矢島舞美インタビュー 朗読劇『リクエストをよろしく』 「生放送という設定で、どんなアドリブが生まれてくるのかワクワク」(前編)
――ちなみに、矢島さんが最初にお芝居をしたときはどんな心境でしたか?
ものすごい緊張感でした。そのときはまだアイドルをやりながらだったのですが、鮮明に覚えていますね。知り合いが作ってくれた手作りのお守りをずっと握りながら、捌けるたびに「がんばれ、がんばれ」と自分を奮い立たせていたのを覚えています。それだけ心臓をドキドキ、バクバクさせながら、最初は不安を抱えて舞台に立っていました。
――どれくらいで慣れてくるものなのでしょうか?
いまだに初日は緊張します。あとはシーンにもよるかなと。感情的なシーンは入り込んでしまえば周りが気にならなくなるのですが、普通の会話から始まるときのほうが逆に緊張してしまいます。
――入り込んでしまえば、周りが気にならなくなるのですね。
シャットダウンして、その世界に入り込める感覚ですかね。
ちょうどこの間までやっていた作品が、日本舞踊のシーンから私が登場することになっていまして。日本舞踊ってかなり緊張感ありますよね? それは思わず声が震えそうになりました。
最初は理解できなかった感情も、感覚的に分かった瞬間がとても面白い
――今までやってきたお芝居の中で、矢島さんが特に印象的に残っている出来事はありますか?
つかこうへいさんの作品をやらせてもらったときがとても印象に残っています。つかさんの作品って、一見言葉と行動の辻褄が合っていなかったり、前のシーンとの矛盾があったりと、頭で考えてしまうと理解できなくて台本を読むだけだと全然分からない事があるんです。
「全力で声を出してやっていると分かるから」と言われて、「本当?」と思いながら最初はやっていて。はじめはどういう感情か分からずに台詞を言っているのですが、だんだん「あれ?なんだか分かってきたかも?」と感じるようになってきて。不思議なのですが、感覚的に分かった瞬間にとても面白いなと感じたんです。それは、つかこうへいさんの作品をやらなければ分からないことだったんだろうなと。挑戦できたことに感謝ですね。
人間の気持ちって、単純に言葉で説明できないときがありますよね? そういう究極の、ふつふつぐにゃぐにゃした感情を全部表現しているので、「これがリアルな心の中なんだろうな」という気持ちになりました。それが面白かったです。
取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:くさかべまき
公演概要
朗読劇「リクエストをよろしく」
【出演】
浜中文一 室 龍太
小泉萌香 / 岩崎諒太 岡田雄樹(Wキャスト)
速瀬 愛
矢島舞美
【スタッフ】
■原作:『リクエストをよろしく』(河内遙 作/祥伝社)
■脚本・演出:村上大樹
■企画:MMJ citrolemon
■製作:朗読劇『リクエストをよろしく』 製作委員会
【公演日程】
2021年12月3日(金)~12月5日(日)全6公演
12月3日(金) 13:00/18:00
12月4日(土) 13:00/18:00
12月5日(日) 12:00/16:00
■場所:シアター1010
■チケット代: ¥8,800-(税込)
■公式HP:https://www.mmj-pro.co.jp/request/
■Twitter: @Radio_T_S