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加藤和樹インタビュー ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』 「この世界で生きるジャックとアンダーソンを丁寧に作り上げたい」(後編)

INTERVIEW

――そこに関しては解明できているのですね(笑)。加藤さんが演じるうえで、作品や役柄によって使い分けているものはありますか?

今回は特にですが、やはり声ですかね。アンダーソンとジャックは人間が違うので、もちろん声も違います。なので、声色をどうするかという話を、歌稽古のときに白井さんともお話しました。

普段は役を演じていると自然と声も変わってくるので、意図的に変えることはあまりしていないのですが、今回は同じ人間が違う人物を演じているので、そこは意識しなければいけないなと感じています。

――それは声優の経験が活きていることもあるのでしょうか。

今まであまり意識はしていなかったですが、ひょっとしたら役に立っているのかもしれないですね。声のポジションというのは人によって違いますし、その役によってそのキャラクターによって声の出しどころが自然と変わってきます。

どちらかというと声優のほうも「この役柄は、こういう声の感じ」というのがあるので、それで声を作ってしまいがちですが、役を深堀っていくと自然と「こういう声のほうが合うな」というのが分かってくる。なので、無理して作っている声は実際のところあまりないですね。舞台に立って役として自然に喋る、それが役者の仕事だと思っています。

――役作りをしていくうちに、役の声もだんだんと自然にできあがってくるということでしょうか?

そうですね。感情が伴っていれば、自然とそこに付いてくるものではないかなと。考えてみれば、実生活でも怒るときはこういう声で怒るとか、電話の声がワントーン上がるとか……場面によって人は自然と声を使い分けているので、それが役者だと人物が変わるだけといいますか。そういう意識がありますね。

――最後に、改めて本作への意気込みをお願いします。

韓国では何度も上演されている大ヒット作を、今回日本初演のオリジナルで作れるということで、非常にワクワクしております。

僕自身、韓国で見たときに衝撃を受けた作品だったので、まだ作品を知らないみなさまにもこの感動を味わっていただけたら。個人的には、全く異なるアンダーソン、ジャックという二役を客席にお届けできるよう、精一杯頑張ります。

取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:山内洋枝(PROGRESS-M)
ヘアメイク/江夏智也(do:t) 
スタイリスト/立山 功

衣裳
シャツ ¥203,500-、カットソー ¥28,600-、パンツ ¥96,800-、靴 ¥138,600-/全て YOHJI YAMAMOTO(ヨウジヤマモト プレスルーム 03-5463-1500)

インタビュー前編はこちら

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』木村達成さんのインタビューはこちら 

公演概要

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』

<東京公演>
2021年9月9日(木)~29日(水)
日生劇場

<大阪公演>
2021年10月8日(金)~10日(日)
フェニーチェ堺 大ホール

キャスト:
ダニエル:木村達成・小野賢章(Wキャスト)
アンダーソン:加藤和樹・松下優也(Wキャスト)
ジャック:加藤和樹・堂珍嘉邦(Wキャスト)
グロリア:May’n
ポリー:エリアンナ
モンロー:田代万里生 他

スタッフ:
作曲:Vaso Patejdl
作詞:Eduard Krecmar
脚本:Ivan Hejna
演出:白井晃

公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/jacktheripper2021/

ストーリー

1888年ロンドン。

刑事のアンダーソン(加藤和樹・松下優也)は娼婦だけを狙う、“ジャック・ザ・リッパー”と呼ばれる殺人鬼(加藤和樹・堂珍嘉邦)を追っていた。残忍な犯行で解決の糸口も見えないため、マスコミを排除し非公開で捜査を進めようとする。 しかしロンドンタイムズ紙の記者、モンロー(田代万里生)はスクープ記事のネタを狙って アンダーソンに近づく。 モンローは、麻薬中毒者で金が必要なアンダーソンの弱みにつけこみ、情報提供の取引に応じさせてしまう。

4度目の殺人現場で、アンダーソンの前に男が現れ「犯人を知っている」と告白する。「そいつの名前はジャックだ」と。 彼は、7年振りにアメリカからロンドンにやってきた外科医ダニエル(木村達成・小野賢章)。 7年前、ダニエルと元娼婦のグロリア(May’n)はジャックと出会っていた。

犯行が重ねられ事件は混迷を極めていく一方。 アンダーソンはダニエルの告発に基づき、おとり捜査を計画するが、ロンドンタイムズ紙は “ジャック・ザ・リッパー”の殺人予告記事の号外を出してしまう。 そして、アンダーソンと彼のかつての恋人だったポリー(エリアンナ)までもが事件に巻き込まれる。

果たして、殺人鬼“ジャック・ザ・リッパー”の正体とは…?
そして、本当の目的とは…?

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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