花形新派 朗読劇「女優」出演 竹中凌平さん特別インタビュー
8月11日に東京・新橋演舞場にて、花形新派 朗読劇「女優」が上演されます。
今回は、THEATER GIRLの連載企画「シアダン」の第1回に登場いただいた竹中凌平さんに、新派の舞台に初挑戦する思いや意気込みについて語っていただきました。
花形新派 朗読劇「女優」
1969 年 11 月新橋演舞場で北條秀司の作・演出で初演。日本の女優の草分けともいえる松井須磨子が、 24 歳で演劇を目指した頃から、大成して恩師・島村抱月の後を追い自殺をする 33 歳までの短くとも波乱と栄光に満ちた生涯を描いた感動作品。今回は、松井の没後100年追悼公演として、約 1 時間半の朗読劇として上演される。
竹中凌平さん特別インタビュー
出演が決まったときの心境は?
まず、自分が新橋演舞場に立てるということに大きな喜びと、驚きを感じました。同時に、歴史あるこの劇場に立ち、女優の松井須磨子さんを追悼するとても大きな意味のある作品をやらせて頂くということに背筋が伸びる思いでした。
あとは、今まで自分が御一緒させて頂くチャンスがなかなか無かった方々と共演させていただけるという事に、不安と同時に期待もありました。
新派という新しい分野への挑戦になりますが、注目してほしいポイントは?
今回の朗読劇ですが、朗読だけでなく、歌もあり、台本を離しての芝居もたくさんあります。 そして何より、作曲家の「中山晋平」だけでなく、中山晋平とは真逆の生き方をしているであろう別の役も演じさせて頂きます。ここはかなりの注目ポイントかと思います。その役は、いつも応援してくださる皆さんが僕の舞台でたぶん今までに一度も見たことのないような全く違うイメージの役です。
まず、一つの作品の中で、完全に異なる役を演じるというのは、今までほとんど経験の無い事でした。そのうえで、語り手として話を進めていく役目も担います。そこが面白くもあり、難しくもあり、現在苦戦もしています・・・なので、役の演じ分けだったり、そういった部分もぜひ注目して頂きたいです。そしてラストシーン、山場をどう見せられるかも楽しみです。
舞台への意気込みを聞かせてください。
少し前の事ですが、僕が好きだったアーティストの方が亡くなられました。その方が亡くなった記事を、複数のメディアが取り上げたので、その方は生きていた頃よりずっと有名になりました。それに対して、とあるアーティストの方が「なんで追悼は出来るのに、応援は出来なかったんですか。」というメッセージをファンの方々や、メディアの方々に向けて叫んでる姿を見て、何故か僕は胸が苦しくなりました。
もちろん僕には、須磨子さんの生きてきた時代を生きることは出来ません。 ですが、この作品で、中山晋平として松井須磨子さんと同じ時代を生きる以上、 僕の演じる中山晋平を通して、今回の舞台を通して、伝説の女優、松井須磨子さんの生きている姿をしっかり目に焼き付け、生意気ですが須磨子さんの人生を精一杯応援したいです。
そして今回、伝統ある劇場で伝統ある劇団の方々と伝統ある古典作品という 新しいことに挑戦するなかで、 まだまだ大変な事も沢山あると思います。それらの壁をしっかり乗り越え、お忙しい中わざわざ劇場までお越し頂く皆さまには少しでも良い作品を届けたいと思います。来てよかった、観てよかったと思っていただけるために最後までもがき続けます。 より良くあるために幕が上がるその瞬間まであがき続けます。
何より、今回の作品は映像に残りません。観に来ていただいた方の眼や脳裏に焼き付けていただくことで作品は完成します。絶対損はさせませんので最後まで僕のチャレンジをそばで一緒に見守ってください。2019年8月11日(日)16時半開演、たった一日限り、1公演限りです。皆さんの記憶にしっかりと残れるように頑張ります。劇場でお待ちしております。
花形新派 松井須磨子没後百年追悼 朗読劇「女優」
2019年8月11日(日)東京都 新橋演舞場
作:北條秀司
構成・演出:成瀬芳一
【キャスト】
松井須磨子 他:山吹恭子
島村抱月 他:田口 守
沢田正二郎 他:三原邦男
秋山宇作 他:桂 佑輔
倉橋仙太郎 他:尾瀧一眞
山村露子 他:美幸ちひろ
森 律子 他:瀬戸摩純
中山晋平 他:竹中凌平