草川直弥（ONE N’ ONLY）インタビュー『緑のざわめき』「帰る場所があることはすごく安心する」（後編）

2023.09.27

INTERVIEW

現在絶賛上映中の『緑のざわめき』。本作は、第18回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門に正式出品された、福岡、佐賀を舞台に、3人の異母姉妹が織りなす物語。新鋭・夏都愛未監督が、大江健三郎や中上健次の文學にインスパイアされ、葉脈と血の繋がり、ファミリーツリー、性と聖の繋がりをテーマに描くオリジナル作品です。

主人公・小山田響子役には主演映画『よだかの片想い』や、 NHK大河ドラマ「どうする家康」でのお万役でも存在感を示した松井玲奈さんが出演。響子の異母妹であり、彼女をストーカーする菜穂子役を、『mellow』でヒロインを演じた岡崎紗絵さん、同じく響子の異母妹で佐賀の集落に暮らす少女・杏奈役を、オムニバス映画『21世紀の女の子』でも夏都とタッグを組んだ倉島颯良さんが演じます。

響子の元カレ・宗太郎にはダンス＆ボーカルユニット「ONE N’ ONLY」のRAP&ダンサーの草川直弥さん、菜穂子の友人・絵里に『忌怪島/きかいじま』での熱演も記憶に新しい川添野愛さん、響子の親友・保奈美に『蒲田前奏曲』の松林うららさん、杏奈に思いを寄せる透に『草の響き』の林裕太さん、村に住む長老にカトウシンスケさん、杏奈の伯母・芙美子に黒沢あすかさん等、フレッシュな若手や実力派が集結しました。

THEATER GIRLは、宗太郎役の草川直弥さんにインタビュー。後編では、個人での俳優活動と ONE N’ ONLYとしてのアーティスト活動でそれぞれ魅力に感じること、今後演じてみたい役柄などをうかがいました。

インタビュー前編はこちら

お芝居もアーティスト活動も「根本的な形は同じ」

――今回の映画出演は俳優として個人でのお仕事になりますが、 ONE N’ ONLYのメンバーとしてアーティスト活動もされていますが、個人でのお仕事とアーティスト活動で、それぞれ魅力的に感じるのはどんなところでしょうか？

僕的に一番大きいものはやっぱりライブだと思っていて、ONE N’ ONLYとしては、それこそツアーでいろんな地域を回らせてもらうので、チーム一丸となってライブを作り上げてファンの皆さんの前で披露できるところがすごく魅力的だなと思います。

でも、やっていることはけっこう似ているというか。お芝居もみんなで作品を作り上げて皆さんの元へ届けることになるので、根本的な形は同じなんですよね。ただ、アーティスト活動はグループでやっているので、常に仲間がそばにいて一緒に作り上げられるのが心強いですね。

役者としては一人で現場に行って、そこからみんなと仲を深めて作品を作っていくので楽しさも違うなって。なので、どちらも好きですね。ただ、僕的には一人で現場に役者として行った時の方が、よりしっかりしないといけないなと感じます。

――やっぱりグループのメンバーといるときは、よりリラックスして挑めるのでしょうか？

そうですね。それもありますし、個人の仕事の時は草川直弥として来ていますが、ONE N’ ONLYも背負って来ているので、そこは意識しないといけないと思っています。

一生懸命作り上げたものを観てもらえたときにやりがいを感じる

――役者としても映像や舞台など様々な作品に出演されていますが、役者として特にやりがいを感じる瞬間はどんなときでしょうか？

いろいろな役やシーンを演じることももちろん好きですが、みんなで一生懸命作り上げたものをお客さんに観てもらえたときに特にやりがいを感じます。この間、舞台をやっていたのですが、舞台だと直接お客さんの顔がはっきり見えるので、カーテンコールの時に顔を見て、何かを受け取ってもらえた表情をしていると「やっていてよかったな」と思いますね。

――やっぱり舞台やアーティスト活動でライブをしているときに、お客さんが喜んでいるのを感じられた瞬間は嬉しいものなんですね。

嬉しいですね。それから芝居でやったことのない役や難しいシーンに挑戦して気持ちよく決められた時も嬉しくなります。

――ライブをやっている瞬間はとても高揚感を感じられそうですが、どのようなお気持ちでステージに立たれているのでしょうか？

言葉で表すのが難しいんですけど、ライブをやっているときは本当に不思議な時間というか、自分じゃない自分になれるという感覚です。それこそ自信もみなぎってきますし。曲を通してお客さんとコミュニケーションが取れる時間なのですごく好きですね。

――弊メディアは観劇を趣味としている方向けのメディアなのですが、今後舞台に出演される機会があったら演じてみたい役柄はありますか？

この間出演した舞台ではかなりぶっ飛んだ役だったので、逆にヒール役というか、物語のキーマンになるような悪い感じの役もやってみたいです。

最近外に出ることが好きになってアウトドアになった

――お忙しい日々を過ごされているかと思いますが、草川さんなりの息抜きの仕方やリフレッシュ方法はありますか？

やっぱり友達と会う時間ですね。元々インドア派だったんですけど、先日もバーベキューをしたりして、最近外に出ることが好きになってアウトドア派になりました。

――アウトドア派になったのは、何かきっかけがあったのでしょうか？

よく遊ぶ友達が外に出るタイプだったので、連れ回されてるうちに気づいたらアウトドア派になっていました（笑）。

――最後に、本作への意気込みや映画を鑑賞される方にメッセージをお願いします。

本作は、三姉妹の噛み合わない部分やすれ違いがとても面白くて、共感してもらえる部分もきっとあると思います。僕が演じた宗ちゃんは一回観ただけだと「チャラくてクズだな」と思うかもしれないですが（笑）、その中でもどこか憎めないところがあるので、2回目、3回目と観てくださる方は、そういった部分も見つけてもらえたら嬉しいです。物語がゆっくりと進んでいくのでどんな方にも楽しんでいただける作品です。ぜひたくさん観てもらえたらと思います。