ユナク×堂珍嘉邦×ヨリコジュンインタビュー舞台『殺人の告白』「誰にでもあり得ることだと表現できたら」(後編)

2022.05.22

INTERVIEW

2022年6月17日（金）よりサンシャイン劇場にて、舞台『殺人の告白』の幕が開きます。本作は、新鋭チョン・ビョンギル監督が、韓国史上最悪の連続殺人事件とも言われている実際に起きた「華城(ファソン)連続殺人事件」からインスピレーションを得て描いたサスペンス映画「殺人の告白」の初の舞台化作品。

映画「殺人の告白」は2012年に韓国で公開後、270万人突破の大ヒットを記録し、その後日本でも公開。2017年には藤原竜也さんと伊藤英明さんのダブル主演により映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」としてリメイクもされた人気作です。

時効成立後、突然自らの罪を告白し、世間の注目を集める容姿端麗な連続殺人犯と事件を執拗に追う刑事。そして愛する人を失った残された者たち、それぞれの思惑がぶつかり、国を揺るがす犯罪ショーへと発展します。

本作で主演・連続殺人犯【イ・ドゥソク】を演じるのは、韓国出身の男性ダンスヴォーカルグループ「SUPERNOVA(超新星)」のリーダーで、歌手活動以外にもドラマ、映画、ミュージカルなどマルチに才能を発揮しているユナクさん。ドゥソクを追う刑事【チェ・ヒョング】を演じるのは、ブロードウェイミュージカル『アナスタシア』やミュージカル『RENT』などに出演し、歌手としてだけではなく俳優としても活躍をみせているCHEMISTRYの堂珍嘉邦さん。

また、連続殺人事件の真犯人を名乗る人物 J を前川泰之さん、ヒョングの婚約者・スヨンの父でウリ物産会長チョン・ウヌを岡田浩暉さん、出版社の女社長・オ・ソヨンを大林素子さんと個性豊かな役者陣が演じます。そして、脚本・演出・映像はジョン・キャメロン・ミッチェル主演の『HEDWIG AND THE ANGRY INCHSPECIAL SHOW』などの演出も担当したヨリコジュンさんが務めます。

今回、THEATER GIRLはユナクさん、堂珍嘉邦さん、ヨリコ・ジュンさんにインタビューを敢行。後編では、役作りや役者としての魅力を語っていただきました。

インタビュー前編はこちら

役は自然に抜けていく

――今作は重たいテーマの作品ですが、演じていて、堂珍さんとユナクさんは日々の生活でも役を引っ張られるということはあるのでしょうか。

堂珍：過去には役を引きずることもあったと思うのですが、いい意味で日常にライトに取り入れて楽しんでいる方なので、自然に任せて抜ける時は抜けますね。稽古から本番・千秋楽を迎えるまでは、ずっと同じモードでいると思います。

ユナク：僕は集中したいタイプなので、今はサスペンス映画しか観ていないですし、本や資料も探してたくさん読んでいます。役との切り替えについても、自分の中で考えて作っていくタイプです。

この作品に関しても準備をしていますが、映画や資料で調べたことは自分の知識データの1つとして頭に置いておくだけにしています。あとは、ヨリコさんに相談して、自分の中の悪を自分なりに表現していこうと思います。

――堂珍さんとユナクさんは演じる役について、自分と似ている部分はありますでしょうか？

堂珍：ちょっと難しいですが……殺人というお話ではなくて、最後に誰が行動するかという選択に迫られた時には、自分が動くことが多いです。そういった意味では、似ているかもしれません。

ユナク：家族愛としての気持ちは分かりますが、同じ状況になった時に復讐するのかは分からないです。なので、役として作っていくしかないのかなと。あとは、二重ではないというところですかね(笑)。

ライブ感のある演技が魅力的

――堂珍さんとユナクさんは、以前ミュージカル『RENT』でも同じ役をWキャストで演じられていましたが、それぞれお互いに役者として魅力だと感じる部分を教えてください。

ユナク：堂珍さんのお芝居は、流れに身を任せている感じで、日によって役の雰囲気が変わるというのが魅力だと思います。その日のコンディションも含めて、毎日違うなにかを表現している気がして、ライブ感があります。決まったルールというよりもその日の役としての気持ちで違って、ここでこういう芝居ができるんだ！　という発見があって、すごいなと思いますね。

堂珍：ありがとうございます。僕はその場でごまかすのが得意なだけなんです(笑)。ユナクさんは、いろんな役になれる人なんだな、という印象です。あとは、すごく情熱を感じます。目的のためには揺るがないというか。