May’nインタビュー ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』 「ユリアの持つ揺るぎのない強さを大切に演じたい」(前編)
――今回『北斗の拳』をミュージカル化するにあたり、ミュージカルならではの見どころはどんな部分だと思いますか?
まずは音楽が素晴らしいところですね。今回はオリジナルミュージカルということで、フランク・ワイルドホーンさんが作られる魅力的な楽曲が揃っています。歌謡曲と言ったらおかしいですけど、日本人がグッとくるメロディアスな楽曲ばかりだと感じますし、その楽曲たちが『北斗の拳』という作品をミュージカルにとてもフィットさせてくれているので、幅広い方に楽しんでいただけるのではないかと思います。
気高い中にも柔らかさや親しみやすさを出さないといけない
――製作発表で、何曲か聞かせていただきましたが、作品の世界観にマッチしたドラマティックな楽曲が多いなという印象でした。今回、ユリア役を演じるにあたり何か取り組まれていることや準備されていることはありますか?
私は今まで生きてきて、柔らかさみたいなものを一度も出したことがないと思っていて、どちらかというとキレが良すぎるとはよく言われるのですが(笑)。ゆったりとか柔らかい表現というのは石丸さんにもご指導いただくのですが、喋り方であったり、ちょっとした顔の振り向き方や歩き方にしても、オーラ全体が強すぎるとよく言われてしまって。自分のライブでも、強い女性や女王みたいなパフォーマンスをしてきたので、つい「おまえら行くぞ!」みたいなオーラを纏って歩いてしまうんですよね(笑)。
でもユリアは、そんなに上から目線のような感じではないですし、気高い中にも柔らかさや親しみやすさを出さないといけないので。私がスイッチを入れない親しみやすさってこういう感じかな? と自分で考えた方に持っていくと、あまりにも日常過ぎてしまうので、柔らかさという部分は一番磨いていかなきゃといけない部分だと思っています。もちろん、セリフや歌の自主練もしていますが、一番は鏡を見て立ち姿や所作を研究していますね。
――今回Wキャストの平原綾香さんとは、稽古場でユリアの役作りについて、何か話し合ったり、一緒に取り組まれたりしているのでしょうか?
今はまだお稽古が始まったばかりなので、ユリアを深く探す段階ではないのですが(取材時)、別の仕事で稽古に参加できないときは、お互いに稽古の状況を共有し合っています。ただ、平原さんのユリアを拝見していると、私にはできないユリアだとすごく感じるんです。だから、いい意味で影響されないようにしたいと思っています。
平原さんのユリアはすごく魅力的ですし、私にはできないユリアだと思うので、素敵だと思うところは勉強させていただいて、May’nとしてのユリアをどう作っていこうかと今取り組んでいるところです。
――本当にそれぞれ全く違うユリア像を作られているんですね。
そうですね。でも平原さんもアクティブでファニーな方なので、一緒に稽古場にいるときはすごく楽しいです。