう感じにしよう」という明確な答えが出ないままに開幕が迫って来ている状態で・・・・・・でも不安よりも楽しみの方が大きいです。残りの稽古期間はもちろんですが、本番期間中も常に悩みながら「最終的に答えが見つかればいいな」という思いで日々作品と向き合っていこうと思っています。

真田 毎回豪華なゲストが参加している劇団鹿殺しの、記念すべき20周年の記念公演に僕たちを選んでいただけたのが素直に嬉しいです。あと僕は初めての紀伊国屋ホールなので、“舞台俳優の聖地”とも言われる由緒ある劇場に立てる喜びを噛みしめつつ、全力で楽しんで演じたいと思っています。

――ところで、今回はチラシにも公式サイトにもあまり情報がないのですが、ネタバレにならない程度に、お二人が演じるキャラクターについて教えていただけますか?

真田 僕が演じる「ヤブナカ」は、東京に行って芝居をしたり脚本を書いたりしていたけど、夢破れて故郷の村に戻って来る青年です。まぁ「青年」と言うには、35歳とちょっと年がいってる役なんですけど(苦笑)。

梅津 僕が演じる「ヤマネリョウタ」はヤブナカの1年後輩。彼も東京で演劇を志していますが、ヤブナカさんを追いかけて村に戻ります。ヤマネは演劇にとり憑かれている男で、役者としてなかなか芽が出ないけど頑張ってバイトもしている熱いヤツ。そういう部分は共感できますし、すごく自分とダブる部分のある役だなと思っていますね。

――ダム建設の是非に揺れる村にヤブナカが帰ってきたことが発端となり、村で“ひと騒動”が起こるみたいなストーリーですか?

真田 物語はそこからスタートしますが、必ずしもヤブナカを中心とした物語ではないです。登場人物一人一人のキャラクターが濃いし、それぞれの人生が交差していって、誰しもが持っている「変わりたい」という思いや、過去の事件が明かされる中で「あの時、こうすれば良かった」という後悔が生まれたり、“ある出来事”を発端に様々な感情がぶつかって複雑に絡み合っていく物語です。

――稽古中の印象的なエピソードを、ぜひ教えてください。

真田 「シティ感がある」「スタイリッシュすぎる」ってダメ出しされたんですよ(笑)。そんなダメ出しされたのは初めてですし、「踊りが“バネってる”」って芸歴15年で初めて言われました(笑)。

――35歳の男は踊りがキレッキレじゃダメなんですね(笑)。

真田 そうそう(笑)。「もっと動きを重く」「そんな軽やかに動かないで」って言われても、体に染みついているから「重く」「ダサく」って頭では分かっていてもなかなか出来なくて苦戦しています(苦笑)。

梅津 僕は劇団員の方がクタクタになっている姿が印象に残っていますね。

――クタクタとは?

真田 皆さん、ダメ出しの最中とかに寝落ちしかけているんですよ。それも1人や2人じゃなくて、ほぼ全員(笑)。そのぐらいクタクタになりながらも、「いいものを作ろう!」と各々が足掻いてて、とにかくストイックな現場なんです。

梅津 劇団って、セット作りや稽古場の掃除・片付けなども全て自分たちでやるので、「芝居もやりつつ、任された仕事もやりつつ」というように、やらなきゃいけない事がとにかく多いんですね。自分も劇団出身なので、劇団の根底にある、少しガテン系な部分や、根性で頑張ろうとしちゃう部分に親近感が沸きまくってます。だから僕らが帰り支度を終えても皆さん作業をしていると「手伝わなくていいのかな?」ってムズムズしてしまうんですけど、手を出そうものなら慌てて飛んできて「大丈夫です、やります、やります」って取り上げられちゃって(笑)。まぁ自分の劇団だったら、客演のキャストが「手伝いますよ」と言っても、同じように「大丈夫です」って断るので“劇団あるある”というか・・・・・・「コレな」って感じで、その点ちょっとモヤモヤしています(笑)。

――ご自身も劇団鹿殺しの一員という気持ちで、つい体が動いてしまう?

梅津 はい。実は昨日お手伝いさせていただいて、準劇団員として入団してお世話になることが決まりました(嘘)。

スタッフ 違います、違います! 昨日の稽古終わりにホワイトボードを運ぶのを手伝ってくださった流れで、「これで梅津さんも立派な劇団員ですね」って冗談を言い合っていただけです。

梅津 あはは! 帰る直前に、稽古場の入り口で困っている感じの方がいたので「手伝いますよ」って声をかけたんですよ。最初は「大丈夫です」って断られたけど、「いやいや、そういわずに」と粘ったら、最終的に「じゃあ、お願いします」って言われてついて行ったら、徒歩5歩くらいのところにあったホワイトボードを稽古場の中に入れるだけっていう、そんな力仕事でもなかった(笑)。

真田 それ、ひとりで運べるだろ(爆笑)!

梅津 なんか、そんな感じで毎日面白いことが稽古場では起こりますね。

真田 ほんと面白い! さっきも言いましたけど、稽古の最中に寝落ちするなんて、俺初めて見ましたからね。頭がガクンってなって「はっ!」って目が覚める姿を見て「稽古中にリアルに“キルミーアゲイン”が起きている。すげぇな、劇団鹿殺し!」って思いました(笑)。

――うまい! 座布団一枚(笑)!

真田・梅津 あはは!

取材・文:近藤明子
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)

インタビュー後編はこちら

公演概要

劇団鹿殺し 20周年記念公演『キルミーアゲイン’21』

【作】丸尾丸一郎

【演出】菜月チョビ

【音楽】タテタカコ

【出演】丸尾丸一郎 菜月チョビ 鷺沼恵美子 浅野康之 メガマスミ 長瀬絹也 内藤ぶり 藤綾近 前川ゆう 真田佑馬 梅津瑞樹 小林けんいち 谷山知宏 ほか

公式サイト http://shika564.com/killme2021

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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