土生瑞穂インタビュー 明治座『中村雅俊芸能生活50周年記念公演』「夢なんじゃないかと思うくらい光栄」(前編)
2024年6月2日(日)より明治座にて『中村雅俊芸能生活50周年記念公演』が上演されます。
本作は、昭和歌謡音楽劇とコンサートによる二部構成の舞台で、第1部では本公演のために書き下ろされた新作音楽劇『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』が上演されます。登場人物の心情を昭和歌謡で表現しながら、笑いがありつつもホロっと泣けるような、どこか懐かしくあたたかみのあるハートフルコメディです。
出演者は中村雅俊さんを筆頭に、コロッケさん、久本雅美さん、林 翔太さん、小川菜摘さん、松田悟志さん、玉野和紀さん、田中美佐子さん(特別出演)と錚々たる顔ぶれ。そんな中で土生瑞穂さんは町おこしのためにNPOで働く女性を演じます。
THEATER GIRLでは、三崎麻衣を演じる土生瑞穂さんにインタビュー。前編では、本作に出演が決まったときの心境や演じるキャラクターについて、役作りの方法についてなどをお話しいただきました。
夢なんじゃないかと思うくらい光栄
――中村雅俊さんの芸能生活50周年記念公演『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』への出演オファーをいただいた時はどのようなお気持ちでしたか?
最初は不安で、「自分で大丈夫なんだろうか……」という気持ちでした。やっぱり中村雅俊さんの50周年記念という貴重な時間を一緒に作らせていただくのはプレッシャーもあって。でも、みなさん本当に優しいんです。初めて顔合わせをさせていただいた時から、すごくウェルカムで迎えてくれました。雰囲気が温かくて素敵な現場です。
――制作発表会見では、「とても緊張している」と仰っていましたね。
すごく緊張しました……。昔からテレビで見ていた方達と同じ場所に立てたので。父も母も中村さんの大ファンだし、「これは夢なんじゃないか」と思うくらい光栄です。グループを卒業してからお芝居をするのは初めてだし、舞台に立つのも「ザンビ」以来なので本当に運がいいなって思います。
――「ザンビ」は2018年だったので、もう6年ほど前ですね。
そうなんです。久しぶりの舞台での緊張もあるし、すごい役者さんに囲まれている緊張もあって。いろいろな緊張はあるけれど、自分にとってすごく良い経験になるだろうと感じています。
――ご家族に舞台の出演が決まったと伝えた時はどのような反応でしたか?
すごく喜んでくれました!「中村さんは身長が高くてかっこいいから、たくさん見てきて」って(笑)。初めてお会いした時は想像をはるかに超えるぐらいかっこよくて。他の役者さんも素敵な方ばかりで、感動しました。
――どのような舞台になるのか楽しみですね。
はい。緊張はありますが、毎日のお稽古は本当に楽しくて。6月2日の公演が始まるまで、 お芝居を楽しみながら学んでいければ良いなと思っています。
可愛らしい雰囲気の役柄は新鮮
――改めて『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』の舞台のテーマについて教えてください。
「スターリバー・カフェ」というカフェ&バーが舞台になっていて、すごくレトロでポップな世界になっています。タイトルにもある「ジュークボックス」を中心に物語が進んでいくハートフルコメディで、笑いあり涙ありと、 すごく面白い作品になっています。
――土生さんが演じる三崎麻衣はどのような役柄ですか?
三崎麻衣は町おこしのため、NPOで一生懸命働いている女の子です。可愛らしい女の子で、唯一みんなに甘えられる役柄でもあるんです。麻衣から教わることもたくさんあって、特に可愛らしい雰囲気の役柄は新鮮ですね。
――土生さんとは少し雰囲気の違う女の子ですか?
そうですね。私は可愛らしいというよりかっこいいイメージが強いと思うんですけど、 麻衣は女の子らしい可愛らしさがあります。その部分も日々勉強です。
――逆に言えば新しい土生さんを見ることができる舞台でもありますね。
そうなると思います! 今回の舞台は昭和の歌謡曲も使われていて、今までにない姿をお見せできると思います。私の中の昭和のイメージがそのままが舞台になっているので、タイムスリップしたような気分で楽しめそうです。
――キービジュアルも拝見させていただきましたが、確かに今までにない土生さんのように感じました。
カールした髪型や可愛らしいレトロなワンピースも新鮮で。女の子らしい三崎麻衣を演じられるように頑張ります。
三崎麻衣になりきらなきゃいけない
――ライブと舞台では違う部分も多いと思いますが、舞台に立つにあたってどのように役と向き合っていますか?
ライブの時は土生瑞穂としてステージに立ちますが、舞台となるとそれぞれの役柄になりきるのがすごく大切です。当たり前のことですが、私も土生瑞穂ではなく三崎麻衣になりきらなきゃいけないと思っています。三崎麻衣の役をいただいてから、 「麻衣ならこういった時はどうするだろう」と常に考えるようになりました。
――役になりきるためにどのようなアプローチをされていますか?
昭和のファッション誌を見たりして、ワンピースの着方や、所作を見て自分の中に引き出しを多く持つようにしています。その引き出しを演出の玉野さんとご相談しながら、「麻衣はどんな人物なのか」を試行錯誤しながら作っているところです。普段、お稽古に行く時も可愛いバッグを持ったりして、できるだけ麻衣に寄り添うようにしています。
――原作があるわけでもなく、昭和に生まれていないと、なかなか捉えにくいかもしれませんね。
そうなんです。その時代を表現するのは結構難しくて。舞台の時代設定は現代なんですが、ビジュアル撮影の時は昭和をテーマにしていたので。
――そんな三崎麻衣とあまり似ていないと仰っていましたが、逆に似ている部分もありますか?
オーバーリアクションをするところは似ていますね(笑)。私はビビリで、すぐ驚いちゃうんですけど、リアクションの取り方は麻衣とけっこう似ています。舞台ではいろいろなことが巻き起こるんですけど、その時の麻衣のリアクションは可愛いなって。ぜひ注目して観て欲しいです。
取材・文・撮影:TATSUYA ITO
公演概要
『中村雅俊芸能生活 50 周年記念公演』
第一部 『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』
第二部 『MASATOSHI NAKAMURA LIVE -look back with smile , look ahead with pride.-』
【構成上演台本・演出・振付】 玉野和紀
【脚 本】 堤 泰之
【企画・製作】 明治座
【出 演】
中村雅俊 コロッケ 久本雅美
林翔太 土生瑞穂/小川菜摘/松田悟志/玉野和紀/田中美佐子(特別出演)
【公演日程】 2024 年 6 月 2 日(日)~18 日(火)
【会 場】 明治座