佐藤寛太(劇団EXILE)×崎山つばさインタビュー 舞台『怖い絵』「時間とお金に見合う価値ある作品を全力で作っていきたい」(後編)
――コロナ禍を経て、舞台のあり方であったり、ライブのありがたさであったり、感じていられていることがありましたら教えてください。
崎山:マスクで共演者の方の表情は見えないですが、それでももちろん伝わってくるものがあるんですよね。本番や場当たりでマスクを取ったときに、「あっ、こういう顔してたんだ」って新しい発見があったりするので、前向きに考えるとそれはそれで良かったりもしますね。ネガティブに考えても仕方がないので。
佐藤:でもちょっと顔忘れちゃうことありません? もちろん写真などで見ているので、知ってはいるんですけど、マスクの印象でずっとやってしまうとやっぱり違うんですよ。顔を誤認するといいますか。一ヶ月ずっとマスクしたまま喋るから、外したときにぴんと来なくなっちゃうんですよね。
崎山:舞台だとそれにも慣れてきちゃってる感覚がありますね。あとはやっぱり舞台はお客さまありきのお仕事なので、お客さまがいてくれるから舞台が成立する。本作もしっかり上演することで、お客さまと一緒に作品を作れたらいいなと思います。なんとかやりきりたいですね。
佐藤:それで言うと僕はこのお仕事を始めるまで、ほとんど舞台を観たことがなくて。それこそ学校の行事で『ライオンキング』を観に行ったくらいなんですよ。舞台のチケットってやっぱり安くはないし、2時間ほどの時間をお客さまが捧げるわけだから、内容に見合ってないとそのお金を払いたくないじゃないですか。それはもう本当にその通りだと思っていて。
でもせめて観に来てくれた方には「これだけ時間とお金を出したけど、それだけの価値はあった」と思っていただけたらなと。もしかしたら、誰かに言うことでもないのかもしれないですが。でも心の中で腑に落ちてくれるような作品になるように、全力でやりたいなと思いますね。
崎山:そうだね。しかも「この時間に来い」って時間指定もしてるからね。
佐藤:僕も知り合いが出ている舞台を観に行ったりはしますが、このお仕事をしていても全く知らない人が出ている舞台を観に行きたいとなる頻度は少ないから。やっぱりそのチケット代に見合うものを作らなきゃと思いますよね。
劇場の扉を開けたら「緊張の糸が張り詰められている」はず
――では、最後に改めて本作への意気込みをお願いします。
崎山:舞台『怖い絵』のポスターを見て感じたのは、劇場自体が美術館になるのではないかなということです。お客さまは普通にお芝居を観に来ていても、いざ劇場の扉を開けて入った瞬間に、もうそこに世界観が出来上がっている気がしています。緊張の糸が張り詰められている雰囲気が多分あると思うので、それをどう作品と結び付けて、いい意味でどうやって期待を裏切るか、それを使ってどんな世界に連れて行くのか。観に来てくださる方には、劇場の空間を含めて『怖い絵』の世界観を浴びてほしいなと思います。
佐藤:やっぱり稽古でできたことしか本番でできない気がするので、稽古で自分が学んだことを出してどんどん磨いていけるように頑張りたいです。そして本番は美術館のようなセットになると思っているので、それが見ごたえの一つになるかなと。稽古場から舞台が仕上がっていくと思うので、稽古の間に成長できるだけ成長して本番に臨めたらと思います。
取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)
【佐藤寛太】
ヘアメイク:KOHEY
スタイリング:Masahiro Hiramatsu
【崎山つばさ】
スタイリスト:MASAYA
ヘアメイク:SUGANAKATA(GLEAM)
公演概要
舞台『怖い絵』
作・演出:鈴木おさむ
監修:中野京子
出演:尾上松也 比嘉愛未 佐藤寛太 崎山つばさ 寺脇康文
【東京公演】
2022年3月4日(金)~3月21日(月・祝)
よみうり大手町ホール
【大阪公演】
2022年3月24日(木)~3月27日(日)
COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール