平間壮一インタビュー ミュージカル「ドン・ジュアン」「少し大人になったことで、内側にある怒りを表現したい」(後編)
――役者観についてもうかがいたいのですが、平間さんが感じる舞台の魅力とはどんな部分にあると思いますか?
アンサンブルの方と先日話していたのですが、最近せっかちな子が増えたなと感じていて。やはりYouTubeなど短時間で見られるコンテンツがいろいろと流行っている中で、面白くないから見るのをやめるといった切り替えの速さってありますよね。でも僕は逆に面白くないものを耐えた先の面白さもあると思っていて。たとえばドラマが今週はつまらなかったけど、来週は大きな変化があって面白かったねとか。その面白くない時期を経るからこそ、より楽しく感じられる時間って最近あまりない気がするんです。
でも舞台は生で観るので、感情の浮き沈みが観ている側にも生まれますよね。ずっと楽しいだけではなく、生きている心地がするのが舞台だなと思います。
今稽古中に前回の本番の音源を流しているのですが、自分が戦っている場面で「うわー」みたいな声がありまして。そこだけ聞いていると自分でも「何言ってるんだ、この人」と思うくらい訳が分からないんですよ。自分の声なのにちょっとやかましいといいますか(笑)。
でも生で観ていると「うわ、切られた。痛そう」と感情移入するので、全然やかましく聞こえないじゃないですか。状況を舞台という同じ場所で体感しているからこその良さがありますよね。生のお芝居のパワーはやはり強いなと感じます。
――確かに生の迫力はすごいですよね。では最後になりますが、改めて本作への意気込みをお願いします。
とにかく頑張ります。台本やキャストも少し変わっているので、前作とはまた少し違った新しい「ドン・ジュアン」を楽しんでいただけるかと。精一杯役として愛し愛され、さらに作品も愛しながら、みんなで愛を持った公演にしていきたいなと思っております。ぜひ観にいらしてください。
取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)
公演概要
ミュージカル『ドン・ジュアン』
【大阪公演】
2021年10月7日(木)~17日(日)
梅田芸術劇場 メインホール
【東京公演】
2021年10月21日(木)~11月6日(土)
TBS赤坂ACTシアター
出演:
ドン・ジュアン 藤ヶ谷太輔
マリア 真彩希帆
ラファエル 平間壮一
ドン・カルロ 上口耕平
エルヴィラ 天翔 愛
騎士団長/亡霊 吉野圭吾
アンダルシアの美女 上野水香(東京バレエ団)
イザベル 春野寿美礼
ドン・ルイ・テノリオ 鶴見辰吾
スタッフ:
作詞・作曲 フェリックス・グレイ
潤色・演出 生田大和(宝塚歌劇団)
協力:宝塚歌劇団
企画・制作:梅田芸術劇場
WEBサイト:www.don-juan2021.jp