佐奈宏紀×君沢ユウキインタビュー『Paradox Live on Stage』 「圧倒的なクオリティーでぶち抜きたい」(前編)
――それぞれが演じるキャラクターは、ご自身の性格に近いと思いますか?
君沢:近いんじゃないですか、やっぱり。人間っていろんな面があると思うんですよ。環境や状況によって「明るいね」って言われることもあるし、「おとなしいね」って言われることもある。いろんな面があると思うんですけど、西門は理解できるところがすごく多いですね。
アレンくんにしても、そもそもの佐奈くんに似てるなって思いました。もちろんヴィジュアルもそうですけど、置かれている状況であったり、その中で貫きたい思い……本当に漫画の主人公みたいな男が、漫画の主人公を演じるみたいな(笑)。そこは非常に面白いですよね。
佐奈:似てるのかなぁ~(笑)。もし似てるとしたら、何かに対する思い方、考え方みたいなところでしょうね。もしアレンくんが現実にいて僕と対面したら、見え方は全然違うかもしれないですけど、内側の熱みたいなのは近いものがあるかもしれないですね。
――差し支えなければ、君沢さんが佐奈さんを「漫画の主人公みたいな男」とおっしゃる所以について伺えますか?
佐奈:アレンくんのように「家を飛び出す」って感じではないんですけど、たまたまいろんなことが転がって今役者をやれているってところですかね。何もなければ親の仕事を継ぐ進路だったのに、突然僕の衝動が始まっちゃって両親に迷惑掛けたり、お姉ちゃんの夢をつぶしちゃったりしたので。
もともとお姉ちゃんは、アメリカで日本の文化を伝える職に就こうと5~6年ぐらい留学していたんです。でも、僕が役者を始めちゃって「誰が跡を継ぐんだ?」となった時に、お姉ちゃんが「日本に帰って継いであげるよ。好きなことやりな」って言ってくれたんですよね。だから、今でも本当に感謝しています。
そういう経緯があるから、周りがどうってことよりも自分で背負ったからこそ「ちゃんとやんなきゃな」って気持ちのほうが大きいんです。この先、親の後を継ぐって進路になったとしても、自分の決めた道を成し遂げないと僕自身が耐えられないなって。そういう部分はアレンくんに近いのかもしれないですね。