加藤和樹×小野田龍之介インタビュー ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』「大きな人間模様、絆、愛が表現される作品になっている」（後編）
――作品にちなんだ質問をさせていただきたいのですが、トキは華麗な技を持っていますよね？ お二人が思う、これは自分の技だ、ご自身の強みだと感じることは何ですか？
小野田：そうだなぁ……。華麗なるトークさばき、ですかね？ 華麗なるにかけまして（笑）。
加藤：僕は料理ですね。
小野田：華麗なるカレーなだけに（笑）。技は、何だろうな……。
加藤：あなたは歌があるでしょ。
小野田：本当ですか？ じゃあそれで（笑）。でも「歌が技です」とか言ったら、「あいつ調子に乗ってる」って言われちゃう（笑）。
加藤：いやいや、みんな認めてるから。圧倒的な圧力といいますか、音の強さといいますか。その中で繊細なところもきちんと表現できるという。……歌えない歌、ある？
小野田：あるわ（笑）。でも僕たち二人、ずっといろんなミュージカルをやらせていただいていまして、僕はミュージカルの世界を子どものときからずっと歩んできて。その中でいろいろ培った音楽性のようなものがあると思うのですが、和樹くんは俳優としての音楽とアーティストとしての音楽と向き合ってきているので、同じ歌を歌っていても、何かフィールドが違う二人が歌っている感じ。培ってきた音楽性が違うので、トキが祈るように語っている歌も、音楽へのアプローチは基本的に同じでも、ちょっとしたニュアンスが違う部分があると思います。それはお互いの華麗なる歌技が炸裂すると思いますね（笑）。
トキは本当にこのミュージカルに助けられている気がする。他のキャラクターは戦っている延長でバーッと歌い出して感情を吐露することが多いのですが、トキはそもそも口数が少ないんですよね。「お前もっと喋れよ」と思う瞬間があるくらい。その分、音楽の力を使って感情のボーッと燃えたぎっているものを、歌として語る。本当に音楽に助けられている役だと思います。
「大きな人間模様、絆、愛が表現される作品になっている」
――では、最後に本作への意気込みをお願いします。
加藤：製作発表を経たことで『北斗の拳』の世界観が少し垣間見れて、お客さまの期待値も上がっていらっしゃるかと思います。でもそれ以上に、僕たちが作っているものはもっともっと進化し続けているので、初日の幕が開くときには皆さんが「これがミュージカル『北斗の拳』か……！」と驚くようなものになると思います。ぜひご期待ください。
小野田：日本で長年愛されているこの『北斗の拳』。ミュージカル化したものにはなっていますが、やはり『北斗の拳』の世界をベースに、大きな人間模様、絆、愛、さまざまなものが素晴らしい音楽、いろんな舞台技術によって表現される作品になっていると思います。
原作を知らない方でも、もちろん知っている方でも、さまざまな楽しみ方ができる演目になるのではないかなと。僕たち俳優も必死こいて日々模索しながら、よりよいものをと思って作っています。初演というのは一回しかないですから、このオリジナル新作ミュージカルの初演に携わらせていただいているキャストとして僕たちも誇りを持って臨みます。ぜひ楽しみに待っていていただけたらなと思いますし、劇場に来ていただけたらもっと嬉しいです。
取材・文：THEATER GIRL編集部
Photo：青木早霞（PROGRESS-M）
公演概要
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』
【東京公演】
2021/12/8(水)〜12/29(水)
日生劇場
【大阪公演】
2022年1月8日(土)・9日(日)
梅田芸術劇場メインホール
【名古屋公演】
2022年1月15日(土)・16日(日)
愛知県芸術劇場 大ホール
※2022年秋中国ツアー公演あり
原作：漫画「北斗の拳」（原作：武論尊 漫画：原 哲夫）
音楽 ：フランク・ワイルドホーン
演出 ：石丸さち子
脚本・作詞：高橋亜子
キャスト：
ケンシロウ：大貫勇輔
ユリア：平原綾香・May’ｎ（Wキャスト）
トキ：加藤和樹・小野田龍之介（Wキャスト）
シン：植原卓也・上田堪大（Wキャスト）
リュウケン他：川口竜也
トウ・トヨ：白羽ゆり
マミヤ：松原凜子
レイ/ジュウザ：伊礼彼方・上原理生(交互で役替わり)
ラオウ：福井晶一・宮尾俊太郎（Wキャスト）
バット：渡邉 蒼
リン：山﨑玲奈・近藤 華（Wキャスト）
リハク他：中山 昇
青年ラオウ他：一色洋平
ライガ他：後藤晋彦
フドウ他：澄人
フウガ他：田極 翼
青年トキ他：百名ヒロキ
ダグル（※オリジナルキャラクター）他：宮河愛一郎
ミスミ他：安福 毅 他
