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横田龍儀が思考も歩みも止めず追究する役者観「俳優とは考えるべき生きもの」【シアダン vol.13】(前編)

INTERVIEW

THEATER GIRLが注目する“今知りたい若手俳優”へのインタビュー企画「シアダン」。第13回にはミュージカル『刀剣乱舞』物吉貞宗役や、MANKAI STAGE『A3!』佐久間咲也役などで活躍中の「横田 龍儀(よこた・りゅうぎ)」さんをお招きしました。

9月にはMANKAI STAGE『A3!』~Four Seasons LIVE 2020~への出演予定の彼に、前編でうかがったのは、役作りで大切にしていることや、自分が成長できたと感じた瞬間などについて。己の内面を見つめるかのように、言葉を選びながら語ってくれた内容からは、役者としてのストイックさと、身の内に秘めた熱い思いが感じられます。

インタビュー後編はコチラ

幼少期からの夢を追って、役者の道へ

――ではまず、役者の仕事をしたいと考えるようになったきっかけを聞かせてください。

小さい頃に「仮面ライダー」をよく観ていて、その当時からずっと「仮面ライダーになりたい」って言っていたんです。そこから俳優という職業に興味を持つようになって、今、役者をしています。

――子どもの頃からの夢に近付いているんですね。仮面ライダーは、今も変わらず一番の目標なのでしょうか?

そうですね、その思いはずっと持ち続けてます。

描かれていない部分まで作り込む役作り

――役作りをする上で大切にされていることは、どんなことですか?

2.5次元作品での話ならば、まずはそのキャラクターのことをしっかり読み込むこと。その上で、表面的には描かれていない部分を、どれだけ考えるかということも大事にしています。例えば、俺がいただく役はけっこう明るい役が多いんですが、明るい人にだって少しは暗いところが必ずあると思うんですね。それを「どういう時に、このキャラクターは暗くなるんだろう?」って考えたり、そういった描かれていない部分を自分の中で考えるようにしてます。もちろん、(脚本などの)おおもととなる原本を書いている方の意見も取り入れながらですけど。

――描かれていない部分まで考えることで、役に厚みがでそうですよね。

それから、アニメなど二次元のキャラクターを、2.5次元作品では生身の人間が演じているので、そこにどれだけ人間らしさを入れられるかも考えています。二次元でやっていることをそのままやろうとすると、普通の人間だとやっぱり違和感を感じる部分があるので。

ゲームだと、表情のパターンがいくつか決まっていたりしますけど、もし(生身の)人間だったら、そのセリフを言われた時にどんな表情をするか。決まったパターン以外に、どれだけ表情を変えられるかを考えてますね。ここでも描かれていない部分を重視している感じです。

――では、原作を掘り下げて研究することで、自分なりに役を作り込んでいくと。

そうですね、この考え方がいいのかどうかは分からないんですけど。自分を役に寄せて考える時もあれば、役を自分に寄せて考える時もあります。ただ、自分はどうやっても二次元にはなれないから、そうなるとやっぱり役を自分に寄せて考えることになるので……。自分だったらそういう時にどんな表情になるだろう? 声色はどんな声色になるだろう? 筋肉は強張っているんだろうか? そういうことを考えるようにしています。

「もっともっと上手くなりたい」ストイックな芝居への姿勢

――これまで役者のお仕事をされてきた中で、悔しかったことや、苦労したエピソードがあったら聞かせてください。

悔しかったこと……いつもですね。舞台中に悔しかったことについて話すのであれば、毎公演毎公演、終わった後に悔しいと思ってます。「なんであそこのシーンをもっと上手くできなかったんだろう、もっともっとできたよな」とか。これを言ってしまうと、お客さんに対しては失礼になってしまうかもしれないんですが、どれだけやったとしても、終わった後にいつもそう感じてしまって。

舞台に上がっているその時には、もちろん自信を持ってその時にやれることをやっているんですが、舞台から降りた時には自分の芝居に自信なんて持てないので。ずっと「もっともっと上手くなりたい」「ここをよくすれば、もっと多くのお客さんの心を動かすことができるのに」って感じてます。

――達成感を感じるというよりは、すぐに次への課題に意識がいく感覚なのでしょうか。

正直、そうですね。もしかしたら、達成感を感じられたことはない、かもしれないです……。お客さんの前では本気でやってるんですけど、自分の課題について考えるとなると、まだまだだよなと思っちゃって。

――驚くほどストイックですね。止まらずにその先へ行こうという向上心が、そうさせているように感じます。

そうなんですかね。安心しちゃったら、そこで終わってしまう気がするので。この仕事では多分、満足感は一生味わえないんじゃないかなって、最近思ってます。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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