ユナク×堂珍嘉邦×ヨリコ ジュンインタビュー 舞台『殺人の告白』 「誰にでもあり得ることだと表現できたら」(前編)
――今回の配役はどのように決まったのでしょうか? それと、ヨリコさんがお二人に期待していることはありますでしょうか。
ヨリコ:僕は演出する側でお二人は演じる側ではありますが、普段演じることだけをやっている人たちとお芝居を作るよりも、他の分野でも活躍されている方々とお芝居を作る方が面白いのではと思ったんです。そうすることで、ストレートプレイに偏ることなく見せられるのではないかなと期待しています。
僕が学んできた表現がありますし、お2人がそれぞれ活躍の中で学んできた表現もあると思います。その垣根を越えて、稽古場でディスカッションしながら作り上げていけそうな気がして。全く同じ分野にいると、それぞれのモチベーションやプライドがぶつかることもあると思うのですが、それがなく、楽しくできるのではないかなと思っています。
――ヨリコさんは稽古場で話し合いながら作り上げていきたいとのことでしたが、堂珍さんとユナクさんはどんなことが楽しみでしょうか。
堂珍:今回の舞台は、正解もゴールもない気がしています。お互いに常にフラットに高めあっていければいいのかなと。他のみなさんも経験が多い方々だと思うので、きっと刺激をいただけるはずなので、バランスを見ながらやっていきたいと思います。
ユナク:みんなに迷惑をかけたくない気持ちもありますが、新しくなにかを作るということと日本語でのストレートプレイで自分がどこまでできるのか楽しみです。
また、新しい環境で新しいスタッフさんとお仕事できるのも勉強になるという期待もあります。ヨリコさんとのお仕事も初めてでたくさん教えていただきたいですし、堂珍さんとまた同じステージに立てることも楽しみで、頑張ろうという気持ちでいます。
――ちなみに堂珍さんとユナクさんを逆の配役にすることは考えられたりしましたでしょうか?
ヨリコ:ゼロですね。この作品がすごく好きで、僕なりのこだわりがあるので、それは全く考えなかったです。
舞台だからできることをする
――ヨリコさんは原作が大好きとのことですが、原作のどういった部分に魅力を感じたのでしょうか。
ヨリコ:殺人鬼をヒーローにした映画もあると思うのですが、この作品はそうではないところです。製作者のエゴかもしれませんが、実際に起きた事件を描いた作品のなかでも、殺人犯を美化して殺人犯の気持ちも分からなくはないという見せ方をする作品も多いと思います。ですが、今回のこの作品は、きちんと被害者の気持ちが分かるものになっている。まだ犯人が捕まっていない間も、被害者の遺族たちがどんな気持ちだったかが描かれているというところも魅力だと感じますね。
――映像での演出において、ヨリコさんの思う見どころとなる部分はどこになりますでしょうか。
ヨリコ:基本は原作をリスペクトしているので、内容をあまり変えようとは思わないです。ただ、舞台で表現できることは限られるので、それを逆手にとって、舞台ではこんな風に描いたのかということをしたいと思っています。その1つとして映像を取り入れようとも思っていますね。
内容をあまり変えないとは言いつつも脚本は僕が考えているのですが、なにが正解かは分からないですし、ギリギリまで考えようかと。カーチェイスを見せることが正解ではないですし、それを目的に来る方もいないと思いますし。この作品で見せたいのはそこではないので、手法の1つとして上手く映像を使っていきたいです。
取材・文:THEATER GIRL編集部
公演概要
舞台「殺人の告白」
【出演】
イ・ドゥソク/ユナク チェ・ヒョング/堂珍嘉邦
グァンス/小南光司
チョン・スヨン/岡田夢以 カン・ドゥヒョク/日向野 祥 チョン・テソク/白又敦 チェ・ガンスク/加藤里保菜
オ・ソヨン/大林素子 J/前川泰之 チョン・ウヌ/岡田浩暉
【原作】Jung Byung-gil
【脚本・演出・映像】ヨリコ ジュン
【協力】SHOW BOX
【日時/会場】2022年6月17日(金)~26日(日) サンシャイン劇場
【チケット料金】全席指定 9,900円(税込)
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。※未就学児入場不可
【主催】舞台「殺人の告白」製作委員会
【お問い合わせ】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
【公式HP】http://s-kokuhaku-stage.com/
【公式Twitter】@s_kokuhaku