内海啓貴インタビュー ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』「劇場でしか味わえない感動、それを生み出せる役者になりたい」(前編)
――内海さんが演じるジャン・ミッシェルですが、現段階ではどういう青年だと解釈されていますか?
まだ台本をいただいていないので細かいところは作れていないのですが、観劇したときに素直な子だなというのを感じました。
市村さん演じるザザに育てられてきたからこその素直さあるので、それを出していければいいなと思いました。でも彼にとっては自分が思っている普通と、同じ年代の友だちの普通がかなり違うと思うんですよね。男の人と男の人に育てられていますし。でもきっと誰よりも愛情深く育ててくれたのがザザだと思うので、素直な性格ではあるものの、先ほどお話した「異色の愛」がジャン・ミッシェルにとってはどこか引っかかっているのだと思います。
僕も周りと比べて「普通がいいな」と思ってしまう時期があったので、重ねている部分があります。そういう昔の自分ともリンクさせながら作っていけたらいいなと思いますね。
――実際にご自分とジャン・ミッシェルが似ているなと感じる部分はありますか?
そうですね。やっぱり素直なところは、似ているのかなと思っています(笑)。
稽古場で受け取る些細なことが舞台上でも生きてくるはず
――ジャン・ミッシェルにとって父は生みの親、母は育ての親、さらにその母は男性ということで、いわゆる“普通”の親子関係とは異なりますが、その親子関係の結び付きについては現時点でどんなふうに捉えていらっしゃいますか。
お二人とはこれから話し合いながら作っていきたいなと僕は思っているので、まだそこに関しては深く掘り下げていないのですが、きっと台本から受け取るもの以上に稽古場で受け取る些細なことが舞台上でも生きてくるのだと思います。
自分からお二人の懐に入っていって、作り上げていけたらいいですね。
――偉大な先輩方の懐に入り込むのはお得意なほうなのでしょうか(笑)?
どうなんでしょうか?それは自分でも分かりませんが、このままの僕で突き進んでいければと思っています。そこについての不安は……そんなにないです(笑)。
――内海さんにとって、新たな挑戦が多い舞台となりそうですね。
はい。初めて日生劇場に立たせていただけることも今回大きな挑戦だと感じています。僕自身、日生劇場にはよくミュージカルを観に行っていました。とても素敵な劇場なので、そこに立たせていただけることがとても嬉しいです。
役に関しても、偉大な先輩方に囲まれて挑める作品。フレッシュで僕にしか出せない色で挑戦できたらいいなと思っています。